▼2016/08/08:子ギル(言峰)SS
プリズマ☆イリヤ次元に突然飛ばされた甘い物が好きな一般ピーポーが子ギルラーメン屋店主に拾われる人気を感じない閑散とした商店街を歩き続けてどれくらい時間が経っただろうか。
寒気に晒され今にも感覚がなくなりそうな腕を摩り、痛みを訴え始めた脚を止めた。
「雪降って寒いし歩き疲れたし…何よりお腹すいたぁ…」
もう一歩も歩けそうにない。よく分からない場所で餓死だなんて嫌だな。最後に甘い物のを食べたか…った…。
狭まる視界のなかで揺らめく金色に疑問を抱く前に意識を闇の中に手放した。
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「その娘どこで拾ってきたのだ」
「おじさんの店先に倒れてたんだよ。放っておくのも可哀想でしょう?」
「お前は善意で他人を助けるようには…目が覚めたようだぞ」
肩から何かが滑り落ちていくのを感じながら身体を起こす。
鼻腔を擽る食べ物の匂いに忘れ去っていた空腹が蘇り、隣に腰掛ける金髪の少年と佇むの男性にはっきり聞こえるまでのお腹の音が鳴り響いた。
「喜べ少女丁度出来上がったところだ。心置きなく食すがいい」
「ありがとうございま…んんっ!?」
ラーメン鉢から覗くのはひたすらに赤い物体。鼻に突き刺さる劇物臭に第六感が警告を発している。
「あんな所にそんな格好で倒れていたから体の芯まで冷えてるだろうと思って…これを食べれば直ぐに温まるよ!」
顎を手の甲に乗せニッコリ愛らしく微笑む少年からは一縷の悪意も感じられない。
再び赤いそれ(ラーメンらしき赤い魔物)と向き合った私は割り箸に手を伸ばした。
「い、イタダキマス」
そして私は再び意識を失った━━。
(涙を流しながらおじさんのラーメンを頬張るお姉さんの顔、堪らなかったなぁ)
(無垢な様を装って退路をなくし否応なしに食べさせるとは…やはりお前はギルガメッシュだな)
(やだなーそう言うおじさんこそ麺の量を減らして麻婆豆腐を増やしてたでしょ。…香辛料増しましのを)