背中越しの(雑渡)


「何故、私を助けてくだっさたのです」


背中越しに聞こえる、か細い声。
傷を負った身を震わせながら尋ねる少女は、重さを感じさせないほどに小さい。

そのちっぽけな少女からぶつけられた問いを、厄介だと雑渡は思った。
改めてこの問いをぶつけてくる理由。なまえは”いつもの答え”を求めているのではないのだ。


「そうだねぇ……」

幾度も繰り返してきた同じ問い。








ALICE+