▼2017/08/20:新米マスターの初ry
3ギルver1つ1つ短め
上から弓ギル術ギル子ギルの順番
錆び付いた斧を振りかぶってきた骸骨の頭蓋に豪華絢爛な剣が貫通した。直後、追い打ちをかけるように無数の獲物が骸骨に襲いかかる。
「(何、このチートじみた攻撃は…)」
「フハハハハ!この我を呼ぶとは運を使い果たしたな、雑種!」
いきなり姿を現して人を雑種呼びするこの男性は何だろう。
こんな薄汚れた空間でも圧倒的な存在感を放つ金の鎧を纏った男性はガシャガシャと空気を揺らしながら目の前に立ち塞がった。
「まずはこの目障りな虫けら共を蹴散らすぞ。貴様は己の保身だけを考えておけ」
「は、はい。えっと…気を付けて下さいね?」
私の言葉を鼻で笑った金ぴか鎧の男性は何も無い場所から華美な装飾の成された斧、剣、槍などを無尽蔵に出現させると敵めがけ一斉に射出した。
*
「…どこだここは。ウルクではないのは確かだが。そこなる雑種、早急に答えよ」
「えぇっ?!私ですか?えーと……どこ、でしょう?」
いくらここが炎に包まれて暑いとはいえそこまでの軽装はちょっと…と思ってしまうような身なりの男性がそこに居た。
右手に石のような素材で出来た本らしき物。左手に金一色の巨大な斧を携えた男性は不審者以外の何者でもない。……気付いたらこの謎空間に飛ばされていた私が言えたクチではないけれど。
「仮にも我を呼んだ契約者でありながら状況把握すら出来ておらぬとは……嘆かわしい」
「契約者!?それはきっと何かの間違いですよ!こんな怪しい人と契約なんて……あっ」
「今のその言葉忘れるなよ」
低い声で囁かれた言葉に悲鳴を上げる少女を尻目に男性━━ギルガメッシュは粘土板に書き記された言葉を読み上げる。
彼の周りに浮かび上がったルーン文字が敵の命を刈り取らんと放たれた。
*
光の中から現れたのは私よりやや身長の低い、クセのある金の髪を揺らす少年であった。
「なんかまた凄い場所に飛ばされちゃったなぁ。初めましてマスター、ボクの事は気軽にギル君と呼んで下さいね」
「はあ…よろしくねギル君。……いやおかしいでしょ」
私をマスターと呼ぶ少年(ギル君)もそうだし、まず彼は何処から来たのだろう。それにマスターなどと呼ばれる所以も全く分からない。
頭の上に多数のハテナを浮かべているマスターに背を向けてストレッチを始めたギル君はその場で数回跳ねた後、にじり寄ってくる骸骨数十体に美しくも冷ややかな瞳を向けた。
「召喚されて初っ端から宝具を開帳する羽目になるとは思ってもみませんでしたが、マスターにボクの実力を知ってもらう良い機会ですよね」
そう言うなり子ギルは敵が目の前に迫っているにも関わらず瞳を閉じてしまった。
自分より小さな子供に向かう凶刃に気が付けば彼を抱き込み、骸骨から彼を守る体勢に入っていた。
「大丈夫ですよマスター。この程度の敵なら一瞬で片がつきます」
抱きつかれたまま彼女にニッコリと微笑んだ少年が右手を上げる。
仕組みも理屈も全く理解出来ないまま姿を現した数多の武具は彼が腕を降ろすと同時に放たれ一体、また一体と敵を滅多刺しにしていく。
「お疲れ様でした!それじゃあ帰りましょうマスター」
ものの数分で屍の山を完成させた少年に恐怖を覚えた少女は唇をきゅっと噛みながら、首を縦に何度も振るのだった。