目の前の書類の山を片付けなければいけないと思うとため息が出る。様々な高い技術を持つカルデアでも、何もかもがペーパーレスというわけにはいかないらしい。
レポートをまとめたりするのは嫌いではないが、少々溜めすぎた。その処理を手伝ってくれている隣のアルジュナの方を見ると、すらりとした手が目に入った。

「アルジュナの手、綺麗だね」
「そうでしょうか、無骨な手だと思いますが」
「指が長くてすらーっとしてて綺麗だよ」

わたしがそう褒めると、アルジュナは少し照れたように微笑んだ。日頃真面目できっちりとした面ばかり見せているアルジュナの、時折見せるこういった顔がわたしは大好きだった。

「なまえの手も、とても美しいと思いますが……」
「そ、そうかな、ありがとう」

ぎゅ、と手を握りながらそう言われ、わたしは照れ笑いをしながら目を伏せた。アルジュナに触れられている部分から、じわじわと熱が広がっていく。

「ええ、柔らかで小さく、とても魅力的です」
「あっ、ちょ、アルジュナ……っ」

わたしの手を指先でなぞりながら、アルジュナはうっとりと言葉を続けた。つつ、と爪先で指の腹を押されると、なんだかぞくぞくする。丁寧にじっくりと手に触れられると、不思議と息が上がってきてしまう。

「愛らしいですね、なまえ」

にこ、と微笑んだアルジュナはわたしの手にちゅ、とキスをしてみせる。洗練されたその動きは、まさしく王子様だ。
そのまま手の甲から指先まで、何度もちゅ、ちゅ、とキスをされる光景から目が離せない。そしてアルジュナは、わたしの指先をぱくりと口に含んでしまった。

「なっ、なに、して……!?」

ちゅう、ちゅ、と音を立てて指が吸われたかと思うと、舌先で指の股までなぞられる。いたずらっぽい視線を送るアルジュナに、わたしは子宮が疼くのを感じていた。

「は、ぁ……♡ぅ……♡」
「なまえ、デスクワークを少々休憩するのはいかがでしょうか」

休憩という言葉が意味することを想像して、ぶるっと身震いする。すっかりピンク色になった頭に拒否する考えなど浮かぶわけもない。
そうだね、と熱に浮かされているわたしの手の甲に、アルジュナは再びキスを贈って笑った。始めたばかりのデスクワークを中断して、わたしたちは休憩という言い訳を被ったえっちな甘い時間を過ごすのだ。