こんな王子で大丈夫か?


※ギャグだけどやんでる


「僕から逃げようとか離れようとしたらその足を切り落とすからね」
いきなりなんて物騒なことを口走るんだこの王子は…という思いを込めて冷めた瞳をレオンに向けるが彼の表情が変わることは無い。

「切り落とすのは止めましょう?魔法か薬で麻痺させることも不可能じゃないですよね?わたし痛いの無理です。冥土に逝ってしまいます」
「僕もその白くて綺麗な足を失いたくないしルネッタの言う通りそのうちのどちらかににしようかな。君が僕から逃げようとしなければ丸く収まる話なんだけど」
「なんでわたしがレオン様の元を離れるって考えたんですか。親に捨てられたわたしにはここ以外帰る場所なんてないですよ」
ジョーカー同じくわたしは幼い頃に奉公のため預けられた。と言えば聞こえは良いが実際は捨てられたのだ。
ギュンターさんにみっちりしごかれたおかげで全てに於いて不足なくこなせるようになり、レオン様の右腕と称されるようになった頃合いに姿を現したクズ親と言ったら……思い出すだけでも腹立たしい。

「じゃあルネッタの帰る場所は僕ってことだね」
「そういうことですね」
「君が離れていく気はないって分かったし安心したよ」
じゃあまた後でねとひらひら手を振り去っていくレオンの背中に胸を撫で下ろす。
どうしてこうも暗夜の王族は精神面で脆いというか大切な人が離れていくなら自分の手で殺してしまえという思考になるのだろう。
親密な人に多大に愛情を注いでいるという事なのかもしれないが。

「死んでもレオン様から離れる訳にいかないな」
自分が息絶えた後、白夜兵に手当たり次第ブリュンヒルデをぶつけるレオンの姿が安易に浮かび、わたしは震えだした両腕を温めるように擦った。


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極夜