魂チェンジ!


ちゅんちゅんと雀の鳴き声とカーテンから差し込む朝日の眩しさに目を再び閉じそうになりながら瞼を擦る。
あともう少しだけ…と寝返りをうつとじゃらりと金属みたいな音が耳に届い…た?

「ベッドの柔らかさも違う…なんで首元がこんな煩いの……え」
首には真っ黒なチョーカー、首から下がる大いに見覚えのある金色もとい千年パズル。
極め付けにとても女子高生に思えない低い声…私は全てを悟った。

「うわああああ!」
ー相棒!?どうしたんだ!ー
にゅっとこの体とそっくりな面立ちの少年が半透明の姿で姿を現わす。
今確かに相棒って言ったよね?!聞き間違いであって欲しいと一縷の願いを交えて遊戯を見つめた。

「遊戯、どうしよう…」
ー何があったんだ相棒。とりあえず落ち着こうぜー
宥めるようと透明な手が私の肩を軽く叩く。
何とか気を落ち着けて現状を遊戯と共有しようと意思を固めると同時に、枕元の携帯が振動しながら音を奏でだした。

ー菜乃?こんな早くに何の用だ?ー
「もっ、もしもし?遊戯君!?」
「良かった。やっぱりそこには菜乃ちゃんが居るんだね」
こいつらは何を言ってるんだ…と私と電話を交互に見ている遊戯を尻目に私達は話を続ける。
(中身が私の)遊戯君が電話相手に感極まったように自分の名前を叫んでいて私の体の中に居る遊戯君もこちらに対して菜乃ちゃん呼んでいるのだからそりゃ混乱するよね…。

「朝起きたらびっくりしたよ〜菜乃ちゃんのベッドで眠っていたんだもん」
「なんで遊戯君はそんな落ち着いてるの?普通もっと慌てない?!」
「こういうのって大体一日過ぎたら元の身体に戻ってるのが暗黙のルールでしょ?」
「そう上手くいくかなぁ……私は4日位かかりそうに思うよ」
ーお、おいどういう事だ?ー

全容を話してもらえず一連の展開についてこれない遊戯への説明は電話口の彼に任せよう。私より上手く彼に状況を説明してくれるはずだし。
…そういえば普段遊戯君達がしているように魂を入れ替えることって出来るのかな?一丁やってみよう!
首と肩の間に携帯を挟んで遊戯君の声に耳を傾けながら千年パズルに触れると見知った眩い光が部屋を満たした。

「相ぼ……なっ!?」
「菜乃ちゃんともう一人の僕が入れ替わったんだね」
ーこれで何となしに状況が分かったんじゃない?ー
半透明な私の姿を見た遊戯の瞳にはさっきより濃い困惑が映り、しどろもどろで電話口の相手に説明を求める。
凄い勢いで(私の体の)遊戯君に問い詰めてる彼が落ち着くまでまだまだ時間はかかりそうだし、遊戯の心の部屋にお邪魔してゆっくりしておこうっと。
魂を入れ替えられたんだから心の部屋なんて楽勝楽勝☆と謎理論を立てて私は姿を眩ました。
今日が祝日で本当に良かったよね、うんうん。


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極夜