※背後注意r-15くらい
※肉食系リゼルグ

久しぶりにリゼルグと二人きりの時間が作れたので、自室で恋人と水入らずで睦みあっていたら、突発的に口付けの嵐が襲ってきた。
彼のする事は余りにも過激すぎて、自分で言うのもなんだけどまだ初心だから、羞恥とその他諸々の気持ちが身体中をぐるぐる回って火照らせている。

恥ずかしくて、リゼルグの顔がまともに見れないから視線を逸らしていたら、それがまた余計に彼の何かを焚き付けたみたいで更に行動はエスカレートしていった。
耳朶を食んだかと思えば、首筋にキスしたり、今日何十回と重ねた唇にまた戻ってきたり。

予想だにしない、突然の大人への階段を踏み出そうとした状況に理性がなんとか止めに入るも、心の底に居る悪い自分が邪魔をして行動に移せずただただ頭の中で争ってるだけだった。

「なまえ、こっち見て」
「む、むり!!こ、こんな事されて恥ずかしくて…見れない、突然すぎ…!」
「久々だもん、ボクだってずぅっと我慢してたんだよ。ちょっと位、わがまま言わせてよ」
「だからって、は、はれんちな事はまだ私達には…!」
「そこまでしないから。なまえが嫌ならしない、けど満足するまでちょっとは好きにさせて…ね?」

リゼルグの色めいた視線で、私の心臓はきゅっと締め付けられる。
そこまでしないという言葉に少し残念な気持ちになるのは何でだろう。そんなこと、まだ早いからしちゃダメなのに。

「ふふ、凄くドキドキしてるでしょ」
「リゼルグにこんな事されたら、そうなるもん」
「ボクがそうさせてるって思うと、こっちまで胸がいっぱいになるね。ホントになまえは可愛い」

そう言うと彼はわざとリップ音を立てて私の口にキスを落とす。
理性とは裏腹に体が勝手に動いてついリゼルグの体に腕を回し、顔を近づけようとする。
私だって寂しかった。沢山触れ合いたいと思ってた。
だからこうして気持ちを沢山ぶつけられるのは嫌じゃないし、むしろ嬉しいけど、心の準備はまだ出来ない。
さっきも思ったけど、私はこうした事は慣れてない初心なのだ。初めてのキスだってもう死ぬんじゃないかって思ったくらい緊張した。

けど、こうして相手から進んでしてくれると恥ずかしいからと躊躇していた事柄を勢いでやってのけれるんじゃないかと、他力本願っぽい変な期待を心の底の本能がしている。
色々と考えてると、ただでさえ熱いのに余計逆上せてきた。

「なんか、暑い」
「凄い火照ってるよ、ちょっと換気する?」
「だめ、窓開けたら…音とか、声が聞こえちゃうじゃん」
「…………えっ」
「…あっ、そ、そういう意味じゃ、なくて」
「ふーん、言い訳なんてしないでもいいのに。期待しちゃった?」

ついオーバーヒートした頭がバグを起こして、本音や期待に関連することを言ってしまった。
理性では適当にダメだダメだとか言ってるけど、本当は、ちょっとなら、ステップを踏んだっていいかなって思ってしまってる。
だって、こんな強烈な事されたら健全な人間なら反応しちゃうでしょ。

リゼルグの問いかけに多分さっきよりもっと顔を赤くしながらぎこちなく首を縦に振ると、彼は身動きが出来ないように覆いかぶさってきた。

「…ボク、中々歯止めが効かないタイプだけど」
「知ってるもん、そんな事…期待させたからには責任、取って」
「いいの?本当にしちゃうよ?」
「私も寂しかった、から…今日くらいなら」

私がそう答えると、いつもの知的で静かそうな表情がちょっと変わった。見た事ない、異性的な目付きで私を見つめるリゼルグは刺激的すぎる。

もうここまで素の自分が出てしまっては理性のタガなんてあっても邪魔なだけだから、もう外してもいいんじゃないか。
これからの事柄に期待して、お互いの足を絡ませて、抱き合って。
私自らリゼルグにキスをした時にはもう、変な建前なんて消え失せていた。

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