ねた

▼2016/09/09:プリ☆イリ次元のお話

以前書いたトリップ主
色々あってエインズワースの屋敷の突入に参加してアンジェリカさんと遭遇(2.3話辺り)
ちょっと長いので追記からどうぞ

「異物が"二つ"も入り込むとはな」
全身を刺し貫かれるような、寒気すら感じさせる悍ましい殺気が全身に降り注ぐ。
極めて明らかな敵意に隣のイリヤちゃんも息を飲んで動く事が出来ないようだ。
重厚そうな音を反響させながら高い位置に結い上げた髪を揺らし現れた女性は絶対零度の瞳をわたしに向けた。

「人畜無害そうな━━いや、何の役にも立たなさそうな女。お前だ」
「わたしですか…?」
「そうだ。お前は何者だ何処から現れ出でた」
それが分かっていたら困っちゃいませんよ!なんて浮かんだ本心をこんな敵意バシバシの女の人に言えるはずもなく唇を噛んでいたのがダメだったらしい。
辺りにも聞こえるくらいに大きな舌打ちをひとつした女性がゆっくりと手を掲げる。

「答えないか、ならば…死ね」
「(なんて理不尽なー!!)」
イリヤちゃんの悲鳴も、田中さんが息を飲む音も、ギル君が呼ぶ声すら遠くに聞こえる。
いきなりワケの分からない世界に飛ばされ、右も左も分からないままこの世の物と到底思えない激辛麻婆ラーメン(ラーメンだとは言っていない)を半強制的に食べさせられて…踏んだり蹴ったりな人生だった。グッバイ華の10代。
目を瞑り衝撃に備える…目と鼻の先で何かが地面を抉り刺さる音が響いた。
少し間を置いてさっきの女の人の馬鹿な…!と驚嘆混じりの声。

「大丈夫?生きてる!?」
駆け寄って来たイリヤちゃんがわたしの身体を包み込む。━━ああ、温かい。まだ体温を感じていられ…てる?

「…怪我して、ない?」
目の前に刺さった金の武器がすうっと音もなく空間に溶けていく。あの武器って実は砂で出来てた、とか?いやいやそんな筈はない。

「気が変わった。貴様を生け捕りにしてあの方の元に連れて行く」
「ひえぇぇ!?何の取り柄もない一般人を連れて行っても得はしませんよ!」
「…宝具だけでは飽き足らず彼女まで奪う気かい?ボクが先に目をつけてたんだ。そう簡単には連れて行けると思わないことだね」
「先に目をつけてたって何ですかギル君!」
ばちばち火花を散らし始めたギル君たちにわたしの声は届いてないよね、知ってる。
臨戦態勢を取った2人の巻き添いにならないよう、ひっそりとその場から退避した。

Prev | Next

極夜