うんしょとこたつ布団を取り出して、テーブルにセットしてコンセントで繋ぐ。テーブルの裏側がオレンジ色に光るのを確認していると、いちはやくこたつの気配を察知したおこげが、すぐさまこたつの下で丸くなった。
「おや、さっそく」
誓さんが、マグカップを片手によいしょともぐりこむ。うんうん、やっぱり誓さんにはこたつがよく似合う。
テーブルの真下に陣取っていたおこげが、誓さんの反対側からにょきりと顔を出した。誓さんの脚に場所を譲ったのかな、お利口さんだ。
「かびくさいとか、タンスくさいとかありませんよね?」
「ええ、大丈夫ですよ。そこはなんといっても、大河がきちんとしてくれてますから」
「ほんと、大助かりです」
噂をすればなんとやら。玄関扉が開いて、買い物袋を提げた大河くんのお帰りだ。
「おっ、ありがとう。こたつセットするの大変だっただろ」
「全然! 大河くんもあったまって〜」
遠慮する大河くんから買い物袋をひったくって、こたつにぐいぐいと押し込む。大きめのこたつではあるけれど、成人男性二人が座っているとちょっとちっちゃく見えてくるな。
白菜、だいこん、かつおぶし。今夜はこたつを囲んでお鍋とかいいかもしれない。そういえば以前買った焼酎もまだ残っていた気がする。
「お、こたつ出てんじゃん」
「お二人もこたつを堪能しませんか? 極楽ですよ」
春日くんが、あくびをしながら登場。きっと自室のお布団でぬくぬくしていたのだろう。食べものをしまい終えて、冷蔵庫の扉をしめる。
四人分の湯飲みと急須、お湯のポットをお盆に乗せて、テーブルに置く。自然と空いたスペースに落ち着こうとしゃがんだところで、おこげが鳴いた。
「にゃーん」
「あー……おこげ、そこどける?」
「みゃう?」
三人の視線が、痛い。
おこげは、すっかりこたつのぬくもりと布団の重みにまどろんでいる。ゆっくり持ち上げようとすると、結構しっかりめに歯を立てて噛まれた。
えーと。テーブルは四角形。四人で座るには、一辺ずつ入るしか、ないのだけど。
「……俺、どこうか?」
「いや、大丈夫。春日くん、そっち一緒にいれて」
「は? やだよ狭いし」
「こたつかがり、というものがありまして」
「ちょっ……! 誓さん、それは……!」
「なにそれ! 春日くん知ってる?」
「さあ?」
結局、ここぞというときにだけ食べさせる超高級猫ちゃんおやつを用いて、おこげの誘導に大成功。おこげはご機嫌でご主人様におでこをカキカキされている。
おこげが満足気に鳴いた。これで全員、あったかいね。
2025-10-25
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