ねた

▼2016/12/14:泡沫人への恋慕

術ギルSS
7術バレ入ります

ぐだーずと同じく魔術師夢主

滅亡の道を辿るウルクの街。数日前まで人々の笑顔に溢れ活気づいていたこの街が廃墟と化すだなんて私達は想像出来るはずもなかった。
少し話は変わるけれど私の直感はよく当たる。それは自分自身でも恐ろしくなるほどに"悪いことに関して"はほぼ100%当たると言ってもいい。

死の街と呼んでしまってもなんら遜色ないその街で最後の悪あがきをしている最中その直感が働いた。
背を駆ける悪寒に視線を走らせ、全身全霊の力を込めてその人に体当たりをかませば彼は小さな呻き声を上げて少し離れた場所に体を打ち付けた。
私の予期せぬ行動にマシュの眉が釣り上がり咎めようと口を開いた直後、大地が悲鳴を上げ始めた。

「(アレは彼を射殺すつもりだったのか)」
それならさっきの悪寒にも納得が行く。
彼はカルデアの人々にとってもマシュにとってもなくてはならない最後の光。こんな所で倒れさせるわけにはー。

「(……いや、違う!!)」
アレの口が歪な弧を描く。奴がもし、私が庇うことを前提に彼を狙ってきていたとしたらーー?
自身も魔術師の端くれ、彼ほどの数ではではないがサーヴァントの魔力供給を賄っている。
もし、私がここで死ぬような事があれば極一部のサーヴァントを除いて消滅してしまう!

それは一寸の狂いもなく私の左胸へと突き進んでいる。私の行動をよくよく読んだ攻撃だと拍手を送りたくなってきた。
同時に自分の考えなしの行動に苛立ちも募りだす。そんな後悔をしたところで私の死は覆えらないというのに。

「……いつの時代も我をヒヤヒヤさせる。そろそろよく熟慮した上で行動するということを学べ、大莫迦者」
彼とマシュの悲鳴めいた声を遠くに聞きながら地面に向いていた顔を上げる。
困ったような、呆れたような…慈しむようなそんな表情を浮かべたギルガメッシュ王と視線が交わる。
彼の名前を呼ぶ前に強く腕を掴まれ、私の体が宙を舞う。
覚えているのは大地を割かんばかりの地響きとギルガメッシュが最後に見せた優しい貌だった。

(前世で彼と同じ時代を生き王を庇って命を落とした少女と昔と変わりない彼女に安堵しつつその姿を見納めるギルガメッシュ)

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極夜