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001

静かな昼下がり。

リノ王に呼ばれて、カイが護衛船に乗って旅立って、1ヶ月が経った。予定なら2週間ほどで戻るはずだったのに、どうやら予定は狂ったらしい。こうなるともういつ帰ってくるのかわからないのだ。
キナは溜息をつき、取り込んだ洗濯物をまとめて寝室へ向かった。ほとんど一人分の少ない洗濯物。すぐに畳み終えて、クローゼットへ仕舞い込む。
ついでに洗った、しばらく着ていないカイの赤い鉢巻を、キナは丁寧に畳んだ。そしてふと胸が締め付けられて、鉢巻を鼻先に持って行った。
やわらかく、カイのにおいがした。潮の混じった、日なたのにおい。感じれば感じるほど、彼を思い出して、キナは胸が苦しくなった。
ベッドに腰掛けて、自分で首筋をなぞる。いつも、彼がしてくれるみたいに。唇に触れて、物足りなさを感じて、指先を舐めた。
足りない。
白いブラウスの上から胸を撫で、揉み上げ、突起を弾いて刺激してみる。少し硬くなって、お腹の奥が疼く。ますます切なくなってしまう。
キナは服を全て脱ぎ、完全に裸になると、ベッドの上に横たわった。鉢巻が細い手首に絡まった、
片手で胸の突起を弄り、もう片手でお腹をなぞって太ももへ滑らせ、次第にその秘部へとたどり着いた。わずかに濡れていた。指先で注意深く凹凸をなぞり、一番敏感な部分に触れた。思いがけず体がぴくりと反応し、小さく声が漏れた。
カイはいつも、こうして何度も優しく触っていてくれる。
その様子を思い出しながら、キナは指を動かした。しかし、自分の指の何と細いことか。これでは、彼のものと似ても似つかない。せつなさともどかしさで、少女は悲しげにと息をもらした。

「ん……カイ……」

彼の名前を声に出してみると、体が熱くなった。体の芯がゆらぎ、いつもの夜が鮮明に蘇るようだった。キナはもういちど、唇を開いた。

「カイ……。」


聞こえたのは確かに自分の名前だが、その様子はどう考えても呼び寄せているわけではなさそうだった。カイは荷物をそっと足元に置き、声のした方へと進んだ。掛け布を避けて寝室を見ると、思いがけぬ光景が広がっていた。
昼下がりの白い光を受けて、ぼんやりと淡く神秘的に明るさの残る寝室に置かれた、大きなベッドとその白いシーツ。そこに横たわっている、柔らかな曲線を描く少女の真っ白な肢体。ところどころは淡い桃色に色づき、恍惚としている表情は生唾物だ。白魚のような手は、片方は淡い桃色の果実を摘まみ、もう片方は二本の細い脚の付け根の魅惑の場所を覆うようにして伸びている。
うるんだまつ毛が揺れ、ゆっくりと開いた。
「……ただいま…」
そう呟いたカイを見て、キナはとび起きた。
「……えっ!いやっ……!」
小さな悲鳴を上げ、キナは顔を真っ赤にして、自分の体を両手で隠した。カイはできるだけ冷静を装って、ベッドに膝をついた。
「つづき…してよ。」
「……え、な、違うの、いや……」
「見せて。」
キナの目をまっすぐに見つめて言うと、キナは目にうっすらと涙を浮かべ、手を再び秘部へ伸ばした。閉じた足の間から伸びる手が、小刻みにゆっくりと動く。その動く先の光景――それが彼女にもたらしている快楽を想像するだけで、カイは腹の底が熱くなったが、彼女の細い両足首を優しくつかんだ。
「足…開いて。ちゃんと見せて。」
するとキナは少し迷ったようだったが、カイに応えるように足をゆっくりと開いて見せた。赤く色づいた秘部が露わになった。そこは蜜が溢れ、濡れた花のつぼみのように、甘い香りを漂わせていた。
彼女の細い指先が、ゆっくりとつぼみの隙間をなぞり、蜜を絡めて水音を立てた。
「気持ちいい?」
優しく尋ねると、キナは目を閉じたまま、切なげに眉を下げた。
「わからない……」
「じゃあ、もっと上の所……そう、そこを弄って。上下に、下から掬うように……」
「……ぁっ」
カイの誘導通り、キナは自分の一番敏感な場所を弄った。そこは刺激を受けて、赤く充血し、つぼみはもっと水を欲するようにひくひくと動いた。
「中に指が欲しいだろう?」
「……うん……欲しい……」
「じゃあ、入れてごらん」
「ん……あぁ……」
濡れた桃色のつぼみを割って、白い指が飲みこまれていくのを、カイは荒い息になりながら見つめた。その視線を感じながら、キナは目を潤ませ、吐息に交じって声をもらした。
「もっと、奥だよ」
「あ、あ……」
「もう少し、入れて……その辺、内側の、ざらざらしたところ。こすってごらん」
「……ここ……?……んっ!あ、っ!」
キナの腰が大きく跳ねた。キナは目を丸くして、にわかに頬を染めた。
「そこ……キナがいつも、気持ちいいって言ってくれるところだよ。」
「や……やだぁ……」
「でも、気持ちいいだろう?もっと触ってごらん、ほら……見たいんだ、見せて」
「んん……はぁ……っ」
キナは指を動かし、腰をよがらせた。息は荒くなっていく。刺激は物足りないのに、カイに見つめられているというだけで、腹の奥底から快楽の波が一気にこみあげてきた。
「………あぁっ…!!ぁっ…!」
体が痙攣し、つぼみの奥で自身の指が締め付けられ、キナはにわかに顔に熱が集まった。カイに見られてしまった……全部。恥ずかしさでいっぱいだ。それなのに、未だに腹の奥は快楽の余韻で痙攣し、吐息が唇の間から溢れてくる。
キナは細い指をつぼみからゆっくりと引き抜き、甘い吐息を漏らした。指先から透明の糸がのび、つぼみと溶け合うように繋がっている。その甘い香りのする蜜の糸に誘われるように、カイは手を伸ばしてキナの手に触れると、蜜にまみれた細い指を自らの口に近づけ、舐めとった。そして物足りないとでも言うかのように、未だ蜜のあふれるつぼみへと口を近づけ、そこに舌を這わせた。
キナの吐息に合わせて、つぼみは震えるように収縮した。
「カイ……やだぁ……もう……んんっ……」

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