▼2017/01/28:ひび割れた虚像
寝込みを襲う子ギル(肉食系)ちょっと長いので追記から
「足取りが覚束ないですよ。そんなに眠いんですか?」
「うぅ……だいじょーぶぅ」
瞼を開けていられない、直ぐにでも体を横たえたくて誰かの声に適当に相槌を打ちながらマイルームへ足を進める。
……あと少し、もう一踏ん張りで柔らかいベッドがーーーそこで私は意識を失った。
「ーーん、んっ…」
息が苦しい、酸素を取り込めない、口内を何かが這っている。
窓辺から差し込む柔和な月の光が私と何者かの姿を捉える。鮮烈な赤はすっかり体を固くした私を前に三日月型へと変えた。
「おはようございますマスター。予想より随分早いお目覚めですね」
存分に口内を荒らし、ようやっと満足した様子の少年は私の腕を戒めている鎖を愛おしげに撫でながら笑った。
こんな夜更けに彼は一体何を、と考えて行き着いた考えを直ぐに首を振って否定する。
「ボクに限って寝込みを襲う、夜這いをするだなんて万に一つもないと思ってました?」
お前の浅略な考えなど自分には全て筒抜けなのだと、その瞳が静かに告げる。
王の言葉を全て否定してしまえと脳から出された指示に従い再び頭を振る動作に入ろうとした私の顎に小さな手が伸び、そのまま固定される。
歪む視界の中でやけに赤く色付いた彼の舌が絶望を刻むのを私は、逸らすことも許されず凍りついた心の蔵と共に待つしかないのだ。
「貴女がどんな理想をボクに抱いていたかは知らないですけど…コレが”ボク”ですよ。よくその瞳に焼き付けて下さいねマスター」