ネズさんのシャウトがスマホのスピーカーから流れ、びりびりと空気を振動させる。かっこいい。ものすごくかっこいい。ごろりとベッドに転がったまま枕にスマホを乗せ、わたしはうつ伏せになってネズさんのライブ映像を眺めていた。どんどん楽しい気分になってきてネズさんの曲をへたくそな鼻歌でなぞっていると、となりから不機嫌な声が聞こえてくる。
「…………なまえ、朝から何見てんです」
「あ、おはよう」
低血圧なネズさんは寝起きがあまり良くない。眉間にシワを寄せてのろのろとその場に上体を起こしたネズさんは、ぼーっとした表情でわたしを見下ろしていた。
布団からはみ出る上半身は裸のままで、白い胸元が呼吸に合わせて微かに動いている。スマホの画面の中の荒々しい姿とはまるで別人みたいだ。
「昨日のライブ、見にいけなかったからエール団の人に動画送ってもらったの」
「なにも今見なくてもいいでしょう」
「だって早く見たくて。昨日は、あの、見る暇もなかった……から……」
自分で言っていてものすごく恥ずかしくなってしまい、語尾がゴニョゴニョと消えていく。
昨日のライブ後、うちへ来たネズさんにそのまま抱き潰され、気がつけば朝になっていたのだ。ライブをした日にはよくある事だが、その事実を改めて自分で口にするのはものすごく恥ずかしい。
わたしはその場で枕に顔を埋めてスマホを握りしめた。スマホの中のネズさんは変わらず力強い歌声をスピーカーから響かせている。
「へぇ、そういえばそうでした」
「ひゃあっ」
「おっと、すいません」
突然背中にネズさんの髪の毛が当たり、わたしは悲鳴をあげた。ネズさんは相変わらず気だるい声のままわたしに謝ると、わたしの背中に覆いかぶさった。
「な、なにして……」
「おれの歌声ならいつでも好きなだけ聞かせてやりますから、ちょっとこれ止めますよ」
とん、とスマホ画面をタップしてネズさんはライブ動画を停止してしまった。そしてわたしのお尻に、硬くて熱いものが擦り付けられる。見なくてもそれが何かわかるのは数時間前、それにしぬほど気持ちよくさせられたからだ。それはもう本当に、しぬほど。
わたしは昨夜のまま下着も服も着ていなかったことをものすごく後悔した。裸のままくつろいでいるんじゃなかった。
「なんで、んっ♡勃って、ぇ♡」
「朝勃ちです」
ずりずりとお尻の割れ目に硬くなったおちんちんが擦り付けられ、頭の中がふわふわしてくる。ネズさんはわたしの背中にぴたりとくっついて、熱い舌で耳をべろりと舐めた。
「ひっ♡」
「ふふ、冗談ですよ。照れるなまえが余りにかわいいので勃ちました。抱かせてください」
ちゅっ♡と甘いリップ音を耳元で鳴らして、ネズさんは上機嫌にそう言った。ついさっきまで寝起きで不機嫌そうだったはずなのに、今ネズさんの声はまるで歌声のように涼やかだ。
体の下に潜り込んできたネズさんの両手はぐにぐにと乳首を弄んでいて、わたしのおまんこはすぐにとろとろと濡れ始めてきてしまっていた。
「あぁ、おれの歌声が聞きたいならセックスしながら歌ってやりましょうか?かわいいなまえの為ならいくらでも歌ってやりますよ」
くすくすと笑いながら本当に耳元で歌い始めたネズさんの声に脳がぐわりと揺さぶられる。お尻に擦り付けられていたはずのおちんちんはいつのまにかおまんこを擦っていて、快感にずるずると引きずり込まれていく。
ライブ動画の荒々しい歌声とはまるで違う、甘ったるいネズさんの歌声にわたしは体を震わせた。