ねた

▼2021/09/16:目を背けた先に広がる幸せ

プーサーと"その後"を話すSS
甘さ皆無シリアスめ


「この戦いが終わった後もアーサーは私の元に居てくれる?」
 静まり返っていた室内に少女のか細い声が響き、それは直ぐに彼女の隣に腰を落ち着けていたアーサー・ペンドラゴンの耳に届いた。翡翠色の大層美しい瞳が一度、二度と瞬きそれから居心地悪そうに彼女を捉えていた瞳は空虚な白い床へ落とされる。
「……ああ。僕はずっと君の側に居るよ」
 この出会いこそ奇跡に近しいものであり、目的が果たされた後どうなるか両者分かった上で目を瞑り口は真実を告げる前に噤む。
 仮初の短い幸せだったとしても、その願いが叶わないと重重分かった上でマスターはアーサーに問いかけ、異世界の騎士王も答えを出したのだ。
「アーサーは本当に優しいね」
 真実から目を背けた少女は哀愍を帯びた瞳で騎士王を見つめ、小さく笑んだ。

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極夜