▼2017/03/10:ベディヴィエールSS
天然タラシなベディさんの話「こんにちはマスター。本日は天候に恵まれて暖かいですね」
薄灰の髪を揺らし柔和な微笑を浮かべるのは名高き円卓の騎士の1人、ベディヴィエール。
キャメロットでは女神と姿を変えたアーサー王を共に討ち果たした盟友と呼んでも遜色のない人。
「私、ベディさんに聞きたいことがあるの。あの場所で永きに渡る悲願を達成したのにどうして貴方は私達に力を貸してくれるの?」
エメラルドの瞳が見開かれ僅かに開いた口からえ、という言葉が漏れる。
このカルデアには面白半分で力を貸している英霊も居れば明確な訳を語らずに手を貸してくれている英霊、放っておけないから助けてくれるというお人好しな英霊まで幅広く居る。
ベディヴィエールという男性はきっと真ん中に該当するのだろう。己が身も焦がす強大な力を私のような人間と機関に預けてくれる理由がイマイチ分からないのだ。
「……共にあの世界を駆け巡っているうちに私は一抹の願いを抱くようになりました。仮初めの契約ではなく正式な契約を結び、貴女の力になりたい。貴女の側で戦いたいと。貴女の声に応じた理由は今言ったものが全てなのですが…突然俯いて如何しました?」
顔から火が出ているのではないかというほどに熱い、体の内から燻る熱を隠すように顔を伏せているとひやりとした手が額に添えられた。
「熱は……ないようですね」
わざわざ膝を折って目線を合わせながら安堵の微笑を投げる白銀の騎士に私の心音は加速していくのみ。
「よかった。体調が悪いわけでは…レディ!?」
膝から崩れ落ちたマスターの腰にすかさず腕を回し、体を支えたベディヴィエールが彼女の名前を幾度も呼ぶ。
天然タラシあな恐ろしや。と彼女が思っているとゆめ知らず