(2025/9/17までサイト内拍手にお礼用として設置していたお話です。)



隣に眠る人の規則的な呼吸を聞きながら、寝付けない夜のこと。
瞼は重くて、意識だけは明瞭な、そんな夜。

背中越しに衣擦れを感じたから、ああリョーマ起きたのかなあ、と。それはなんとなく分かったのだけど目を開くのが億劫で私は眠ったふりをした。

あなたの優しい手が私の後ろ髪をひと撫で。それからその手は私の腰に巻かれた。

厭らしさなんて微塵もない。
まるで赤子を寝かしつけるように。


私はそっと寝返りを打ってあなたに近付いた。

そしたら頭をとんとん、あやすように触れられたから、嬉しくて。なんだか目頭が熱くなった。


キスしてほしい、そう思うと瞼にそれが降ってきた。

突然の不意打ちに驚いて緩みそうになる口元に堪えていたら静かな部屋にぽつり。「おやすみ。」と言う大好きな声。

「…バレてた?」
「バレバレ。」

信じられないほどやさしいキスを受けて腕の中に収められる。
しあわせだなあ。優しさに包まれて私はようやく眠りについた。





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