ねた

▼2017/02/21:VD夢になる予定だった英雄王

早い話が没ねた(中途半端に終わります)
追記からどうぞ

「ハッピーバレンタイン!いつも頑張っている君に贈り物を与えよう」
「……あ、え…?き、今日でした、っけ…」
シンプルかつ洗練された包装紙とダヴィンチさんの笑顔を見比べる事数十秒。
少女の言葉にならない叫びが反響したーーー。


「とりあえずチョコレートガナッシュと甘い物が不得手な人用に紅茶のシフォンケーキを3ホールずつ焼いてメッセージを添えたうえで台所に置いてきたけど足りる…よね」
最近やけに男女関係なく浮き足立っていると思っていたけど、こんな一大イベントを失念していたとは…。
カルデア制服から私服に着替えて直行した台所で余っている材料と相談しながら拵えたお菓子達ではあるが、自分ながら美味しいものが作れたと満足しているので不満が出ることは多分ない。はず。

「あの人の事だから朝一番に私の元に来てチョコを寄越せ、と言ってきそうだと踏んでたけど…今どこに居るんだろう」
他の英霊と同じ物をギルに渡すなんて神をも恐れぬ行為をした日には……どうなるだろう。今のマイルドになったギルからはちょっと想像出来ない。
ギルとも随分と長い付き合いになってきたし、それ位で怒りは……する、なぁ。
細かく刻んだ板チョコを湯煎にかけ、室温に戻していた生クリームを流し込んでゆっくりと念入りに溶かす。
近くにあったオレンジリキュールを流し入れ、ゴムベラで更にかき混ぜる。

「…アルトリアのところにチョコを貰いに行ってるのかな」
あの傲岸不遜な王が散々傍に侍らせたい、妻の理想像だと語る程の好意をアルトリアに向けている…なんて遥か昔から知っていた事。何を今更、と思う一方でゴムベラを握る力はどんどん強まっていく。
私がどれだけ英雄王に焦がれ、1人の異性として慕おうともその前にはサーヴァントとマスターという高い壁が立ち塞がる。
…これも分かりきっていたはず、だったのに。
いつからこんなに自分本位で我儘な女になってしまったのだろう。悪態をつきながらも側に居てくれる、それだけで何物にも得難い幸せだというのに。

「漸く我への供物を作り始めたか」
「っ…!?」
背後から掛かる今1番聞きたくない(聞きたくて堪らなかった)声。宙を舞う銀色のボウルとボウルから飛び散ろうとしている大量の板チョコだったものーー。

「いい加減慣れぬか。どれだけの付き合いになると思っている」
「いつも突然現れるギルにも非はあるよね…」
「作業をしながら他のことに意識を飛ばしているお前に大半の非はあろうよ」
ぐ…と呻きギルの整った顔を見上げると全てお見通しだとせせら笑われる。
最悪の事態を免れたチョコに安堵の息を漏らしてボウルを冷蔵庫に押し込んだ。

「…して、今回は何を考え込んでいた?話してみるがよい。特別に聞いてやらんこともないぞ」
「ご多忙な王様の耳に入れるような事でもございませんので。出来上がったらちゃんと持って行くし私が貴方のマスターだからってそこまで気に掛けてもらう必要はないよ」
ギルガメッシュの柳眉が一瞬にして逆立ち、緩く弧を描いていた口が真一文字に結ばれる。
今日まで培ってきた経験が私の発言が何かしら地雷を踏んでしまったぞと告げる。

「我が貴様の事を気に掛ける要因がそれひとつしかない、と?本心からそう思っているのか」
いつの間にか壁とギルガメッシュに挟まれ身動ぎひとつ取れない私を王は捕食者の眼で見下している。

ここから続きが浮かばず泣く泣く没。スランプ期間に書くものではないという良い例です( *ω* )
アルトリアに嫉妬しているマスターの誤解を解いた後はヤることをヤらせるつもりでした

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極夜