中学時代の馨ってどうだった?


『木原くんに質問。馨は帝国学園内ではどんなイメージ?』
(時間軸:中学時代にてお届けします)


木原「そりゃあもう、泣く子も黙る総帥の秘蔵っ子……って言い方をするとあんまりよくないけど、実際そんな感じだなー。馨に話しかけてくる奴って殆どサッカー部員だけじゃね? 友達いる?」

馨「失礼な、友達くらいいるっての!」

木原「なら良かった。まぁオレもサッカー部の一員として内輪にいるわけだし、客観視しきれるわけでもないけど、周りから見た馨のイメージってわりと孤高なんだよな。常に人がいなくて独りぼっちってことじゃなくて、こう、精神的にというか……うーん、『高嶺の花』ってやつ?」

馨「私に訊かれても。……要するに話しかけにくいってことなのか、それ」

木原「平たく言えばな。こうやってちゃんと話してみると馨自身は全然そんなことないんだけどさ、オマエの後ろには総帥がいるし、オマエも傍から見てるだけだとひたすらサッカーやってるって感じだし、女子サッカー部ではかなり暴れてたし、何となくそういう風になる奴らの気持ちも解らんでもないわ」

馨「あぁ、何ていうのか、怖がられてる感じ?」

木原「近からずも遠からずってとこかな。畏れ多いんだよ、一般人としては。オレだって初めてオマエと話してみるまでは怖そうなイメージあったぜ。同じ舞台の人間じゃない感というか、生きてる世界が違いそう感というか。初会話の内容もそりゃ大概だったけど、ただ話が通じない程ではないなって思えてからだいぶイメージ変わったし」

馨「良い方向に?」

木原「当たり前だろ、悪くなってどうすんだよ。つまり、やっぱ『高嶺の花』なわけだ、馨は」

馨「ふーん。まぁ良いんだけどね、周りのことなんて気にしてないし。サッカーができればそれで良いもん」

木原「ははは、そういうとこ本当にオマエらしいな!」

馨「それって褒められてるのかな」

木原「褒めてる褒めてる。……あ、でも噂によると、秘密裏に馨のファンクラブがあるとかないとか……」

馨「ん? なに? ファンクラブ?」

木原「あぁ、いや、何でもない。……そりゃ本人は知らないよな、秘密裏なんだし」


(馨が女子部にいた頃から、影ながらその活躍を見守るための男女混合ファンクラブが存在していました)




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