ねた

▼2016/10/10:巌窟王SS

追記から

煙草嫌いなマスターの顔に煙を吹き付けたいエドモン

「やっと来たか。遅い到着だな」
紫煙をくゆらせながら眩い黄金の瞳をわたしに向けた男は何が愉快なのかくつりと喉を揺らした。

「煙草…葉巻の煙が苦手だってわたしずっと言ってるよね?どうしてわたしの部屋でこれ見よがしに吸ってるの?そんなにわたしが憎いか嫌…ゴホゴホッ!」
口を動かしながら葉巻の火を消してやろうとエドモン・ダンテスに近付くと何より大嫌いな煙をゼロ距離で顔に吹き付けられる。
大きく咳き込み出したわたしの様子にエドモンが口角を釣り上げる。ギザついた八重歯がちろりと姿を覗かせた。

「ほんっと止めてよ…煙草の匂い部屋に染み付いたらどうしてくれるの。またエミヤから消臭剤貰ってこなくちゃ」
瞳から流れた涙を袖口で拭いながら善は急げとエドモンを捨て置いてすっかり煙臭くなってしまった私室を浄化すべく扉へ向かう。
早くここから出ないと自身の身に何より嫌悪している煙の臭いが染みてしまう!
背後で愉快そうに笑うエドモン・ダンテスは一体何を考えてわたしの部屋でプカプカ葉巻を蒸し、いつも顔に煙を吹きかけてくるのか。
わたしが彼の復讐者と距離を縮めるにはまだまだ時間が必要なことは、明白な事実であった。

煙草の煙を顔に吹きかける意味を知ってささっと書き上げました

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極夜