○○を初めて見たのは結団式の時だった。当時の団長の傍らで真っ直ぐ前を見る凛とした姿に目を奪われた。彼女が欲しいと、そう思った。
「○○!」
「…あぁ、スミスくん」
「エルヴィンでいいよ」
「なら私も○○分隊長でいいわよ」
微笑んだ○○はやはり美しかった。
エルヴィンが調査兵団に入団した頃、○○はすでに分隊長で、新兵であるエルヴィンは何とか彼女との接点を持とうと必死になったものだ。しかし以外にも
「今日の午後の訓練、○○もくるんだろ」
「えぇ、その予定だけど」
「ならこの間壁外でやってた切り方教えてほしい」
「あなたにはまだ早いと思うけど。…そうね、もうちょっとしっかり体が出来たあがったら、考えてもいいけど」
つう、と胸の辺りを指でなぞり試すような視線がエルヴィンを射抜く。まだまだ未発達のエルヴィンの胸は、それでも女の○○よりはずっと逞しい。そんな細いからだで出来るのだからエルヴィンがやって出来ないはずがないし、そもそも教えを乞うことでさえエルヴィンには必要ないだろう。彼ほど優秀であれば何度かその動きを見ればおそらく出来てしまうのだから。それでも、彼女がノーと言えばノーなのだ。エルヴィンが欲しいものは○○の技ではなく彼女自身なのだから。
わかったよ、といつものように微笑んでエルヴィンはその場を後にした。にこりときれいに微笑んで○○はその背に手を振る。