ねた

▼2019/04/12:幸せはんぶんこ

GE3 ユウゴ
ネコメンズアクキーユウゴ君可愛いなぁ!?
から猫パロに至りました


ニャア、と鳴いて帰還を知らせるのは何故か全く理解出来ないのだけれど体が小さくなり頭部に愛らしい耳と髪と同色のツートーンカラーの尻尾を持つ幼馴染み、ユウゴの姿。
皆を纏めていた頼もしい青年がまさかこんな愛らしい存在になってしまうとは、誰が予想出来ただろうか。

「お前の為に持ってきたニャ」
口に加えていた魚を玄関先にポイッと投げないでいただきたいものだ。
しっとり体を濡らし、エラ呼吸をしようと頑張っている魚を摘み上げて台所に置き捌く事に慣れつつある時点で非日常が自分のなかで日常になりつつあるんだろうなぁと思案しながらユウゴに向き直る。

「ユウゴの事だから帰ってくるまでご飯食べてないでしょ?私と半分こしよっか」
「俺は大丈夫だから、気にせず食べてくれ」
とさ何とか口では言っている漆黒の瞳が魚に注がれているのに、彼自身気付いてないのだろう。
帰路で泥水を被ったらしい彼のバリバリになった髪を撫でながら、ご飯の後はお風呂にしようと心に決め抱き上げる。

「……風呂には絶対入らニャいからな」
彼が零した言葉を聞かなかったフリをして無視を続けていると、二の腕に鈍い痛みが走った。
痛みの発生源に目をやると噛まれたであろう箇所がほんのり赤くなっている。

「悪い、加減はしたつもりだったがそんなに痛かったか?」
「ユウゴ君がお風呂に入ってくれるなら、この痛みもすぐ引くと思うんだけどなー」
「…………わかった、入る」
こんな姿になっても彼は私にとことん甘い。
首元を撫でられ、気持ちがいいらしいユウゴが喉を鳴らしているのを見守っていると私の頬も自然と綻んでくる。
顔を見上げて見つめてくるユウゴに「何でもないよ」と言えば彼は不思議そうに首を傾げた後、再びニャアと鳴いた。




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極夜