私たち夫婦は、少しだけほかと違う。

「なまえちゃん、煮物持ってくか?」
「うれしい! あ、たまねぎ多めで」
「少しは春日にも食べさせたほうがいいですよ」
「いやいらん。なまえ、よろ」

 閑静な住宅街にそびえる、ごく普通の一軒家。そこに暮らすのは、私たち夫婦……ではなくて。旦那さんの春日くんと、それから大河くんと誓さんだ。
 日曜の夜。私たち夫婦のお別れの時間。仕事がお休みである土日だけ、私はこのハウスで生活を共にさせてもらっている。
 大河くんも誓さんも快く承諾してくれた週末婚。渋っていた春日くんも、今ではすっかりこの生活になじんで楽しんでいるようだ。

「みゃう」
「おや、おこげもお見送りですか」

 キャットタワーで眠っていたおこげが、靴を履こうと屈んだ私の足に擦り寄る。顎下をくすぐると、気持ちよさそうに目を細めた。

 そろそろ行かなくては。靴を履いて、ボストンバッグを持って、勢いよく立ち上がる。春日くんが、車のキーを持った。

「それじゃ。また来週!」


2025.10.22

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