・ビバ花金、華麗なる退社

「さて。俺は先に上がらせて貰おう」
「あっもう終業時間でしたか。お疲れ様です、ジークフリートさん」
「何だお前は帰らないのか、ランスロット」
「ギリギリの時間に取引先からメールが・・・ってうわ」
「何だ?」
「今日は残業確定です・・・」
「あまり遅くまで残るなよ」
「はい・・・」
「おいジークフリート」
「何だパーシヴァル」
「(ナマエに顔を向ける)」
「(パソコンと睨み合いをしていて声が聞こえていない)」
「・・・駄目だな、没頭しすぎだ」
「何とかしろ、俺は先に帰る」
「ん。・・・なあナマエ」
「・・・(聞こえてない)」
「帰るぞ(ナマエの耳元で)」
「っ?!(びくっ)」
「はは、驚いたか。キリがいいか悪いかは今は関係ない。帰るから保存しろ」
「なっななななな何よいきなり耳元でびっくりするじゃない・・・!」
「そうか。帰るぞ」
「ちょっと、まだ終わってないんだけど?」
「そうだな。また月曜日から仕切り直せばいいだろう。顔が少しやつれているぞ」
「よくないわよ絶対終わらせてやるんだから」
「そうか。なら電源を落とすぞ」
「待ってやめて本気でやめてちょうだい」
「では諦めて仕事を切り上げて帰るか電源を無理やり消されるか選べ」
「はあ?」
「なら消すか」
「あーもーやめて!わかったわよ諦めるわよちょっと待ちなさい!(保存)」
「ん。よく分かっているじゃないか」
「馬鹿にしないで(シャットダウン)」
「はは。今日は飯でも食って帰るぞ」
「えっ嫌よ顔が死んでるのに態々出たくないわよ」
「ならお前が疲れた身体で飯を作るのか?」
「何よ」
「お前を労いたいんだがなぁ」
「・・・はぁ、分かったわよ。色直しさせてちょうだい」
「要らんだろう。やつれてはいるが酷くはない。それに腹が減ったな。一刻も早く飯が食いたい」
「嫌だと言ったら?」
「無理にでも引きずって行こうか?」
「・・・・・・私の負けよ」
「よし決まりだな。では帰るか」
「お疲れ様でーす」
「ディナーデートですか?」
「ひゅー!」
「今冷やかした人は月曜日覚えておく事」
「ヒッ」


「あれでまだ同棲止まりなんて信じらんねえよなー」
「まだ結婚してないからな」
「夫婦みたいだよなー。ところでランちゃん、俺に手伝える事ある?」
「!ありがとうヴェイン、頼みたいことがあるんだ」
「ほいきたランちゃん!俺に出来る事なら任せろ!」


(この後豚料理を食べに行ったらしい)
(豚肉には疲労回復の効果があるとか)
(彼なりの不器用な労わり!)