ツイッターのぷらいべったーに上げて長らく放置してたやつ



肉が裂け血が降り注ぐ。先程まで息づいていた命の破裂から逃げることなく、女は既に肉塊と化したそれをただ見下ろした。
飛び散る肉と血がドレスを赤く染める。染料にしては生々しいそれを唇に描けば、女の血潮がもっと寄越せと這い寄る。紅にしては酷く黒ずんでいるものだ。可笑しくて腹がよじれそうになる感情を噛み千切り、乱れた髪から滴る一雫の鮮血を舌で転がした。
「どこへ行く」
「何時も黙って居なくなる癖に、貴方がそれを言うのね」
ああ、不味い。こんなにも血が不味いのなら、この男の血など格別に不味いに決まっている。死んだって口にするものか。
じわりと渇いていく心の臓を握ってしまえばこの身体は終わりを迎えるのだろうか。全てが干からびてしまう前に、この命の灯火を消してしまえば楽だろうか。この身体が己でなくなる前に、息をひそめて消えてしまおうか。その思惑に蓋をするように瞼を塞いだ大きな手を振り払えぬ己の弱さに、女は小さく自嘲するのだ。



ジークフリート夢/ロストバージン・クリーチャー



(病んでる)
(どうして病んだのか)
(この1本前のジク夢と血についての対比になります)