最近、ハルの様子がどうもおかしい。
ハルは元々無口なのにある日を境に口数増えた。
「名前これやる」
突如私に手渡してきたのはハルの大好きなネットでしか買えないというプレミアム鯖缶。
1缶2000円もするから半年に一回しか買わないのにそのひとつを私に差し出してきたのだ。
「これハルの大好きなプレミアム鯖缶だけどいいの?」
「ああ。鯖神様がそう言ってる」
そうある日を境にハルは鯖神とよく口にするようになった。
誰かに洗脳でもされたかの様に....。
「ねぇ、ハル。鯖神様って何?」
「鯖神様は...鯖の神様だ」
「名前のまんまだけど、どうしちゃったの?」
と、ハルの肩を揺らすとハルはこれだと段ボールをテーブルに置いて、中に入っいる一枚の紙を私に手渡してきた。
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七瀬 遙様
ご当選おめでとうございます。
こちらは鯖の神様、通称鯖神様のお告げが聞ける【鯖神様のお告げ鯖缶】です。
是非一度お試しください。
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「これを食べた日から鯖神様の声が聞こえる様になった。名前にプレミアム鯖缶をあげないと名前が俺に飽きるって」
思わず吹き出しそうになりながらもハルの真剣な眼差しを見たらとてもじゃないけど笑えなかった。
「ハル?」
段ボールを大事そうにみている彼の名前を呼んでそっと唇にキスを落とした。
ハルはどうした?なんて驚いていたけどあまりにも純粋過ぎるハルにいつもは私からはしないキスをした。
「鯖缶くれなくても私はハルに飽きたりしないよ?」
「そう、なのか?」
「うん!だって私、ハルの事大好きだもん」
「そうか...俺も名前好きだ」
こんな出来事があった1週間後、ハルはまたおかしくなった。
「名前、今日の下着は青か?」
思わず制服から下着を確認すると今日は薄い緑色だった。
突然何?と思いながらハルに聞くと青じゃないと大変な事が起こるからという。
「何、大変な事って?」
「お前は真琴のものになりたいのか」
「なんでそこでまこちゃんが出てくるわけ?」
「鯖神様が名前の下着が青以外だと真琴に食われるって」
「もうまた鯖神様ー?ってまこちゃんはそんな事する人じゃないのハルが一番知ってるでしょ?」
と、私が問うとハルは納得したように微笑んだ。
それから1週間後、ハルは鯖神様と口にする事はなくなった。