「春日くーん……大河くんとお買い物行ってくるよ」

 すう、と小さな寝息と一緒に、お布団が軽く上下する。起こさないように、また静かに扉を閉めた。


 ハウスの近くのスーパーは、私の家の近くのスーパーよりもずっと品揃えがよくて、しかも安い。納豆のパックをぽいぽい買い物かごに放り込んで、ブロッコリーを吟味する。特売の牛乳は持って帰るのが大変だからあきらめて、見切り品を一通り見たあと、冷凍食品コーナーで大河くんと合流だ。
 
「あれ、牛乳はいいのか?」
「持って帰るの大変かな〜って」
「保冷バッグ、うちにあったはず」

 そんな至れり尽くせりな。持っておいで、と言われるがまま、牛乳コーナーに後戻り。奥のほうから賞味期限が長めのものを二本とって、ついでに隣のヨーグルトもひとつ。
 さすがに週末に全部買いだめするのは難しいけれど、毎週末のこの買い出しで我が家の食費は大助かりだ。

「さっき見切り品にチーズケーキあったんだけど、どう思う?」
「俺は食べたことないな。作れるし」
「強者の発言だ!」
「はは。クリームチーズも安いし……帰ったら作るか」

 今日のおやつはチーズケーキで決まり。
 四人で食べるチーズケーキは、一人で食べるよりも幸せで、夫婦で食べるよりも少しあたたかい。

2025.10.22


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