「んー、酔ったあ」
美味しいチキン、美味しいシャンパン。心も身体も満たされる夜。先にお風呂に入っていて正解だった。すっかり真っ赤になって、こくりこくりと船を漕ぐ。春日くんに手を引かれて、おとなしくお部屋に向かった深夜。
「なまえ、布団敷いてないじゃん」
「だってぇ、今日は聖夜だから」
いつもなら、春日くんのお部屋に敷布団を用意するのだけど。今日は、それがない。
昼間にサボったわけじゃない。ぼふんと春日くんのベッドに飛び込んで、枕を抱きしめる。
「はーるひくーん、ぎゅ!」
布団を敷くのなんて簡単なのだけど、春日くんは何も言わなかった。ベッドのど真ん中を占領する私にまたがって、電気を消す。
……あれ、おかしいな。今夜は同じベッドで身を寄せ合って眠りたかっただけなんだけども。おでこにキスが降ってきて、ふわふわしていた頭の中がクリアになる。
「あの、春日くん?」
「なに?」
「……寝ないの?」
「寝んの?」
おでこから、眉間。鼻先と、それからほっぺた。毛先が顔にかかってくすぐったい。
「寝ようよ……」
「まじで言ってる?」
まじもまじ、大まじなんですけど。冷たい指先がパジャマのボタンをひとつ開いて、唇が鎖骨に落ちてくる。ぴり、と小さく痛んで、つい春日くんの頭を抱きしめた。
「最後にもう一回だけ聞くけど。寝る?」
「うう……もうちょっと起きてる」
「ん。優しくすんね」
春日くんと聖なる夜。みんなぐっすり夢のなか、静かなハウスで、ベッドの軋む音と吐息が混ざり合った。
2025.12.24
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