Memo
2017/10/11 00:44
同棲してる二人の日常*
チェイスとの日常
チェイスは不器用だ、感情を理解しようと必死で
真面目な故に不器用な彼に目覚めた感情は愛というものだった
それを喜んだのは霧子や進之介にハートたちではなく、剛だった
幼い葵の恋心を応援していたからだろう、剛からすれば葵は妹のような存在だった、不思議な雰囲気を持つ女子高校生の彼女も剛にはよく心を開いた
チェイスと知り合い彼に様々なことを教える中、彼は愛を覚えた
「愛してる葵」
毎日そういうチェイスはまるで犬のようだった
人間としてしっかりやって行けるようにしてもらって、ひとりで暮らし始めたチェイスのアパートに葵もよく泊まりに行った
その日もそうだった、警察官として仕事をし始めたチェイスは相変わらずの真面目さで、けれど誰よりも信頼のおける人だ
「葵、いってくる」
「…んー、ちぇいす、いってらっしゃい」
「あぁ、また夕方に迎えにいく」
あまり聞こえてもいないだろうが気にせずそう言った
それから4時間ほど経ってからようやく起き上がった葵は欠伸をした
ぺたぺたと音を立てて歩きリビングに行けば見慣れたようにテーブルの上にラップのかかった朝食が律儀に置かれている
『簡単なマフィンとやらを作った、霧子も絶賛していたから口に合うといい、先に行くが葵もしっかり学校に行ってこい、いつもの時間に迎えにいく』
そう達筆な字で書かれたメモ用紙の下の方にはチェイスが書いたのか可愛い猫のイラストが「ニャー」と鳴いてかいてあった
朝から朝食を作り、おまけにこうしてメモ用紙とにらめっこをするチェイスを思いながら小さく笑いながら、明日くらいは久しぶりに自分が作るか…などと思いながらシンプルなそのマフィンを口に含んだ
「…うん、火が入りすぎて卵がパサパサだよチェイス」
帰ってきた時はそう言おう。なんて思いながらも今日もまた完食するのだった。
>>今日のチェイ葵:朝起きると相手は既に出勤していて、机の上にメモとラップのかかった朝食が置いてある
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