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もう時期お盆だ
お盆と言えば繁忙期だ、飲食店はどこもかしこも大賑わいで特にこの店は夏祭りの出店なんざもしてると来たら猫の手だって借りたいほど
そしてバイトがあるということはマリィにも会えないということだ、毎日LINEでメッセージは送りあっているがやはり学校が無くなれば顔を合わせることが無くなる、鬱陶しいかもしれないが毎日会いたいし毎日話したいと思う俺はきっと重症なんだろうな
「おうい、しっかりしてくれよいエース、2卓オーダー頼むぞ
「わぁってるよ!」
時刻は20:48、今頃何してんのかなぁなんて思いながらハンディに卓番を打ち込んでカウンター席に座る男女を見て固まった
「ホントにバイトしてたね」
「だからいったろ?大体週5くらいはいるって」
「あっ、私烏龍茶で」
「俺はビール」
「こらこらサボくん未成年でしょ」
「この店だけは法律がないんだよ」
は??何度か瞬きをしたがどうやら嘘ではないらしい
目の前にはサボとマリィが座っている、今日はタンクトップにパンツスタイルで髪の毛もポニーテールにしてるから少し色っぽくてかわいい…じゃなくて
「どういうことだよ!!」
「いや、行くってLINEしたろ」
「そしたら了解♡待ってる♡って返事来たからいいのかなって」
そんなことをした覚えがないと慌ててスマホを開けば確かにその通りに17:30頃にメッセージが入っていた、いやこの時間バイトをしていたから分かることはスマホを開いてオープン準備をしていたから誰かが勝手に返事をしたんだな…そうかそうか
「サッチてめェの仕業だろ!」
「おーよくぞわかったな」
カウンター越しにいるサッチが笑いながらビールとサワーを出しやがった、いやいやサボはともかくマリィはダメだろと慌てて奪おうとしたがその前に2人の手の中にいき楽しそうに「かんぱーい」といった、いや確かにこの店の生サワーシリーズはうめぇんだけど酒とかいけるのか?
「にしてもエースくん制服姿かっこいいね、似合ってるよ」
ああもうっそういう所だよって叫んでやりたいが仕事中だ、どうにか頭を落ち着かせてオーダーを取ってサッチに投付ける話したいことは山々だが仕事は仕事だ、お盆前の会社の飲み会やらカップルや友達やら店は大賑わいでチラリとカウンターをみればサボとマリィは隣通しに座って楽しそうにしていた
嫉妬しないわけじゃないけどずるいな、サボの野郎変わってくれ…つかなんで二人で来たんだよ
なんて言いたいことはごまんとあるがビールジョッキを8つ持ってテーブルの上に置いた
「あらお兄さんかわいいわね」
ふと、手の甲を撫でられて見てみれば赤いリップがエロい女がいた、胸もボンだし正直すげぇ好きだが所詮酔っ払いだ、適当に流そうとするもその女の前に座ってる女にも突然腹を撫でられてギョッとしてしまう積極的なのは嫌いじゃないがやめて欲しいもんだ
「腹筋もすごいね、かっこいい名前はエースくんって言うんだぁ」
甘い顔のカワイイ系の女がそう言いながらバイトの上がり時間やらなんやらを色々聞いてくる、まぁこんなことはたまにある事だから「適当っす」といって直ぐに戻った
21時を過ぎれば人の波も減ってようやく落ち着く、みんなには彼女と幼馴染が来てることはいってるからキッチンに入ることを伝えてマリィとサボの前に立つ
「おかえりエースくん」
「おう…って結構飲んだのかよ」
「いや、マリィはノンアルコールだ」
「そう言いながらお前が飲んでるじゃねぇか」
ったく呑気なもんだよな、あと30分であがることを伝えて2人に熱いお茶とサービスのシャーベットを出してやる
ふとサボのスマホをみれば幼い頃の俺たちの写真があった、懐かしいな昔ジジイに連れられて山とか連れてかれて放置されてたよな、今考えたらとてつもない虐待じゃねぇか
まぁあのジジイには常識とやらは通用しないから仕方がない
「これ、この写真すごく可愛くて貰っちゃった」
サボから貰ったという俺とルフィの寝顔の写真を見せて嬉しそうに笑うマリィはやっぱりかわいい、自分の寝顔なんざ恥ずかしいとは思うがまぁマリィだからいいだろう
あっという間に時間が過ぎて他のスタッフにお疲れ様でーすと適当に挨拶をすれば彼女の紹介をしろやらなんやらと小突かれる、サッチには「あんなめちゃくちゃ可愛い彼女いるならとっとと連れてこいよな」と腹を殴られた、地味に痛てェよ
お会計を済ませて店の前で待っていたマリィに片手をあげた、サボは先に帰ると気を利かせてくれたらしい
「突然来てごめんね、この間来られたからやり返そうって思ってねサボくんにバイト先教えて貰ったの」
「先いってたら全然よかったのに」
「…だってエースくん女の子によく声掛けられてるって聞くし、てか今日も見たしさ、サプライズにしよって思ったの」
え、これってもしかして嫉妬してくれてんのか?それだとめちゃくちゃ嬉しい、てかマリィもそういうのあるのか
なんて思って繋いだ手に薄く汗をかいてしまう
「妬いた?」
こういうの聞くのだせぇよな、でも気になるんだから仕方ねェよ
俺の言葉に立ち止まったマリィが見上げていた、身長差に感謝することは多分マリィに対してだけだろうな
歩道の蛍光灯に照らされてマリィはいった
「ううん、だってエースくんは私が一番好きなの知ってるから」
だから大丈夫。と
俺今すごい顔してるかも、てか顔に熱が篭もりすぎてやばい水風呂に入りたい「そっか」と情けない俺の声が夜道に消えていけば、マリィは嬉しそうに微笑んで手を絡め直して歩き出す
「でもちょっと妬くかも」
あ、まじで好きだわ