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夏だ!!プールだ!!水着だ!!!
俺はこの夏、いやこの人生の"夏"という季節を16回くらい経験してる訳だがその中でも特別今年が嬉しく、楽しい
それはもうとてつもなく嬉しい、嬉しすぎて昨日夏休みの宿題をちゃんと2ページ進めた、読書感想文?そんなもんは知らねェてか本とか読まねェよ
神様(サッチ)は俺に味方をした
あの日の夏祭り、サッチに渡されたのは近頃流行りの室内プール施設であり日焼けが苦手な女子もアトラクション等を楽しみたい野郎にもそもそもプールが嫌いな人間にも大人気のスポット
夏といえばここ!と言えるほど、そんな大人気商業施設"マーメイドパーク"は人魚や魚人が主なスタッフであり1番人気はなんといってもマーメイドカフェだ、これを狙いに来る男は特に多い
メインはプールだがその広さは商業施設で買い物や先程のカフェも楽しめる程だ
「そんなわけで行きませんか」
「サッチさん本当なんでも持ってるね」
「……まぁ、な」
言えないが多分これ女誘おうとして振られたチケットなんだ
いつもなんかいいとこのチケットくれる時9割がそれだからな、まぁそんなサッチの可哀想な想いは置いておくとして、目の前のマリィは二つ返事で了承してくれたわけだ。
もう何度も履きなれた水着もいいがせっかくのデートだここはビシッと決めなきゃならないと思って買い直した水着はまぁいつもとさほど変わらない
サボを連れて行ってどれがいいかと数時間悩んだが「持ってくるやつ全部同じだからもうどれでもいいんじゃないか?」と呆れられた、雑なアドバイスだったな…折角スタバ奢ってやったのに
まぁ俺のことよりもマリィだ、どんな水着かなカワイイ系?綺麗系?はたまたクールな感じか?いやまじ想像するだけで楽しいな…と待ち合わせにしている更衣室から出たすぐの広場で待つこと15分、遅いなと思いつつも立っていれば一人の女の子が駆けてくる
「お待たせエースくん」
危なかった
俺は死ぬかと思った
今日が命日だと本気で思った
「ぜ、全然大丈夫」
いや大丈夫じゃねぇよ、思わず顔を思い切り逸らしたが改めて見直した頭の先から足の先まで全部見た
髪型はゆるい三つ編みを2本して、大きめの唾のある麦わら帽子を被って、真っ白な少しヒールのあるサンダルを履いている
そして暗めのオレンジ色の水着はタートルネックのボディラインは出るがお腹が直接見えないワンピース型で、腰の辺りにはスリットが入り白い肌が見える、おまけに背中は大きく開いて白い肌が眩しい…眩しすぎる
そして、何より…胸元のそう…胸のあたりはシースルーになってやがるまさかのそう、俺の大好きなセクシー路線できた
「大丈夫?」
「あっいや、大丈夫…それよりスゲェ似合ってて可愛いな」
「本当?良かった…ほらオレンジ色好きかなって思って挑戦してみたから、変じゃなくてよかった」
恥ずかしそうに笑うマリィに俺は今すぐ死ぬのかと思った
夏の自由研究は俺の彼女が可愛いことについて研究してやろうかと思うくらいにはかわいいと思う。
だがしかし俺は彼氏だ、堂々とマリィをエスコートして最高のプールデートにすると決まれば手を引いて歩き出す
世界最大級と言えるほどのウォータースライダーやら、流れるプールに、アトラクション型のプールなど色々なものがあった
2人して色んなものを乗ったり流されたり遊び回っていれば余計な考えが消えていく
「ふぅ…結構楽しかったけどお腹空かないの?」
「それ言われたらめちゃくちゃすいたな、あそこ屋台あるから何か買ってくるし席取っててくれよ」
「うん、わかった、私ジンジャーエールお願いね」
そういって荷物を渡して分かれれば長蛇の列の最後尾に並ぶ、フードメニューも豊富な上に美味しいと聞いている、メニューを見つつ何がいいかと考えて、この後は買い物もいいしマーメイドカフェに行くのもありだし…なんて考えていれば前に進んでいきこのキッチンカーで1番人気だというたこ焼きの50個入りとコーラと頼まれていたジンジャーエールを頼む
丁寧に袋に入れてくれたそれを持ちながらマリィのところにいけば椅子に座っていたのは1人じゃない
あー…予想してた通りだ、ニヤニヤと下世話な笑い方をしながら声をかける二人の男にため息をこぼして早足で近付く
聞こえる声は「友達と二人でもいいから」や「本当お姉さん可愛いね」だとか腹が立つ言葉ばかりだ
「俺の彼女に何か用かよ」
思った以上に低い声がでた
マリィの肩を抱いてそういえば男達と目を合わせて数秒、こういうのは男の本能なのか互いに絶対に目を逸らしたらダメだ、本当は殴りたかったがここで問題を起こしたくはない
結局舌打ちをした男が負け惜しみで「男いるなら最初から言えよブス」と言い残して行ったことに本気で手を出そうとするもそれより先にマリィが先程買ってきたジンジャーエールを奪う
「喉乾いちゃったね」
「おう、たこ焼き買ってきたけど食う?」
「貰おうかな」
静かに2人でたこ焼きを食べた、マリィが怒ってるのか悲しんでるのか楽しんでるのかつまらないのかここに来て分からない
プールに入るかと聞けば少し休みたいからショッピングに行こうと言われてモールを歩き出す
「さっきはありがと」
「え…あぁスグ助けれなくて悪かった」
「いいんだよ、エースくんが来てくれて凄くほっとした…やっぱり私の彼氏が君でよかったって思ってたの」
暑い、めちゃくちゃ顔が熱い
どうしてこうもマリィは簡単に俺を喜ばせる言葉を言えるのかな、不思議だが嬉しくてたまらない
握っていた手に少し力が篭もるが痛がりもせずマリィは頬を少し赤くしていた、何かを買う訳じゃないがモールを歩いてまたビーチサイドに戻ってきてさっきみたいに2人して笑ってプールに飛び込んだ
かわいくて、かっこよくて、頭も良くて、俺はなんてもったいない彼女なのかと思う、けど誰にも渡したくなんかない
「にしても1日居たらさすがに疲れたな」
「あの後もウォータースライダー12回も乗るだなんて思わなかったもん」
「いやぁ滅茶苦茶面白かったな!また行きてぇな」
「次は…」
「ん?」
「次は、エースくんが私の水着選んでね?」
あっ流石に鼻血が出た
夕日のせいか、はたまた別の理由かマリィは真っ赤な顔ではにかんだ
ちょっと少女みたいなかわいい顔、俺だけしか多分見た事ない女の顔、これから先だって誰にも見せたくなんかない
あーてかまじ帰りたくねぇよ。と思ってるが言えないよな、流石にまだ一線は超えたことがないし今じゃない気もする
「あっ!」
ふとマリィが大きな声を上げるものだから驚いて見つめ返す
「宿題終わってないでしょ」
「げぇ」
思い切り顰め面をしてしまった
何もこんな幸せ天国パラダイスな時間から現実に戻さないで欲しかった、だがしかしもう20日だ夏休みもあと一週間程、正直宿題は8割残ってるんだよなぁ…なぁんて思っていればマリィがイタズラ気に微笑んだ
「明日私の家で勉強会するから、絶対勉強道具持って来てね」
約束だから。とマリィはいう
え?家?ホーム?お家?……俺は困惑しているのにそんなのも気にせずペラペラとマリィは話をしていき、いつもの分かれ道になる
「夜に家の住所送っとくから明日勉強会ね!」
そういいながらマリィは背中を向けて歩き出す
取り敢えずゴムとか買って帰るか…と薬局に足を向ける、絶対そういうことは無いんだろうけどまぁいいだろ、男子高校生に夢を見せてくれ。と願いながらスキップするように向かった
ちなみに薬局でサボにバレた、めちゃくちゃ恥ずかしかった