ねた

▼2017/03/30:ギルガメッシュSS

「数多の英霊を従える貴様に1つ忠告しておいてやろう。情を抱きすぎるな」
一瞬目を丸くして頷いた女に安堵している自身が居た。これで奴が必要以上に傷付く事はないと、己を責めすぎることもないであろうと。

薄暗い部屋に差し込む月光を背負い姿を現したギルガメッシュはベッドで丸まって眠る少女へ歩みを進める。
濡れた枕と月明かりに光る目下の跡に舌打ちをしながらベッドに腰掛け涙の跡を拭ってやる。
女のせいだと責める者は無く、信じぬいて下知を飛ばしてくれた魔術師に皆感謝しかしていないというのに彼女は英霊共が姿を消すたびに涙を流す。
涙を流したとて消失した英霊が舞い戻ることはないというのに。

「我も厄介な魔術師の召喚に応じてしまったものよ」
口で如何様に言おうとも己は最後までこの魔術師の傍らに身を置くのだろう。
絹のような女の髪を撫で分かり切った答えを前に人類最古の王は笑っていた。

精神的に脆いマスターとそんなマスターが愛しくて(愚かで)仕方ないギル様
素直に涙を流せる彼女の心の美しさに惚れ込んでいる

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極夜