▼2017/07/16:サマーバケーション!
※無人島イベの世界観でお送り致します※水着マーリンを捏造
燦燦と降り注ぐ陽の光と熱気に水着の上に羽織っていたパーカーの金具を持って隙間に風を取り込む。
何の前触れもなく無人島に飛ばされたというのに私の従えている英霊は皆、適応力が素晴らしいようだ。
視界の端で貴重な水を運ぶアンとメアリー。その傍らで肩に丸太を担いでいるマルタの姿もすっかり見慣れてしまった。
「午前中から作業続きで疲れているだろうし午後は自由時間にしようか」
英霊たちの目がみるみる輝いていく。
ライダークラスの英霊がこの島を探索するという話題で盛り上がっていると調理を専門に受け持つサーヴァント達もそこに加わった。
詳細まで聞こえては来なかったがどうやら彼らに同行する事が決まったようで、良い食材があれば取ってこようとエミヤに眩しい笑顔を向けられた。
「(さて……と)」
真白のパラソルの下でシートを敷いて寛ぐ、これまた白い男の元に足を運ぶ。
足を踏み出す度に白い砂が足の指に入り込んで気持ちがいい。
「なんでマーリンは力を取り戻していく度に着込んでいくのかなぁ」
「日焼けをすると肌が赤くなる体質でね。君もそうだから分かるだろう?」
「その姿で召喚したての時の方が軽装だったと感じるくらいに今は完全防備をしてるよね。これじゃあ普段のマーリンと何も変わらないし見ているこっちが暑く感じるよ…」
「今はほら、髪を結い上げてるから。普段よりは格段に涼しいよ」
三つ編みに束ねられた髪を持ち上げたマーリンは嬉しそうに口角を上げている。
あれだけ長い髪だと首元に汗も滲むし気持ちが悪いだろうとマスター特権で強制的に結ったのだが、彼の態度に密かに胸を撫で下ろす。
「ここで涼んでいるのもいいけど海に浸るのも冷たくて気持ちいいよ。日焼け止め塗るの手伝ってあげるからマーリンも一緒に行かない?」
「君が手伝ってくれるというなら少し考えてみようかな。その間にもう一度泳ぎに行っておいで」
……この人に本当にその気があるのかどうか推し量れないが"もしも"に期待して私はマーリンの元を去った。
数十歩先に広がる海原に勢いよく飛び込む少女の無邪気な姿にマーリンは先とは違う穏やかな表情を浮かべていた。
「もう少ししたら君の水着の紐が解けるよって言ってあげた方が良かっ…考えている側から解けたみたいだね。顔を真っ赤にして慌てふためく姿が可愛いなぁ」
(千里眼を有する人の余裕と悪戯心)