朝起きるなり「今日キャンプ行こーぜ」とにこにこ笑ったキバナさんに連れられて、わたしはワイルドエリアにやって来ていた。
キバナさんがテントを張ったのはワイルドエリアのずいぶん奥の方で、人はおろかポケモンもあまり居ない。やっぱりキバナさんはジムリーダーで有名人だから、こうやって人の少ないところの方がいいのだろう。
ここならわたしたちも、手持ちのポケモンたちも好きなだけのんびりできそうだ。それにキバナさんが一緒なら、もし強いポケモンが現れても安心だ。
わたしはうーん、と伸びをして気持ちのいい日差しを浴びた。この辺りは天気もすごくよくて最高のキャンプ地だ。さすがキバナさん。

「キバナさん、カレー何入れる?」
「もうカレーの話かよ?まだカレーには早いだろ」
「ふふ、カレー楽しみなんだもん」

カレーは家で食べてもおいしいけど、外で食べるともっとおいしい。更に言うとキバナさんと作って食べるともっともっとおいしいのだ。
おいしいカレーに想いを馳せていると、キバナさんがわたしの肩をぐい、と抱き寄せた。思わず悲鳴をあげれば、くつくつとキバナさんが意地悪そうに笑う。

「かわいい声」
「び、びっくりしたんだもん」
「おら、オレさまと写真撮るぞ、写真」
「わっ」

ぴたりと頬を寄せられて、一気に顔が熱くなる。キバナさんのかっこいい顔がこんなすぐ側にあるのにはいつまで経っても慣れることができない。
カシャカシャとスマホロトムが写真を撮る音を聞きながら、画面に映るキバナさんのかっこよさにドキドキしているとふいに名前を呼ばれた。

「なまえ」
「なぁ……ん、ぅ」

なぁに、と言いかけた唇をキバナさんの唇に塞がれて、びくりと体が揺れた。わたしのものより大きな舌が口内に入り込んできて、息がくるしい。くるしいのに、ぬるぬると舌で口内を撫でられるとすぐにきもちよくなってしまう。
頭を手でしっかりと押さえ込まれ、お互いの唾液が混ざり合って溢れていく。キスをしている間もスマホロトムは写真を撮り続けているらしく、シャッター音がくちゅくちゅというえっちなキスの音に混ざって聞こえてくる。どうしよう。恥ずかしいのに、興奮してしまう。
キバナさんがキスに満足する頃には、わたしはすっかりメロメロになってしまっていた。

「っはぁ……♡キバナさん……♡」
「なまえ、カレーはまだ後でいいよな?」

キバナさんの問いかけに何度もこくこくと頷くと、キバナさんはべろりと唾液で濡れた自分の唇を舐めてスマホロトムを手に取った。
するするとスマホの画面の上をキバナさんの長い指が滑って、あっという間に何かSNSに投稿したようだった。いったいどの写真を投稿したのか胸がドキドキするのに、それを聞くよりも先にキバナさんはわたしに低く甘い声で囁いた。

「それじゃあ中で続き、しようぜ」
「……つづき……」

わたしの腰を撫で回すキバナさんの手の動きが「つづき」が何を指すのか表すようにいやらしく動いている。キバナさんに導かれるまま、わたしはふらふらとテントの中に吸い込まれていった。