▼2017/02/21:エミヤと見せかけた子ギルSS
マスターに舌技込で色々教えこんだ子ギルとそんなマスターにどきどきするエミヤ誰に気付かれることなくひっそり喉奥から息を吐いたエミヤは静かに目を伏せ神経を研ぎ澄ます。
「(結果を求めすぎて少々飛ばしすぎたか)」
後ろに控える小さな仮初のマスターに一瞬だけ視線を投げかけると一点の曇りもない純粋と呼ぶに相応しい彼女の瞳がゆっくりと細められた。
そのまま周囲に敵影がないことを充分に確認しながら私の元に駆けてきた少女がくいくい、と遠慮がちに服の裾を引く。
「何かなマスター」
「エミヤ魔力が不足してない?さっきから顔色が良くないし、本調子じゃないのは明白だよ…」
他のサーヴァントに聞かれてしまうことのないよう耳に唇を寄せて問いかけを投げるマスターの顔には翳りが生じている。私の身を心配、しているのだろう。
心配症なマスターに何と返そうかと言葉を濁らせていると先より強い力で再び服の裾を引っ張ってくるので、膝を低く折り目線を合わせる。
直後、彼女の柔らかな唇が自身のそこと重なっ……た?
突然の出来事に生きた石像と化している私を放置して熱い舌が口内を侵す。鼻に掛かる甘い吐息を漏らしながら唇が重なること数刻。
「……ん、は…っ…これで魔力供給出来た、かな?辛い時は無理せずに言ってね」
唾液で濡れそぼった唇に不覚にもドキリとしている私にマスターはニッコリと笑っ…て…いやいやいや!!
「魔力供給だとかその類いの事に関する知識は無いと以前話していなかったか!?」
「いつまでも無知なままマスターをやっていくわけにもいかないし、もしもって時の為にサーヴァントへの魔力供給の方法を教えてもらったの。…子ギル君に」
音もなく彼女の側に姿を現した人物は自分が苦手とする傲岸不遜に他を見下す英雄王ではなく、純朴さと謙虚さを併せ持つ少年王。
何故か胸を張って得意げな表情でこちらを見てくる子ギルにどこか嫌な予感を感じ取りながら黙って言葉を待つ。
「人類最古の王様であるギル君なら知識豊富だよね!と彼女が乞うて来たので僭越ながら教授させてもらいました。中々の舌技だったでしょう?無垢なマスターを自分色に染め……こほん!彼女に一から全てを教え込むのは大変でしたけど、期待に応えるため頑張らせてもらいました!」
エミヤの重い溜息が空気を震わせる。
そんなエミヤにお構いなく、子ギルはマスターに向き直ると極上の笑顔を浮かべ言葉を続けた。
「ボクも連戦で魔力を消耗しちゃったので、マスターから魔力を分けて欲しいなぁ」
(この後エミヤの前でめちゃくちゃ魔力供給させられるマスター)