悪魔将軍2

※リクエスト


「私と共に来て欲しい」

そういわれた時に手を取ったのは一人にしたくないと何故か思ってしまったからだった。


悪魔超人軍の悪魔将軍に仕えるメイド長のティアと悪魔将軍の関係は凡そ数億年だといえる、彼がまだ悪魔将軍になる前からの関係であり
それは誰彼構わず言うような話でもないため二人は口にはしなかった、元より畏怖される存在である悪魔将軍の過去の詮索をするような愚かな悪魔は彼の弟子にはおらず、ただティアは人間のメイドとしか認識をしていない

「でもよぉティアと将軍様って長い関係なんだしなんかそれ以上があるんじゃねぇの」
「そんなこと聞きにここに来たの?ステカセキングくん」
「今晩唐揚げって聞いたから手伝いに来たんだよ」
「味見係として…ね」

もう全く困った子なんだから。と笑ったティアはステカセキングの口に揚げたばかりの唐揚げを「熱いから気をつけてね」と告げて入れてやった
にんにく醤油の濃い味わいの中に染み込んだ生姜の味がたまらないとまるでマタタビを得た猫が如く喜ぶステカセキングはとても素直な悪魔で可愛らしいとティアは笑みを浮かべてはスニゲーターから逃げてきた彼をどうやって返すものかと考えた

「それでどうなんだよ将軍様と長い付き合いなんだから色々あるし知ってるだろ?」
「色々ってなによ、なぁんにもありません」
「そりゃあ男女なんだしよォ」
「有り得ない、私と悪魔将軍はあくまで主従関係です…ってあくまなだけに?」

クスクスと自分で言ったつまらない言葉に愛想笑いする彼女にはぐらかそうとしているなとステカセキングは向けるも彼女は何処吹く風な態度で彼の相手はせずに自分の口にも唐揚げを入れた
以前から比較的若い超人である新人のステカセキングはティアが人間でありながら魔界に居ることや、唯一この巨大な悪魔将軍の城を一人で管理していることなどから気になることが多かった、更には他の悪魔超人よりもずっと彼女があの恐るべき存在と対等に接してることが気になる部分であった

「本当は付き合ってたりして」
「恋バナしたいならスニゲーターさんのとこいってよ、あの人もうすぐお孫さん生まれるみたいだよ?将来の話はもってこいじゃない」
「教官厳しいから嫌なんだよ、それよりここでサボっ……」
「あらいらっしゃいませ将軍様、如何されました」

二人がキッチンで話をしていればふと空気が冷たくなりステカセキングは口を閉ざすも彼女は変わらぬ態度で微笑めばステカセキングの背後にいる存在は「水を取りに来た」と短く要件を告げた
その言葉に彼女は直ぐ冷蔵庫の中に入れていた彼専用のペットボトルを渡しては「今日唐揚げなんですよ」と笑う、素っ気ない返事が返されることを気にせずにいればふと赤い瞳が機械超人に向けられる

「夕飯前だ私が直々にお前たちに指導してやろう」
「えっえーっ!申し訳ないッスよ!」
「構わん、行くぞ」

そういって出ていった彼の背中を見てはティアは小さなため息をこぼした、これは今晩あの方の機嫌を取らねばならないかもしれないと大きな背中に僅かな感情を感じとって


「今晩は如何されますか?」

弟子である彼らも帰り静まり返った屋敷の一室、悪魔将軍の私室にて茶菓子を用意するティアはそう告げてはトレーの上に空になったティーポットを置いて目の前の男を見ずに問いかけた
向かいの席に腰かける彼は静かにカップの中の液体を飲んでは無言を貫いていた

「拗ねてるの?」
「そんなことはない」

そう言い返す彼の態度はティアが来た時から普段よりもずっと静かでどことなく棘を張っていた、身に覚えのある彼女は苦笑いを浮かべてはぬるくなった紅茶を喉に通してはどう機嫌を取るべきかと考えた。

「今日はどうして機嫌が悪いんですか」

あからさまな態度はわかるがその理由がわからないと彼女は思い問いかけるが当然目の前の男がその真実を告げることはない、全く昔から彼はこうだとティアは悪魔将軍に対してワガママな男の子だと感じつつ今日はもう機嫌も取らずに帰るべきなのだろうかと考えた
昔から長い付き合いであるゆえにこうして気を許し合いお茶を飲む時間を共有しているものの相変わらず無口な彼は本心が読み辛い、こうしたとき彼の弟ならば分かりやすいのに…と内心思ってしまう

静かにソーサーにカップが置かれテーブルの上の茶菓子は全て無くなればもう彼女は今日はダメかと眉を僅かに下げてトレーの上に片していき立ち上がり「それではまた」と告げて彼の横を通り去ろうとする時、ふとその巨大な手が彼女の手首を掴むことに一体今日はどうしたのかと疑問を感じた


「やっ、ぁ♡あ♡」

何も言わずに手を取られベッドに置かれることは慣れていたとしても彼の膝の上の乗せられたティアはスカートの下を荒らされては甘い声を上げる
逃さぬように腰に回された太い腕に抱かれ、思わず足をばたつかせてしまうもののそれはなんの意味にもならなかった
顔に触れる彼の髪は柔らかく心地よい香りであるが普段と異なる行為の始まりにティアは困惑した

「しょ、っぐんさま♡」

スカートの更にした、下着の中に手を入れて遊ぶ彼は普段であれば多少なりともそういう雰囲気を作った後に行うというのに今日ばかりは唐突でその上指示さえしない
そうした気分なのかと思いつつもティアは腕を伸ばし彼の首に片手を回し顔を寄せるもそれはおもむろに躱されてしまう

「…将軍さま?…アッ♡やっ!っあ♡」

その行動が引き金であったかのように彼はティアをベッドに寝かせては片手で彼女の手首を押えつけてはストッキングと下着を合わせて脱がしては先程まで沈めていた指で表面をなぞった
焦れったいその愛撫にティアは小さく腰を浮かせては自分の望む場所に宛てがおうとするも悪魔将軍はそれを察してわざと避けた

「や…ぁ、なんで…♡」

何も言わずに行為が進むことへの不安に苛まれるティアの眉が大袈裟な程に八の字に下がるものの悪魔将軍はその表情を見つつも行為を辞めることもなければ彼女の望むことをしてやる気もなかった

「浅ましく快楽を望むのか」

静かな声がベッドの上に響く、ティアは彼の言葉にそれがどれだけ真実であれど同意出来るほど理性を捨ててはおらずに「そ…そんなこと」と小さく呟いてはその銀色のマスクから目を逸らした
その態度に悪魔将軍は何も言わずに彼女の濡れた場所を焦らすように指で撫でる、飲み込むはずの入口はヒクヒクと蠢き望むというのに彼は一切それ以上はせずに撫でるのみ

「…っ、将軍様」

蚊の鳴くような声に呼ばれ視線を向ければ彼女は泣いてしまいそうな表情をしては足を僅かに自分で広げては彼の手に自身を押し付ける

「…気持ち、良くして…ください♡」

精一杯のお強請りなのだろう、泣いてしまいそうな彼女にそれでも彼は返事をせずに手首を掴む手を離してやることにティアは期待してしまう
悪魔将軍の手がベッドの傍のチェストにいったことにティアは繋がりあえるのだと思い安堵し期待した頃、ふとガサゴソと普段のものを取り出す音とは違うものに何をしているのかと視線を向けては「は?」と彼女は情けない声を出した

「〜〜ッ♡♡ッッ♡♡や"っっ♡♡やら"ッッ♡♡あ"、あっ♡♡」

部屋の中に響く機械音にティアは体を捩らせ声を荒らげた、必死に動かそうとばたつかせた足はカチャカチャと手足を固定する拘束具に阻まれる
両足を開かされ足首に手首を固定されるティアの眼前で只管に特殊な道具を押し当てる彼の表情は変わらぬもので、マスクに反射した自分の情けない姿にティアは一等消えてしまいたいと羞恥心を味わっていた

「あッ♡あっ♡♡しょ、ぐんさま♡やっぁ、め♡♡」
「…ダメだ」

ようやく口を利いてくれたかと思えば短い否定の言葉、湾曲した棒状のそれの先端はぷっくりとしておりその先は小さな窪みを作り吸引するような音をわざとらしく立てていた

「本来は挿入も目的としているらしいが、これでも十分なようだな」
「はぁーッ♡♡あっ♡♡らめっ、いくっいくの♡しょ、ぐんさまやめっ♡♡ーーーっ♡♡」

足の間の小さな突起に押し当てては吸い上げる度に悲鳴をあげる彼女に冷静な言葉をかける彼の意図は何も読めない
普段の悪魔将軍とのベッドでの愛瀬は多少彼の趣味に付き合うことがあれど愛情深く優しいものであるが今日の彼は有無を言わせずただ只管にティアの躯を蹂躙するように快楽を与えた

雌穴からどろり…と溢れる愛液に羞恥心を味わうティアの頭の中は快楽と疑問が混ざり合う、必死に彼に許しを乞うように「しょ…ぐんさま、しょーぐんさま♡♡」と甘い声で媚びるように彼を呼ぶもののその視線は冷たいものだ

「〜ッや"あ"ッ♡♡イッ、たばっ…かり♡♡お"ッ♡おぉっ♡♡」

敏感な雌の弱点を責めぬく器具にティアはぽろりと涙を零して悪魔将軍をみつめては彼はその赤い眼差しで見下ろしたあと、普段通りに指先でその涙を拭うもののもう片方の玩具がんぐを持つ手を離すことは無かった

「あーっ♡う"…っう〜♡」

時間が経つ事に、躯が痺れていく度に、脳が何も考えられなくなる度に、ティアは次第に言葉も失いベッドの上でただ彼の玩具のように乱された
シワひとつつけていなかった美しいメイド服は愛液や潮でそのスカートを汚し、普段悪魔超人達に優しい言葉を告げる口からはぽたぽたと唾液を流し、虚ろなその瞳は何を映すでもなくただ遠くをみる頃

悪魔将軍は自分の思うようにいかない恋人を見下ろした

「…しょ、ぉぐん、さま♡あくま、しょ、ぉぐんさま♡♡」

何も考えられないと言いたげに虚ろな瞳でそう呼ぶ彼女の頬を撫でては玩具を扱う手を止めて、その大きな指先で彼は彼女のブラウスのボタンをひとつずつ丁寧に外した
ゆっくりと現れる肌と装飾品は自らが与え色付けたものであり、チラリと揺れた赤い下着に悪魔将軍は唾を飲みその中に彼女の手よりもふた周り以上大きな手を忍ばせた

「ぁ…」

やわらかな女特有の膨らみを撫でれば小さ漏れたティアは目を瞑り受け入れた、布地の中に潜めた手は溢れるものの悪魔将軍は気にせずにその乳房を下から持ち上げワイヤーが張られた下着から取り出した
じっとりと眺めては顔を寄せて普段であれば舌先が優しく愛撫するがただ甘えるように顔を寄せる彼にティアはどうしたものかと悩ましく眺めた

「ッ…!…ん」

彼の指先が乳頭を掠め弾く、クリクリと指の腹で摘み揉みしだかれてはティアは小さな声を上げるも手足は自由を許さない
微かに聞こえる彼のマスク越しの吐息にいっそう求めてやまないが悪魔将軍はまるで焦らすような態度であった

「しょうぐん、さま……もっと、ちゃんと、して」
「ちゃんととはなんだ、しているだろう」
「いつもと違います」
「違わない、なんだティアよ、お前は私に指示をするのか」

そう厳しい声を浴びせればティアの身体は小さく震え眉を下げて困ったように彼を見つめた、本来悪魔将軍とて彼女を脅かしたい訳では無いがこれは彼の些細な"躾"であった
両手が乳房のふちを撫で、教え込むように彼女の乳房に触れては先を爪で掻いた、先程までの強い快楽と違う焦れったさに耐え難いものを味わうティアは瞳を潤ませた

「いじわる…嫌い、ゴールドマンのバカ」

ポツリと呟いた彼女の言葉に思わず顔を上げた彼はそのまま顔を寄せた

「生意気なことをいうではないか」
「もうシテあげない、酷い人」

バカ、すけべ、むっつり、アホ、えっち。と子供のような罵倒をする彼女だがその姿自体は拘束具を付けられなんとも間抜けな姿であった、悪魔将軍はそんな反抗的なメイドである彼女を見ては「そんな男に抱かれているのはお前だ」と告げた
ティアはその言葉を受けては言い返せぬかと思ったものの顔をおもむろに背けては目を閉じてまるで乙女のように頬を赤く染め恥ずかしく呟いた

「…好きだから、仕方ないでしょ」

黙り込む悪魔将軍に普段の立場からは甘えられずこうした言葉をいうべきではないことを理解していたティアはいっそのこと消えてしまいたかった
互いの関係は主従であることが前提であり、それを剥がせば何億年と共にしてきた仲間や家族、そしてその間にはさらに特別な感情を抱いてしまうようなものがある
けれど悪魔将軍である彼は何も言及しない、あくまでこの関係は主従の延長でしかないのだと言い聞かせていた

「あなたが、どう思ってても私はあなたに何をされてもいいくらい好きなの…なのに、意地悪ばっかり…」

快楽を与えるだけ与えておいて身体の火照りを中途半端に弄ぶ、それがプレイの一環でも苦しいのだとティアは考えていた
甘えきった恋人のような言葉を告げてしまったと羞恥と後悔に苛まれる頃、ふとあまりにも静かな悪魔将軍にやはり気に障ることを告げてしまったのかと思い恐る恐る見つめればマスクを外した黄金色の彼がいた

「かわいい女だ、本当にお前は…どうしようもなく愛おしい」
「えっ、ぁっ…んっ」

豪華絢爛な彼の部屋の中で一段と美しいと感じる素顔がティアに寄せられては唇が祝福と愛を与えるように降り注ぐ、唇が重なり合えば自然とティアは教え込まれたように舌を絡め自らも応えるように彼に合わせる頃、ふと下腹部に当たる熱を感じた

「全く私に素っ気ない態度をとっていながら、ここでは素直だ、いっそのことベッドでお前を飼うか?」
「……望むなら、構いませんよ」
「全く度し難い女だ」

何処まで自分を翻弄するのかと悪魔将軍は膨張したソレを彼女のナカに沈め込めば拘束具により普段とは異なる場所に当たる互いの熱に二人は「あぁ」と吐息のような声が漏れた
太く逞しいソレが最奥まで沈んでしまえばティアは薄く目を開けて嬉しそうな笑みを浮かべていた

「どうした」
「ようやく…シてくれたから」
「そんなに私を求めて止まないか」
「うん…ゴールドマンだから、沢山愛されたいの」

この行為が愛なのか欲なのか、それは受け取り手方次第だろう、しかしティアは恋人と愛し合うようにそれを求め受け入れていた
そうした愛らしい彼女の姿に拘束具を外してやればティアは真っ先に彼の首に腕を回した

「メイドではなくティアとして、女として愛してください」

互いに今の立場や姿全てを取り払うように脱ぎ去ってはもう一度深く繋がり直した、何度も求めるようにもどかしい唇を悪魔将軍ではなくただのゴールドマンとなった彼に。そうした彼女に対して添えられた足を掴み腰を打ち付けては優しくしてやった

「あっ…ふぁっ♡あっ、ん♡♡」
「口付けが止まっているんじゃないのか?」
「はぁ…ンッ♡♡ちゅっ…っう♡」

狭くキツいその場所は彼のものを強く締め付けては喜ぶ様に蠢いた、拘束具に固定されていた手足首は僅かに赤くなっておりそれを撫でればティアは眉を下げて微笑んだ

「へいき、だから♡♡」

まるでそれは何をされても構わないと言いたげであり首に回された腕を解き、上半身を離して腰を掴めばより強く激しく腰を打ち付けた

「あ"ッ♡♡ぁあ♡♡っや…っあ」

より興奮した彼の手が衣類に伸ばされエプロンを、ブラウスを、スカートのファスナーを下ろされ生まれたままの姿にされたティアはメイドではなく彼に捧げられた女であった

「…ご、ーるどまん」
「お前はどんな姿でも綺麗だな」
「あっ♡っん♡」

全身を感じるように彼は撫でて腰をゆっくりと確かめる様に揺らした、ちゅく…ちゅく…と鳴る互いの接合部の音にティアは興奮すればそれを理解しているようにゴールドマンは彼女の敏感な場所を親指の腹で撫でた

「あッ!!だめっ♡♡っあ、はあ♡やぁっ♡♡」
「指よりも先程の方がいい反応をしていたが、物足りないか」
「〜〜ッ♡♡たりっ、るの♡♡たりてるっ♡♡きもちいいっ、すき…ぃ♡」

自然も足を広げてより刺激を求める彼女の普段の粛々とした様が崩れ落ちる、行為をして乱れ狂い女となる彼女をゴールドマンとして悪魔将軍として…いや、男として悦んだ

「ごーるど、まんっ、とのえっち、すきっ♡♡すき、なのッ♡」
「行為だけがか」
「ちがっ!…あ♡…あな、たが、すき♡♡ッあなたの、っ女で、いたいっのっ〜〜〜ッ♡♡」

陰核を擦り内側から近い場所を魔羅で責め続ければティアは想いを告げてはしたなく絶頂した、粗相をしたように溢れた潮が彼女とゴールドマンを汚したことに彼女は堪らずに腕で顔を隠した

「ごめん、なさい…気持ちよくてっ♡あ"ッ♡♡やあっあ"♡♡まだっまだぁ♡♡」

待って。と告げる彼女の声も聞こえずに足を持ち上げ自分の全体重をかけるように腰を打ち付けた
明るい部屋の中の広いベッドの中で響く男女の混じり合う音は酷く淫猥で互いを興奮させた、彼女よりも一回り以上体格のいい彼に押しつぶされるように腰を打ち付けられるそこは痛みよりも快楽を感じてはティアは思わず涙するもののゴールドマンは彼女の手を取り指を絡めた

「愛してるぞティアッ…あぁ射精るっ受け止めろ」
「ひゃっ♡あっ、わた、しも♡すきっ、ごーるどっぉ、っく、ぅう〜ッ♡♡♡」
「ぐっっ…う"っ」

最奥に放つ熱が互いを溶かすようで蕩けきったティアを労わるように頬に手を添えて優しく撫でれば彼女はゴールドマンをみつめて柔らかく笑みを浮かべた

「すき…ゴールドマン…」
「…私もだ」

緩りと上がる口角に自然と互いに唇を重ねればまるで互いの心は混じり合うようだと感じるのだった。


「それでどうして機嫌悪かったの?」

行為を終えてようやく互いの熱が冷めた頃ティアは彼の上に寝そべり楽しそうに問いかけた、マスクをつけ直した悪魔将軍はそういえば事の発端はあの話だったかと思い出しては自分が酷くしょうもない子供のように感じ素直に言える訳もなく顔を背けた

「あっ、言わないんだ…そうやって隠し事ばっかり」

ティアはそう呟いては広い彼の身体を抱き締めては顔を埋めて唸り声をあげる、一体なんだと言いたげにそれを見下ろしては彼の視線に目を向けずとも気付くティアは彼の髪を撫でた

「…私ばっかり、好きみたい」

その言葉に目を丸くした悪魔将軍はそんなことは無い。そもそも事の発端はお前が…と様々な考えが過ぎった末に彼女の背中に手を置いた

「私との関係を隠すのはお前だろう」

振り絞って出た言葉に彼は自分らしくないと感じ気恥しさを感じた、弟子に聞かれた関係性を主従の一点張りで流す彼女に何を隠す必要があるのかと疑問を感じたもののそれを言われた本人は目を丸くしてみつめていた

「なんだその顔は」

まるで鳩が豆鉄砲でも食らったかのようだ。と感じたものの彼女は不思議な顔をして「私たちの関係ってメイドと主人……ですよね?」と問いかけた
その言葉に悪魔将軍はまだこの女はそんなことを言うのかと苛立ちを感じていた思わず自分の上から落として背中を向ければ小さなその手は鍛え上げられた背中を叩く。
おーい、聞こえてます?、あのー、ちょっとー。と繰り返す彼女に苛立ち反応をしない悪魔将軍にティアは告げる

「だって告白されてませんよ」

そういった彼女に悪魔将軍は肩をピクリと動かした

「メイドと主人以外って友達ですか?仲間ですか?それとももっとこう…恋人っていうか」
「それだ」
「それ?」
「最後の」

それで正解じゃあないかと振り返り彼女を指さしていう彼にティアは目を丸くして「だから違うじゃないですか」と頬を膨らませていた

その言葉に対し悪魔将軍は何が違うのかと苛立ちを感じた
始祖達の元から離れついてきた彼女と長い年月を過し、いつからか二人こうしてベッドで熱を分かち合ったはずだがこの女はそれをどんな相手とでもするのかと思ったものの彼女はもう一度いう

「告白、してないでしょ」
「こ、くはく」

まるで初めて聞いた言葉のようだと感じるが理解はしていた、それは胸の内を伝えるということで男女の間での言葉は即ち相手を好いているかどうかという話だ
そんなことを今更言わずとも分かっているだろうと悪魔将軍は思うもののティアは顰め面を向ける

「大事な言葉もなく察しろなんて無理ですから、そんなのしてたら私どこまで都合のいい女になるじゃないですか」

ああそれとも悪魔将軍様にとって私なんて所詮メイドで、都合のいい女でそこいらの女の子たちと一緒なんですかね?
と口達者な彼女の態度に驚くものの今度は彼女が背を向ける番だった

「ベッドの中の言葉を信じられるほど私は馬鹿な女じゃありません」

小さなその背中をみては悪魔将軍は手を伸ばし抱きしめた、甘い彼女の香りがマスク越しに鼻腔を擽る、細い肩を抱き締めて逃げようとする身体を抑えてしっかりと彼は告げた

「愛しているティア、お前だけとしかこうしたことは出来ない程に、ティアにだけだこんなに子供臭くなるのは」

静かな彼女はどんな返事をするのかと思うものの身動ぎした身体が悪魔将軍に振り返りそのマスクに手を伸ばした

「私だってどんなあなたも愛してます、だから地獄の果てまでついて行ってあげる」

小さなリップ音を立てて素顔に口付けて笑う恋人にゴールドマンは堪らずに彼女を抱き締めた、言葉以上に大事なものは無いのだと思いながら。



「それでやっぱりティアって将軍様と付き合ってるの?」
「ステカセキングくんまたそれ?好きねぇ」
「だ〜って前よりなんか仲良くなってるから」

包帯まみれのまだまだ成長途中の弟子のひとりであるステカセキングとの会話に思わず目を丸くしては意外とこの子は目敏いんだと感じたティアは驚いたもののすぐに笑みを浮かべる

「恋人だから、そりゃあ仲良しだよ」

そう素直に答えれば目の前にいる彼はやっぱりな!と笑ったその背後でふと見えた影に思わず笑みが溢れる、今晩もまた部屋に行ってかわいい恋人に甘い愛を伝えようと思えたからだ。

HOME