::下ネタです。本当に下ネタです。苦手な方は気をつけてください。
「はい、じゃあ二人とも協力よろしく」
感想を待ってるから、と、マクギリスとガエリオの目の前に差し出されたのは所謂紳士の嗜み、もとい男のマナーというやつで。
「っな、!!」
「…ふむ」
絶句するガエリオとは違い、マクギリスは手のひらサイズの箱を手に取り、しげしげと眺めていた。
「これは従来の物と比較した場合、何が優れているのだろうか?」
「よくぞ聞いてくれました!これの一番の売りはね、柔らかさ。まるで本物の皮膚のようなきめ細やかさと感触を再現し、そして材質の特性から長く越せなかった厚さの壁を突破した0.01mmの優れものなの!おかげでより熱伝導率が良く、着けていることを忘れてしまいそうなほど。もちろん、耐久性もばっちりよ!薄くなったからって破れやすくなるようじゃナンセンスだわ。加えて装着もしやすく、相手への負担も驚くほど少ない。合成素材だから天然物と違ってアレルギーの心配もないしね」
どやぁ、とばかりにドヤ顔で製品についてのプレゼンを行うサラ。それをふむふむと、顎に手を当てて耳を傾けるマクギリス。ガエリオといえば、怒髪天を衝く思いから体をわなわなと震わせていた。羞恥心もある。
こいつらは真昼間から何の話をしているんだ!
確かにこれは大切なことだ。男側の義務である。病気の予防対策にもなる重要なものだ。
しかし、大事な話があると彼女に呼び出され、わざわざ研究室に足を運んでみればまさかこんな話だったとは。自分達二人は休暇中であるし、勤務中の彼女に差し入れでも持っていってやるか、と気を利かせてみればこれだ。
ガエリオは怒りと羞恥で頭が沸騰しそうだった。
「とりあえずいくつかサイズを用意したから、君達の自分で選んで持って行って。色も透明タイプからオレンジ、ピンクと数種類あるから。…あ、でもSサイズはないけど大丈夫だよね?MからLLまでならあるよ」
「ああ、問題ない。しかし、なぜ私達に?」
「君達ならたくさん使う機会あるでしょ?」
「まあ無いわけではない、と言っておこうか」
「でしょう?だから丁度いいかなーって。試作品を試してもらうのは。あと頼みやすいし」
「っ〜〜〜問題大ありだ!この大馬鹿っ!」
ガエリオはサラの頭を勢いよく叩いた。バシッと小気味良い音が鳴る。
「いったいなー、もう…何?いきなり人の頭を叩くとか。私の脳細胞が死滅する。これは世界にとって大損失。由々しき問題だよボードウィン卿。紳士じゃないぞ」
「昼間っからコンドームの話を持ち出す奴に淑女を相手にするようにできるか!お前にはこんな扱いで十分だ!」
叩かれたところを片手で押さえ、唇を尖らせてブーたれる彼女にガエリオはびしりと指を差して言った。
「まぁいいや。とにかく感想待ってるから。改善点があればレポートで提出してね」
よろしく、と良い笑顔で勝手に話を打ち切ったサラに、もう一度ガエリオの雷が落ちた。マクギリスといえば、勝手知ったるなんとやら。コーヒーを淹れ、一人優雅に飲んでいた。世界は今日も平和である。