フルクライム
有機生命体なんて毛穴まみれでよく分からない液体を出してブヨブヨで柔らかくて気持ちの悪い生き物だと認識している、それはフルクライムが例え有機生命体を恋人にしても変えられない根本の部分である
しかしどれだけ彼が苦手だとしてもあまりにも健気に想いを伝える彼女に折れたのも事実だった
「よかったら一緒に寝たいの」
出来うる限りこちらの為にと長い袖丈の衣類を身にまとい頭にもちゃんとナイトキャップを被った彼女は寝る為の枕を片手にフルクライムに強請った、普段から二人が触れ合うことは滅多になかった為彼女の精一杯のオネダリだった
恋人なのだから少しくらい甘やかしてやれという仲間たちの声が何処か意識の底で聞こえてきた彼は「俺が寝た後なら好きにしていい」と告げた
触れたいと思いつつもやはりその感触が得意ではなかったフルクライムは最大限の譲歩をすれば彼女は薄暗い顔色を明るくさせるものでそうした単純な部分は彼を少なからず愛らしいと感じさせる部分でもあった
(とはいえ…だ、まさかこんなことになってるだなんてな)
フルクライムがその"異変"に気付いたのは彼女と眠るようになって数ヶ月後の事だった、いつも通り充電スラブに横になりスリープモードに移行した彼は珍しく途中で起きてしまったがまるで金縛りにあったように動けなかった
「っあ♡フルクライ、ム♡んっ…すき♡んぅ、っく♡ごめ…なさ、ぃ♡♡」
聞いた事のない甘い高い声に彼はなにか理解できなかったが僅かに感じた自身の右手の感触になにかをされているのだと気付いた、しかしそれが何かを彼は問い詰められずに胸元に体を寄せてきた彼女が「ごめんなさい…」とか細く言うためフルクライムはただスリープモードのままのフリをしたのだった
そうして気付けば彼女に手を使われていることを知ったフルクライムは更に一ヶ月ほど毎夜スリープモードのフリをして彼女にバレないように起きていた
彼が彼女の睡眠に付き合うために決まった時間に充電スラブに横になり約三十分後に彼女はフルクライムの私室に現れて小さな体で彼の傍にやってくる、初めは寝顔を眺めたり時折寝ているのだと確認後は唇を重ねたり
「フルクライム好きだよ」
優しい聞き飽きた言葉をいう彼女に彼は密かに満たされていた、そして今から起きることへの期待と不安と興奮を感じた
ごめんなさいと口癖のようにいう彼女は元より引っ込み思案で気の弱い性質だった、オマケに恋人のフルクライムは大の有機生命体嫌いともなれば当然誘うことなど出来るわけがなかった
はじめのうちは同じ場所で眠る事だけで満足していた、しかし彼女とて人間で成人した女であった為そういった欲がないわけではなかった、特に愛する人にならば触れたい触れられたいと願うのは自然な事で隠れて自分で欲を発散することは正直なところ多々あった
そんな中である夜眠る彼の機体を抱きしめている時力の抜けた手を見てしまったのだ、金属の大きく長いそして綺麗な指先
ゴクリと唾を飲んだ彼女はそれ以降眠る恋人に酷いことをしていると自覚しながらも止められなくなり現在に至った
「〜あ♡ふる、くらいむ♡いっく♡イクの…ぉ♡♡」
くちゅ♡ぢゅぷ♡といやらしい音と彼女の嬌声が響く中フルクライムはただどうしていいのかと毎日考えてはろくな休息を取れて居なかった、サイバートロニアンにとって毎日必要なものでは無いものの流石に気付いた一ヶ月はまともに休めておらず様々な面で困っていた
「…本当に、本当にごめんなさいフルクライム」
(おいおい待ってくれよ、何でそこを知ってるんだよ)
普段であれば彼女はこのまま丁寧にこれでもかと言わんばかりにフルクライムの手をタオルやアルコールやらで消毒して終えるのだがその日の彼女は重たい身体をそのまま動かして彼の腰に手を伸ばした
フルクライムは即座に何をされるのかを理解したがそれでも意気地無しで起きているとは言えずにいれば彼女はそのまま腰のパーツの隙間に手を差し伸べて何かを探したかと思えば見つけたスイッチを入れると同時にカシュンと音を立ててそれは開放された
「スピニスターのいってたのほんとだったんだ」
(あの野郎なんてこと教えてやがるんだ、というかなんでそんな話になってんだよ馬鹿共め)
「これがフルクライムの…おっきい…オイル出てる、ローションみたい」
ひとり静かにレポートする彼女にフルクライムは勘弁してくれと言いたいものだが起き上がることは出来なかった、しかしそれが更なる苦しみを味わうことになってしまった
「はぁっ♡んっ…すご、溜まってるのかな?」
(あーっくそ、ナナシのヤツめ…やばいっでる)
「きゃあ…ぁ♡寝てるけど…気持ちよくなってくれたのかな?嬉しい…あぁダメダメ片付けなきゃ、ごめんねフルクライム、私のこと嫌わないでね」
本来であれば大声をあげて怒鳴りたいところだがフルクライムは全身の倦怠感を感じつつもどうしようもないこの恋人への情欲を増してしまうようになったのだ
そしてナナシはさらにエスカレートした、コネクタという存在を知ったせいか彼女は以前であれば指で満足していたものが
「お"ぉ"♡♡ふるっくらいむ♡♡ほっぉ♡♡しゅきっ♡しゅきぃ♡」
正直なところナナシは清廉潔白で清純系の女だとフルクライムは思っていた、しかし蓋を開けてみればとんだすけべでハレンチな女であったのだ、しかしそれは決して彼が彼女を嫌うようなものにはならず反対に彼を雄として駆り立てるものになってしまった
ドチュッ♡ずちゅっ♡ぴゅっぴゅっ♡と様々な音が聞こえフルクライムは自身の腹や腰周りなどが汚されていくのを感じつつもそれにさえ興奮していた、カメラセンサーを切ってはいるが今すぐ起動してもう無茶苦茶にしてやりたいと願っていながらも彼は勇気がなく出来なかった
「あ〜すきっ、ふるくらいむっ…だいすき♡♡」
ぎゅうぎゅうっ♡と絶頂に締め付けた彼女にフルクライムもオイルを吐き出しながら(俺もだ…)とスパークの内で呟いた
「起きたかナナシ」
「お、おはようフルクライム」
しかし彼女は嘘もつくのも隠すのも下手くそらしく翌朝目覚めの挨拶をするとあからさまにおかしな態度をとるものでそういった仕草がますますフルクライムを苛立ちと興奮を織り交ぜた感情で支配した
そしてそうした日々が続くのかと思えばある日からパタリと無くなってしまい女の月のものかと思いきやそうでも無い上に彼女の行動パターンを解析していれば以前より来る時間が遅くなっていることに気付いた
飽きてしまったのか罪悪感に苛まれてるのかと考えつつその日フルクライムは偶然充電スラブに入る時間が遅れ、更には彼女の小さな私室の前を通りがかってしまいその事実に思わず驚きを隠せずにみてしまう
「はっ、ぁ♡んっぅ♡あ、イクッ♡イクッ♡♡」
ベッドの上ではしたない程足を広げて巨大なものを受け止める彼女にフルクライムは唇を噛み締めてその場を慌てて後にした、自室に戻るなり充電スラブに苛立ったように横になりあれだけ自分を求めていたくせにと考えては自分が嫉妬をしているのだと知りますます苛立ちを感じそれを隠すようにスリープモードに移行した
ふと起動してしまい体内時計で時間を確認すれば深夜を回っており横を見れば普段通りの彼女がフルクライムの手を抱きしめて眠っていた、愛おしいと感じるほどには彼も彼女に感情を揺さぶられていると感じつつふと足の間に挟まれた手を見つめて彼は悪戯心から指を動かした
布越しに触れる彼女の柔い足の間の凹みは熱が籠っておりカリカリ♡と掻いてやれば小さな艶めいた声が漏れた
(なんだよ、寝ながらもそういう感じか)
「ん…♡…ぁ…♡」
呆れつつも彼は指を止めることが出来ずに布越しに何度もしてやればいよいよ彼女は身体を震わせて絶頂を迎えたようで布越しのそこはさらに熱く感じた、そして寝ている恋人に酷い事をしたと罪悪感を感じ彼はもう一度素知らぬフリをしてスリープモードに切り替えようとすれば腕の中の彼女が次は起き上がったことを手の中で感じた
「え…あれ、私…嘘…寝てる時まで?なんてこと…あぁ拭かなきゃ、ごめんなさいフルクライム」
寝惚けた彼女は起き上がりふと下半身の違和感を感じて直ぐにフルクライムの僅かに濡れた指先を見ては慌てて充電スラブから飛び出していってしまう、凡そいつも通りタオルやアルコール消毒を取りに行ってるのだと感じつつ彼は内心謝罪した
数分後彼の指をタオルで拭きながら彼女は何度も謝罪をしつつもその声色は徐々に熱を帯びてフルクライムの指に頬擦りをした
「寝てる恋人にこんなこと…ましてや有機生命体嫌いのあなたにこんな事してるってバレたら嫌われちゃうのに…うぅ、でも今回だけ今回で最後にするから」
(いやもうバレてるんだけど…ってスルのか?)
フルクライムはカメラセンサーを閉じている故か他の回路が敏感になっており彼女が何をしているのか嫌でも理解出来た、久方振りに自分からフルクライムの指に足を擦り付けてまるで角オナニーをするかの如く拙い動きはゆっくりとフルクライムの指を足の間に沈めてははしたなく声を上げる
「はっあ♡あ…っ♡」
普段であれば数十分程で絶頂を迎えるがナナシに全くその様子はなくフルクライムも内心不思議がっていれば指を抜いた彼女はまた一人唸り声を上げた「でも」「いや」「しかし」と呟く彼女に何事かと考えていれば彼の腰に手を伸ばした彼女にフルクライムは何をされるのか理解し期待した
「本当にこれで最後、もう二度としないから」
そういいながらもコネクタのハッチを解除した彼女はフルクライムの力強いコネクタを久し振りにみてはゴクリと唾を飲む音が彼にも聞こえた
そして彼の腹部に手を置いて自分の上半身程あるコネクタの先端を自分の入口に宛がい寝ている恋人にこんなことをするなんて最低だと思いつつも熱を止められずに彼女はまた欲望に飲まれようとしていた…しかし
(…まだしないのか?)
フルクライムがそう思ってしまうほどに待っていれば彼女は入口に宛がうのをやめて眠っているであろう恋人を見つめた
有機生命体が嫌いだといっていた彼をどうしようもなく好きで勇気を出してアタックし続けて今の地位にいるというのに自分はなんと最低なことをしているのだろうかと改めて罪悪感に苛まれ落ち込んでいるのである、元より性欲旺盛だとは自負していたがそれをいくら恋人だからといってぶつけるものでは無いと理解していた、それでも抑えきれずにシテいたこの行為は人間でいえばレイプ以外の何物でもないだろうと改めて思えば彼女は自分が最低なヤツだと思えてしまい落ち込んだ
「もう…やめよ」
暗い声でぽつりっと呟いて「フルクライムこんな彼女でごめんなさい。」と告げて彼のコネクタハッチを閉じて降りようとした彼女はふと自分の腰を掴む腕に驚き見つめたあと自分に差し掛かる影に気付き見上げた
「止めるなよ」
「へ…あっ」
「〜〜っ♡?ひ、ぅ"♡あ"っんお"♡♡」
「ここまでしておいて終わりはダメだろ」
「お"お♡♡っぐ…ぅ♡ふりゅ、くりゃいむ♡♡♡♡」
まるで彼専用のオナホールかのように乱暴に掴まれて押し付けられたナナシは混乱と快楽に呑まれ状況を理解出来ずにいた、ただ自分の腰を抱いて揺さぶるフルクライムは今までに無いほど興奮しているということだけは理解していた
「さんざん俺の身体で遊びやがって!」
「っ♡な、んれ♡しっ…て、るの♡♡」
「そりゃあんなにされてたら気付くだろう」
「〜!!っごぇ、なしゃ♡♡」
「だと思ったらいきなりやめて来て、自分は他のヤツと遊んでるとはな」
「お♡ほ♡ぉっおっ♡ごめ、なしゃ♡♡」
「どうしたいんだよっクソっ」
苛立ちをぶつけるように彼女を抱いたフルクライムだがふと腕の中で静かに涙する彼女に急激に熱が下がるのを感じた、痛かったのか傷付けたのかと彼は途端に「ナナシ?ごめん…痛かったか?悪い…」と柔らかい声色で問いかければ彼女は腕の中で首を横に振り反対に彼に謝罪した
「ごめんなさい、私…えっちなこと好きだから貴方で発散してて…でもフルクライムはそういうの絶対好きじゃないの分かってたから、私やめようと思って」
ぐずぐずとその瞳からとめどなく涙を流す彼女にフルクライムは一度落ち着いて彼女の頭を撫でてやり話に耳を傾けてやった
曰く彼女は自分が性欲旺盛であることは理解しておりそれをフルクライムで発散していた、そしてそれはエスカレートし続けてしまったと、しかしフルクライムは重度の有機生命体嫌いであるためその行為は彼を傷付けるものだと認識しやめようと思ったものの一度フルクライムのものを知った今満足が出来ずに彼のものに似たモノを購入し暫く我慢していたのだという
「好きなの…私フルクライムのこと好きだから、嫌わないで…もうしないから、嫌なことしないから。彼女でいさせて欲しいあなたのそばにいたいの」
「ナナシ…」
ぐずぐずと鼻を鳴らす彼女のフルクライムはきっとほかの有機生命体であれば気持ち悪くて嫌だと感じていたが恋人であるナナシである為に何も感じられなかった、本当に嫌悪していたのならばこうした行為をされたと気付いた際に即座に拒否反応を示したであろう
そうでないのはひとえに彼女を愛しているからだとフルクライムは感じた、嫌わないでと涙する彼女の頬を撫でて顎先を指ですくい上げた彼は顔を寄せて不器用なりにも彼から口付けた
「多少ビビったけど別に嫌じゃないから、泣かないでくれよ」
「…」
「なっなんで泣くんだよ」
「ごめんなさい、フルクライムからちゅうしてくれると思わなくて嬉しくって」
彼なりの慰めのつもりだったはずがますます泣いてしまうナナシにたじろげば彼女は両手で顔を覆って嬉しそうに笑みを浮かべた為フルクライムは愛おしい気持ちで満たされた、ここまで喜ぶのならいくらでもすればよかったと感じつつもう一度顔を寄せれば彼女に頬を包まれ唇を重ねられ下唇を甘く噛まれた
「続きしていい?」
男の台詞だろ。とフルクライムは感じつつも小さく返事をすれば彼女は嬉しそうに微笑んだ
「はぁっあ♡♡あっ♡フルックライム♡すきっ♡きもちいっ!あっん♡♡」
「ナナシっはげしっ…くそっ」
「すき♡すきっ♡♡は、ぁん♡あ♡あん♡」
初めて見る彼女の表情にフルクライムはオーバーヒートしてしまいそうだった、小さな体で巨大なコネクタを受け止めて自分の上に跨り器用に腰を揺らす彼女は普段の気弱なか弱さなど無く、まるで雄を食らう雌のようであった
繋がった結合部からは互いの体液が溢れ出ておりフルクライムは普段であれば吐き出しそうだと思いつつも彼女の一部だと思えば興奮材料にしかならなかった
じゅぼ♡じゅぼっ♡と下品な音を奏でるそこと好きだととめどなく告げるナナシの甘い声にフルクライムはまるでスピーダーでもキメたのかと感じられる程非日常のように感じた、しかし味わう熱や自分の指を強く握る彼女の手は現実のものであった
「ん、ぅ♡ぅうっ…あ♡フルクラ、イム♡も…わたし、だ…め♡♡」
「あぁ…俺もだ」
「いっしょ♡おっ、に♡イこ、ね?♡♡」
そういったナナシはますます腰を強く上下するものでその膨らんだ薄い腹が裂けないかとフルクライムは心配しつつも彼女に呑まれるように腰を抱き締めてお互いに同じタイミングで絶頂のパルスを感じた…
「ごめんなさい…」
改めて謝る彼女をフルクライムはタオルで自身のボディの汚れを拭いつつ見下ろした、就寝用に着ていた衣類はすっかり意味も成さないものになっており脱げば汚れなかったのにと思わず彼がいえばナナシは「苦手でしょ?素肌見るの」というものでそこまでの配慮がされているのかと改めて感謝さえ感じつつもフルクライムは汚れたタオルを適当に置いて彼女を見つめた
「別にナナシなら平気だ」
「…本当に?」
「あぁ…多分、吐きはしない」
「貴方がどう思うか分からないけど…実はエッチな下着着てるの」
「バッッ…!」
ぐしゃぐしゃになった寝間着を捲った彼女は黒色の総レースで大事な部分が開けてしまった下着をフルクライムに見せつけるもので彼は想像を遥かに超えたその代物に思わず充電スラブから落ちて充電スラブの上にいる彼女を見上げれば嫌だった?と心配そうに声をかけられる
「嫌じゃない…というか、まぁ…いいな」
小声でそういえば彼女は嬉しそうに明るい表情を浮かべた、フルクライムは起き上がりもう一度充電スラブに腰かければ彼女は落ち着きの無い様子でどうしたのかと思えば彼の手を取り衣類の中に招き胸元に手を置かせた
柔らかくすべすべとした女の体と先程のレースの感触が手のひらに広がりフルクライムは驚いていれば真っ赤になった彼女は彼を見上げて薄い笑みを浮かべた
「今度はこっちもたくさんして欲しいな」
フルクライムは有機生命体が得意では無いが彼女のことは好きだった、しかし一点困ったことがあるとすればそれは彼女が気弱な性格とは真反対にハレンチな女の子だったということだろうか
彼ははじめて好意を抱いた有機生命体の彼女に対して声も出ずにまるでひとつの動きしかできないおもちゃのロボットのように首を縦に振れば彼女は嬉しそうに微笑んだ、まるで餌を見つけた肉食獣のごとく…フルクライムは最後に「今日はここまでだからな」と念の為に伝えれば彼女は残念そうな表情を浮かべた為釘を打たなきゃ俺が食い殺される可能性があると身の危険を感じながら次回のことを考えるのだった。
しかしどれだけ彼が苦手だとしてもあまりにも健気に想いを伝える彼女に折れたのも事実だった
「よかったら一緒に寝たいの」
出来うる限りこちらの為にと長い袖丈の衣類を身にまとい頭にもちゃんとナイトキャップを被った彼女は寝る為の枕を片手にフルクライムに強請った、普段から二人が触れ合うことは滅多になかった為彼女の精一杯のオネダリだった
恋人なのだから少しくらい甘やかしてやれという仲間たちの声が何処か意識の底で聞こえてきた彼は「俺が寝た後なら好きにしていい」と告げた
触れたいと思いつつもやはりその感触が得意ではなかったフルクライムは最大限の譲歩をすれば彼女は薄暗い顔色を明るくさせるものでそうした単純な部分は彼を少なからず愛らしいと感じさせる部分でもあった
(とはいえ…だ、まさかこんなことになってるだなんてな)
フルクライムがその"異変"に気付いたのは彼女と眠るようになって数ヶ月後の事だった、いつも通り充電スラブに横になりスリープモードに移行した彼は珍しく途中で起きてしまったがまるで金縛りにあったように動けなかった
「っあ♡フルクライ、ム♡んっ…すき♡んぅ、っく♡ごめ…なさ、ぃ♡♡」
聞いた事のない甘い高い声に彼はなにか理解できなかったが僅かに感じた自身の右手の感触になにかをされているのだと気付いた、しかしそれが何かを彼は問い詰められずに胸元に体を寄せてきた彼女が「ごめんなさい…」とか細く言うためフルクライムはただスリープモードのままのフリをしたのだった
そうして気付けば彼女に手を使われていることを知ったフルクライムは更に一ヶ月ほど毎夜スリープモードのフリをして彼女にバレないように起きていた
彼が彼女の睡眠に付き合うために決まった時間に充電スラブに横になり約三十分後に彼女はフルクライムの私室に現れて小さな体で彼の傍にやってくる、初めは寝顔を眺めたり時折寝ているのだと確認後は唇を重ねたり
「フルクライム好きだよ」
優しい聞き飽きた言葉をいう彼女に彼は密かに満たされていた、そして今から起きることへの期待と不安と興奮を感じた
ごめんなさいと口癖のようにいう彼女は元より引っ込み思案で気の弱い性質だった、オマケに恋人のフルクライムは大の有機生命体嫌いともなれば当然誘うことなど出来るわけがなかった
はじめのうちは同じ場所で眠る事だけで満足していた、しかし彼女とて人間で成人した女であった為そういった欲がないわけではなかった、特に愛する人にならば触れたい触れられたいと願うのは自然な事で隠れて自分で欲を発散することは正直なところ多々あった
そんな中である夜眠る彼の機体を抱きしめている時力の抜けた手を見てしまったのだ、金属の大きく長いそして綺麗な指先
ゴクリと唾を飲んだ彼女はそれ以降眠る恋人に酷いことをしていると自覚しながらも止められなくなり現在に至った
「〜あ♡ふる、くらいむ♡いっく♡イクの…ぉ♡♡」
くちゅ♡ぢゅぷ♡といやらしい音と彼女の嬌声が響く中フルクライムはただどうしていいのかと毎日考えてはろくな休息を取れて居なかった、サイバートロニアンにとって毎日必要なものでは無いものの流石に気付いた一ヶ月はまともに休めておらず様々な面で困っていた
「…本当に、本当にごめんなさいフルクライム」
(おいおい待ってくれよ、何でそこを知ってるんだよ)
普段であれば彼女はこのまま丁寧にこれでもかと言わんばかりにフルクライムの手をタオルやアルコールやらで消毒して終えるのだがその日の彼女は重たい身体をそのまま動かして彼の腰に手を伸ばした
フルクライムは即座に何をされるのかを理解したがそれでも意気地無しで起きているとは言えずにいれば彼女はそのまま腰のパーツの隙間に手を差し伸べて何かを探したかと思えば見つけたスイッチを入れると同時にカシュンと音を立ててそれは開放された
「スピニスターのいってたのほんとだったんだ」
(あの野郎なんてこと教えてやがるんだ、というかなんでそんな話になってんだよ馬鹿共め)
「これがフルクライムの…おっきい…オイル出てる、ローションみたい」
ひとり静かにレポートする彼女にフルクライムは勘弁してくれと言いたいものだが起き上がることは出来なかった、しかしそれが更なる苦しみを味わうことになってしまった
「はぁっ♡んっ…すご、溜まってるのかな?」
(あーっくそ、ナナシのヤツめ…やばいっでる)
「きゃあ…ぁ♡寝てるけど…気持ちよくなってくれたのかな?嬉しい…あぁダメダメ片付けなきゃ、ごめんねフルクライム、私のこと嫌わないでね」
本来であれば大声をあげて怒鳴りたいところだがフルクライムは全身の倦怠感を感じつつもどうしようもないこの恋人への情欲を増してしまうようになったのだ
そしてナナシはさらにエスカレートした、コネクタという存在を知ったせいか彼女は以前であれば指で満足していたものが
「お"ぉ"♡♡ふるっくらいむ♡♡ほっぉ♡♡しゅきっ♡しゅきぃ♡」
正直なところナナシは清廉潔白で清純系の女だとフルクライムは思っていた、しかし蓋を開けてみればとんだすけべでハレンチな女であったのだ、しかしそれは決して彼が彼女を嫌うようなものにはならず反対に彼を雄として駆り立てるものになってしまった
ドチュッ♡ずちゅっ♡ぴゅっぴゅっ♡と様々な音が聞こえフルクライムは自身の腹や腰周りなどが汚されていくのを感じつつもそれにさえ興奮していた、カメラセンサーを切ってはいるが今すぐ起動してもう無茶苦茶にしてやりたいと願っていながらも彼は勇気がなく出来なかった
「あ〜すきっ、ふるくらいむっ…だいすき♡♡」
ぎゅうぎゅうっ♡と絶頂に締め付けた彼女にフルクライムもオイルを吐き出しながら(俺もだ…)とスパークの内で呟いた
「起きたかナナシ」
「お、おはようフルクライム」
しかし彼女は嘘もつくのも隠すのも下手くそらしく翌朝目覚めの挨拶をするとあからさまにおかしな態度をとるものでそういった仕草がますますフルクライムを苛立ちと興奮を織り交ぜた感情で支配した
そしてそうした日々が続くのかと思えばある日からパタリと無くなってしまい女の月のものかと思いきやそうでも無い上に彼女の行動パターンを解析していれば以前より来る時間が遅くなっていることに気付いた
飽きてしまったのか罪悪感に苛まれてるのかと考えつつその日フルクライムは偶然充電スラブに入る時間が遅れ、更には彼女の小さな私室の前を通りがかってしまいその事実に思わず驚きを隠せずにみてしまう
「はっ、ぁ♡んっぅ♡あ、イクッ♡イクッ♡♡」
ベッドの上ではしたない程足を広げて巨大なものを受け止める彼女にフルクライムは唇を噛み締めてその場を慌てて後にした、自室に戻るなり充電スラブに苛立ったように横になりあれだけ自分を求めていたくせにと考えては自分が嫉妬をしているのだと知りますます苛立ちを感じそれを隠すようにスリープモードに移行した
ふと起動してしまい体内時計で時間を確認すれば深夜を回っており横を見れば普段通りの彼女がフルクライムの手を抱きしめて眠っていた、愛おしいと感じるほどには彼も彼女に感情を揺さぶられていると感じつつふと足の間に挟まれた手を見つめて彼は悪戯心から指を動かした
布越しに触れる彼女の柔い足の間の凹みは熱が籠っておりカリカリ♡と掻いてやれば小さな艶めいた声が漏れた
(なんだよ、寝ながらもそういう感じか)
「ん…♡…ぁ…♡」
呆れつつも彼は指を止めることが出来ずに布越しに何度もしてやればいよいよ彼女は身体を震わせて絶頂を迎えたようで布越しのそこはさらに熱く感じた、そして寝ている恋人に酷い事をしたと罪悪感を感じ彼はもう一度素知らぬフリをしてスリープモードに切り替えようとすれば腕の中の彼女が次は起き上がったことを手の中で感じた
「え…あれ、私…嘘…寝てる時まで?なんてこと…あぁ拭かなきゃ、ごめんなさいフルクライム」
寝惚けた彼女は起き上がりふと下半身の違和感を感じて直ぐにフルクライムの僅かに濡れた指先を見ては慌てて充電スラブから飛び出していってしまう、凡そいつも通りタオルやアルコール消毒を取りに行ってるのだと感じつつ彼は内心謝罪した
数分後彼の指をタオルで拭きながら彼女は何度も謝罪をしつつもその声色は徐々に熱を帯びてフルクライムの指に頬擦りをした
「寝てる恋人にこんなこと…ましてや有機生命体嫌いのあなたにこんな事してるってバレたら嫌われちゃうのに…うぅ、でも今回だけ今回で最後にするから」
(いやもうバレてるんだけど…ってスルのか?)
フルクライムはカメラセンサーを閉じている故か他の回路が敏感になっており彼女が何をしているのか嫌でも理解出来た、久方振りに自分からフルクライムの指に足を擦り付けてまるで角オナニーをするかの如く拙い動きはゆっくりとフルクライムの指を足の間に沈めてははしたなく声を上げる
「はっあ♡あ…っ♡」
普段であれば数十分程で絶頂を迎えるがナナシに全くその様子はなくフルクライムも内心不思議がっていれば指を抜いた彼女はまた一人唸り声を上げた「でも」「いや」「しかし」と呟く彼女に何事かと考えていれば彼の腰に手を伸ばした彼女にフルクライムは何をされるのか理解し期待した
「本当にこれで最後、もう二度としないから」
そういいながらもコネクタのハッチを解除した彼女はフルクライムの力強いコネクタを久し振りにみてはゴクリと唾を飲む音が彼にも聞こえた
そして彼の腹部に手を置いて自分の上半身程あるコネクタの先端を自分の入口に宛がい寝ている恋人にこんなことをするなんて最低だと思いつつも熱を止められずに彼女はまた欲望に飲まれようとしていた…しかし
(…まだしないのか?)
フルクライムがそう思ってしまうほどに待っていれば彼女は入口に宛がうのをやめて眠っているであろう恋人を見つめた
有機生命体が嫌いだといっていた彼をどうしようもなく好きで勇気を出してアタックし続けて今の地位にいるというのに自分はなんと最低なことをしているのだろうかと改めて罪悪感に苛まれ落ち込んでいるのである、元より性欲旺盛だとは自負していたがそれをいくら恋人だからといってぶつけるものでは無いと理解していた、それでも抑えきれずにシテいたこの行為は人間でいえばレイプ以外の何物でもないだろうと改めて思えば彼女は自分が最低なヤツだと思えてしまい落ち込んだ
「もう…やめよ」
暗い声でぽつりっと呟いて「フルクライムこんな彼女でごめんなさい。」と告げて彼のコネクタハッチを閉じて降りようとした彼女はふと自分の腰を掴む腕に驚き見つめたあと自分に差し掛かる影に気付き見上げた
「止めるなよ」
「へ…あっ」
「〜〜っ♡?ひ、ぅ"♡あ"っんお"♡♡」
「ここまでしておいて終わりはダメだろ」
「お"お♡♡っぐ…ぅ♡ふりゅ、くりゃいむ♡♡♡♡」
まるで彼専用のオナホールかのように乱暴に掴まれて押し付けられたナナシは混乱と快楽に呑まれ状況を理解出来ずにいた、ただ自分の腰を抱いて揺さぶるフルクライムは今までに無いほど興奮しているということだけは理解していた
「さんざん俺の身体で遊びやがって!」
「っ♡な、んれ♡しっ…て、るの♡♡」
「そりゃあんなにされてたら気付くだろう」
「〜!!っごぇ、なしゃ♡♡」
「だと思ったらいきなりやめて来て、自分は他のヤツと遊んでるとはな」
「お♡ほ♡ぉっおっ♡ごめ、なしゃ♡♡」
「どうしたいんだよっクソっ」
苛立ちをぶつけるように彼女を抱いたフルクライムだがふと腕の中で静かに涙する彼女に急激に熱が下がるのを感じた、痛かったのか傷付けたのかと彼は途端に「ナナシ?ごめん…痛かったか?悪い…」と柔らかい声色で問いかければ彼女は腕の中で首を横に振り反対に彼に謝罪した
「ごめんなさい、私…えっちなこと好きだから貴方で発散してて…でもフルクライムはそういうの絶対好きじゃないの分かってたから、私やめようと思って」
ぐずぐずとその瞳からとめどなく涙を流す彼女にフルクライムは一度落ち着いて彼女の頭を撫でてやり話に耳を傾けてやった
曰く彼女は自分が性欲旺盛であることは理解しておりそれをフルクライムで発散していた、そしてそれはエスカレートし続けてしまったと、しかしフルクライムは重度の有機生命体嫌いであるためその行為は彼を傷付けるものだと認識しやめようと思ったものの一度フルクライムのものを知った今満足が出来ずに彼のものに似たモノを購入し暫く我慢していたのだという
「好きなの…私フルクライムのこと好きだから、嫌わないで…もうしないから、嫌なことしないから。彼女でいさせて欲しいあなたのそばにいたいの」
「ナナシ…」
ぐずぐずと鼻を鳴らす彼女のフルクライムはきっとほかの有機生命体であれば気持ち悪くて嫌だと感じていたが恋人であるナナシである為に何も感じられなかった、本当に嫌悪していたのならばこうした行為をされたと気付いた際に即座に拒否反応を示したであろう
そうでないのはひとえに彼女を愛しているからだとフルクライムは感じた、嫌わないでと涙する彼女の頬を撫でて顎先を指ですくい上げた彼は顔を寄せて不器用なりにも彼から口付けた
「多少ビビったけど別に嫌じゃないから、泣かないでくれよ」
「…」
「なっなんで泣くんだよ」
「ごめんなさい、フルクライムからちゅうしてくれると思わなくて嬉しくって」
彼なりの慰めのつもりだったはずがますます泣いてしまうナナシにたじろげば彼女は両手で顔を覆って嬉しそうに笑みを浮かべた為フルクライムは愛おしい気持ちで満たされた、ここまで喜ぶのならいくらでもすればよかったと感じつつもう一度顔を寄せれば彼女に頬を包まれ唇を重ねられ下唇を甘く噛まれた
「続きしていい?」
男の台詞だろ。とフルクライムは感じつつも小さく返事をすれば彼女は嬉しそうに微笑んだ
「はぁっあ♡♡あっ♡フルックライム♡すきっ♡きもちいっ!あっん♡♡」
「ナナシっはげしっ…くそっ」
「すき♡すきっ♡♡は、ぁん♡あ♡あん♡」
初めて見る彼女の表情にフルクライムはオーバーヒートしてしまいそうだった、小さな体で巨大なコネクタを受け止めて自分の上に跨り器用に腰を揺らす彼女は普段の気弱なか弱さなど無く、まるで雄を食らう雌のようであった
繋がった結合部からは互いの体液が溢れ出ておりフルクライムは普段であれば吐き出しそうだと思いつつも彼女の一部だと思えば興奮材料にしかならなかった
じゅぼ♡じゅぼっ♡と下品な音を奏でるそこと好きだととめどなく告げるナナシの甘い声にフルクライムはまるでスピーダーでもキメたのかと感じられる程非日常のように感じた、しかし味わう熱や自分の指を強く握る彼女の手は現実のものであった
「ん、ぅ♡ぅうっ…あ♡フルクラ、イム♡も…わたし、だ…め♡♡」
「あぁ…俺もだ」
「いっしょ♡おっ、に♡イこ、ね?♡♡」
そういったナナシはますます腰を強く上下するものでその膨らんだ薄い腹が裂けないかとフルクライムは心配しつつも彼女に呑まれるように腰を抱き締めてお互いに同じタイミングで絶頂のパルスを感じた…
「ごめんなさい…」
改めて謝る彼女をフルクライムはタオルで自身のボディの汚れを拭いつつ見下ろした、就寝用に着ていた衣類はすっかり意味も成さないものになっており脱げば汚れなかったのにと思わず彼がいえばナナシは「苦手でしょ?素肌見るの」というものでそこまでの配慮がされているのかと改めて感謝さえ感じつつもフルクライムは汚れたタオルを適当に置いて彼女を見つめた
「別にナナシなら平気だ」
「…本当に?」
「あぁ…多分、吐きはしない」
「貴方がどう思うか分からないけど…実はエッチな下着着てるの」
「バッッ…!」
ぐしゃぐしゃになった寝間着を捲った彼女は黒色の総レースで大事な部分が開けてしまった下着をフルクライムに見せつけるもので彼は想像を遥かに超えたその代物に思わず充電スラブから落ちて充電スラブの上にいる彼女を見上げれば嫌だった?と心配そうに声をかけられる
「嫌じゃない…というか、まぁ…いいな」
小声でそういえば彼女は嬉しそうに明るい表情を浮かべた、フルクライムは起き上がりもう一度充電スラブに腰かければ彼女は落ち着きの無い様子でどうしたのかと思えば彼の手を取り衣類の中に招き胸元に手を置かせた
柔らかくすべすべとした女の体と先程のレースの感触が手のひらに広がりフルクライムは驚いていれば真っ赤になった彼女は彼を見上げて薄い笑みを浮かべた
「今度はこっちもたくさんして欲しいな」
フルクライムは有機生命体が得意では無いが彼女のことは好きだった、しかし一点困ったことがあるとすればそれは彼女が気弱な性格とは真反対にハレンチな女の子だったということだろうか
彼ははじめて好意を抱いた有機生命体の彼女に対して声も出ずにまるでひとつの動きしかできないおもちゃのロボットのように首を縦に振れば彼女は嬉しそうに微笑んだ、まるで餌を見つけた肉食獣のごとく…フルクライムは最後に「今日はここまでだからな」と念の為に伝えれば彼女は残念そうな表情を浮かべた為釘を打たなきゃ俺が食い殺される可能性があると身の危険を感じながら次回のことを考えるのだった。