Memo
2017/09/18 00:07
未来を歩む
(永夢くんと)
※オリジナルバグスターいます
感染者だと言われた、目の前に現れたポッピーやパラドのように普通の人と少し違う見た目
青をメインにした洋服に長い長い黒と青の髪、目の前にいるプッピーピポパポと名乗った存在は今にも泣きそうだった
宝生永夢が好きだと語った彼女は泣いていた、人よりも人らしく恋をして愛をして心を持ち
「だから、あなたが幸せにならなきゃ意味が無いの」
あまりにもそういった彼女は苦しそうだった
宝生永夢は勇敢な医者だ
意思が強く根がしっかりして、日々成長していく心は彼の弱々しい部分を消していく
「葵さん?」
「なに永夢くん」
「何かぼーっとしてましたけど疲れましたか?」
プッピーピポパポはバグスターだった、クロノスだった檀正宗を倒すためにパラドや、ポッピーピポパポ同様消えてしまった
彼女と出会ったのはここ数ヶ月だった、初めて出会った時はまだ檀正宗の元に捕まっていた頃、彼女に助けられた
凛とした横顔に、永夢を見る熱い瞳、ライバルとしてみるもう一つの己への顔
全てが刺激された
「プッピーのこと、思い出してたの」
「…そっか」
「暗い顔しちゃダメだよ永夢くん、あの子は永夢くんのそんな顔みたくないもん」
『私の方がずっと昔から好きだった!青井なんかに負けないくらい…ずっと、ずっと永夢だけを好きだった…アンタがあなたが選ばれたんだから、永夢に応えてあげなさいよ』
雨の中、女2人、冷たい駐車場で掴みかかられそう言われた彼女は泣いていた
あんなにも強い気持ちがあるのだからいつか無くなる命という物を遠慮なく捧げれたのだろう
『永夢好きよ、でもね黎斗…私貴方のこともっと好きよ』
そう言い残した彼女はあまりにも綺麗で彼女を愛していた檀黎斗は今もパソコンの画面に向かって何かを作っている、新作のゲームか医療品なのか、それはわからない
「きっとプッピーも葵さんが好きでしたよ」
「え?」
「だって、だからずっと居てくれて守ってくれて…僕と結ばせてくれたのかな…って、そう思っています」
恥ずかしそうにそう笑った永夢に小さな疑問はすぐに消えてしまった
目を丸くしてみつめればテーブルの上に置いていた手を白い手が包み込む
この医者の手で人々はいつも守られているのだと実感しながら顔を見る
「プッピーは愛を知った強いバグスターです、そんな彼女と共に過ごした葵さんなら、きっとこれからだって歩めますから…ううん、僕と歩んでほしいんです」
耳を赤くさせた永夢の言葉に小さく笑う
相変わらずそういうことを言うのは慣れないのだと改めて思い出して
「私でいいなら、永夢くんと未来を歩みたいなこれから先ずっと」
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