ねた

▼2016/07/05:小さな策士

子ギルSS

「おはようございますマスター」
蛍光灯の光に反射してキラキラ眩しい金色をぼんやり見つめていると緋の瞳が視界いっぱいに広がった。
未だ微睡みの中で上体も起こさないうえに返事をしなかったのが不満なご様子のギルくんは頬をぷくりと膨らませ視線を逸らした。

「ボクもう知りませんからね!」
「今起きる!起きるから置いて行かないで」
慌しくベッドから起き上がり寝癖がついていないか確認する。…今日は大丈夫そうだ。

「お待たせ!じゃあ行こうかギルくん」
「はい!あ、っと部屋を出る前に……」
ちょいちょいと手招く動作をするギルくんに首を傾げながらしゃがんで目線を合わせる。
2秒後、静寂に包まれていたマイルームに可愛らしいリップ音が響き渡った。

「おはようのキス、まだでしたから」
えへへ…と満面の笑みを浮かべるギルくんの愛らしさに自然と笑顔を返す。
そんなマスターの単純さに子ギルは小さく鼻を鳴らした。

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極夜