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次々と前から渡される紙の束にまだあるのかと思わず顔を顰めた
明日から夏休みが始まるが〜と説明をする担任の話は耳に入らない、A組のサボから「夏休みどうするか」なんてスマホに連絡を寄越してきた、どうせお前の場合は数日で全部片付けて『エースまだ終わってないのか』なんて笑うんだろ、と思った
そうこうしてる間にチャイムが流れて、じゃあみんな身体に気をつけろよと最後の挨拶と同時にみんなが椅子から立ち上がり廊下に飛び出す

「どこかいくのか?」

「バスケ部に顔出してくる」

「おー、じゃあまた」

「おう」

幼馴染であるはずのサボとの会話をそこそこに第1体育館に向かう、中高一貫の学校は広く同じく夏休みの始まった学生はみんな顔を輝かせていた
少し重たいカバンを片手に第1体育館の廊下を歩いていれば少し先に小さな影が見えて、慌てて走り出す

「マリィ先輩っ」

「お疲れエースくん」

「うっす、バスケ部になんか?」

「ううん、エースくんのこと探してた」

「俺?」

思わず驚いて自分を指刺せばマリィ先輩は柔らかく微笑んだ、相変わらずかわいいな。なんて思ってることは先輩は知らないだろう
1つ上のマリィはこの学校じゃちょっとだけ有名だ、頭はいいし優しいし生徒会じゃないらしいがよく頼られて色んな手伝いをしたりしてるらしい…あんまり詳しくはない
てか俺汗臭くないかな?マリィ先輩は今日も変わらずいい匂いするよな

「うん、夏休みはバイト尽くし?」

「いやまぁ暇な時は入れてるけど」

「そっか彼女とかは?」

「いねぇけど」

いたらこんなに虚しくバスケ部なんかに行くかよと思っていた時だった

「じゃあ私エースくんの彼女に立候補していいかな」

「は?」

は?

は?
ナンテイイマシタカ?
聞き間違えかと思って思わず耳を何度か軽く叩けば目の前のマリィ先輩はまた楽しそうにケラケラと声を出して笑った、なんかこういうとこ子供っぽくて本気でかわいいよな
てかいやまぁ彼女になったらそりゃあ滅茶苦茶に嬉しい、だって彼女ってことは手ェ繋いだり、キスしたり、それ以上もないことは無いって関係だよな?てかマリィ先輩と2人の夏休みってそれまさに天国じゃね?
プールとか海とかBBQとか夏祭りとかそれこそまぁ…と、泊まりとか

「うん、そう手繋いだりキスしたりする関係だよ、エースくんが良かったらもちろんお泊りも」

俺の声が出てたのか?ってくらい正確に答えてマリィ先輩は俺の手に指を絡めて少し小悪魔な感じで笑った、あっ正直こういう顔クるんだよな、健全な男子高校生にはやめてほしい。

「そ、それってつまりは好きとかそういう」

「うん、エースくんのことが好きなの」

「まじ!?」

「まじ」

「え、ぁ…まじかぁ」

「お返事は?」

身長差があるから上目遣いになるマリィ先輩がそう呟いた
俺の返事はひとつだ、絡められた手に力を込めていう

「よろしくお願いします」

あ、俺いま勃ってなかったかな