鶴丸国永として生きていくなかで、本物と違うところは性別以外にも何個かある。
一つはフードを瞳が隠れるまで被っているところだ。
鏡を見るたびに私ではなく美人さんが此方を覗いているのだ。その覗いてくる美人さんは私だが、ふとしたときに非常に心臓に悪い。
二十数年付き合ってきた顔ではないのだ。ほんの数ヵ月で慣れるほど私の心は強くない。
お陰で山姥切国広と仲良くなれた。これだけが今のところ良かったとおもう。
二つ目は伊達組と呼ばれる方たちとなか良くできてないことだ。
馴れ合わない刀とは話すことも視線を会わせることもなく、御互いに距離をはかり損ねているところだ。多分彼とは頑張れば仲良くなれそうだ。イケメンだけど。
野菜口説く方は柱の影からチラチラ見てくるので、気が付いてないふりをしている。どうしていいかわからないので放置しているが、私から話しかけた方がいいのだろうか?
まあ、私から話しかけるのは難しいので、出来ることなら少し離れて話してくれたら多少は対応する。
三つ目は、驚きを求めないことだ。
鶴丸国永としてのアイデンティティが失われつつあるが、初っ端に驚きを与えたので十分だろう。
驚きよりも平穏がほしいので求められても困る。驚きの人生よりも平々凡々が何より最高と、この数ヵ月で学んだ。完全に鶴丸国永を否定しているようだが、鶴丸国永であるからこその驚きの人生だと思う。私には無理だ。
とまあ、細々としたのを除けば大きなものはこれくらいだと思う。
私という人格のせいで鶴丸国永が面影もなくなっているきがするけれど、二十数年培った性格は数ヵ月では変えることは無理だ。
戦場で誉れをとることが出来るようになっだけで許してほしい。一般人から此処まで成長したんだ。性格だけは見逃してほしい。
ま、この本丸で5番目に鍛刀されたので泣き言だけは言ってられなかった。刀振り回せないとか言える雰囲気ではなかった。
そして主は運だけはいいらしいので、少々羨ましい。何だよ鶴丸国永が5番目って。こちとら散々探したあげく諦めたら何かの鍛刀チャレンジできたんだぞ。お目当ては来なくてこれが物欲センサーって一人で打ちひしがれてたんだぞ。
まあ、三日月さんだけは早く来てくれたけど。
むしろ三日月さんに運を使い果たしてたきがする。
「今となっては関係ないか。」
今日は非番なので縁側で日向ぼっこをしている。
当初に比べ賑やかになった本丸を眺めて1日を過ごすのが日課になりつつある。
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