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パトカーに乗せられ警察署へ行き、長い事情聴取を終えてようやく解放されると、待合室には御幸と東条、光がすでに揃っていた。
御幸は俺を見て…複雑そうに目を細める。その表情に耐えられず、俺は目を逸らしてどうでもいい愚痴をこぼした。
「…俺が一番最後かよ」
「人相悪いから怪しまれたんじゃね?」
「あ?」
こいつ…人が気ィ使って話そらしたっつーのに…。
御幸を睨みつけると、御幸は急にしおらしく呟いた。
「倉持…助かった。ありがとう。」
「……。」
急に素直に言われると、どうも調子が狂う。
「…ほんとだよ。もっとしっかりテメーが守ってやれ。」
「……。」
御幸も光も、東条も。息を飲んだように俺を見た。
「じゃないと…身ィ引きたくても心配で引けねーよ。」
「…え?」
急に顔に焦りをにじませる御幸を見て、少し気分がよくなる。
「光。」
初めて面と向かって呼ぶ彼女の名前。光は少し驚いたように…そして頬を少し赤くして俺を見上げる。
「…何も変わらねーって言ったろ。」
ぱちり、と綺麗な瞳が瞬いて、はっとしたように、小さな赤い唇が少し開いた。
俺はずっと、お前のヒーローでいる。どうせ何をしても忘れられないなら…お前の傍でお前を守る。もう開き直ることにしたんだ。だって…初めての相手は特別で…忘れられるわけ、ないんだから。
***
無事遠征を終え、自分のマンションに帰った翌朝、俺は早速御幸のマンションにいた。
「やっぱり全部田中茜の仕業でしたよ!!」
…あと、牧瀬も。
新聞を握りしめ、興奮気味に熱弁している。
「あの嫌がらせの手紙も、東条君を誘い込んでホテルのドアに細工したのも、マネージャーを騙して協力させたのも、公園で光に硫酸かけようとしたのも!」
「うん…」
「まあマネージャーは擁護できないけどね!なーにが、友達になったから光さんに会いたいって頼まれて断れなかった…、よ!ほんとダメダメなんだからあの子は〜」
「……。」
本当は光も怒りたいだろうに、牧瀬があまりに興奮しているから苦笑してしまっている。少し落ち着かせようと、俺はスマホを片手に振り向いた。
「つーか牧瀬は急にどうしたんだよ、これ。」
そう言って見せたのはネットニュースの速報記事。
見出しは『“光を守りたい”女優・牧瀬司、電撃引退発表』。
「その記事の通りですよ。私、事務所にお願いしたんです。光のマネージャー、私にやらせてくださいって。」
俺は目を丸くして光と御幸を見る。二人ともどこか嬉しそうに苦笑して肩を竦める。
「なんでかわからないけど、光、マネージャーに恵まれないんですよね〜。一人目はイケメンに目がない男好きだったし、二人目は暢気でいい加減な適当人間だし。もうこれ以上他人に大事な光を任せておけませんよ。」
「…いいのかよ?女優の仕事は…」
「私、もともと光を追いかけてこの世界に入ったんで。むしろ本望ですよ。」
「…あっそ。」
呆れたように言うと、牧瀬はにやりと笑みを浮かべた。
「っていうか、倉持さんこそ人のこと言えるんですか?」
「俺?」
牧瀬は意味ありげに俺と光を見比べる。御幸が気づいたように不服そうな顔をして光の肩を抱いた。
「俺は別に何も変わってねーし。」
「ええ?でも…」
…そう。変わってねーよ。俺はずっと…光のことが好きなだけだ。
「光。」
そう呼ぶと、光は少し顔を赤くする。
「午後、海までツーリング行かねえ?」
「え…」
「コラ。人の嫁をデートに誘うな!」
「ホントですよ。しかも旦那の前で。」
悪びれず笑うと、光もこらえきれない様子で笑い出した。そうすると御幸も牧瀬も、釣られるようにして笑うのだった。
御幸は俺を見て…複雑そうに目を細める。その表情に耐えられず、俺は目を逸らしてどうでもいい愚痴をこぼした。
「…俺が一番最後かよ」
「人相悪いから怪しまれたんじゃね?」
「あ?」
こいつ…人が気ィ使って話そらしたっつーのに…。
御幸を睨みつけると、御幸は急にしおらしく呟いた。
「倉持…助かった。ありがとう。」
「……。」
急に素直に言われると、どうも調子が狂う。
「…ほんとだよ。もっとしっかりテメーが守ってやれ。」
「……。」
御幸も光も、東条も。息を飲んだように俺を見た。
「じゃないと…身ィ引きたくても心配で引けねーよ。」
「…え?」
急に顔に焦りをにじませる御幸を見て、少し気分がよくなる。
「光。」
初めて面と向かって呼ぶ彼女の名前。光は少し驚いたように…そして頬を少し赤くして俺を見上げる。
「…何も変わらねーって言ったろ。」
ぱちり、と綺麗な瞳が瞬いて、はっとしたように、小さな赤い唇が少し開いた。
俺はずっと、お前のヒーローでいる。どうせ何をしても忘れられないなら…お前の傍でお前を守る。もう開き直ることにしたんだ。だって…初めての相手は特別で…忘れられるわけ、ないんだから。
***
無事遠征を終え、自分のマンションに帰った翌朝、俺は早速御幸のマンションにいた。
「やっぱり全部田中茜の仕業でしたよ!!」
…あと、牧瀬も。
新聞を握りしめ、興奮気味に熱弁している。
「あの嫌がらせの手紙も、東条君を誘い込んでホテルのドアに細工したのも、マネージャーを騙して協力させたのも、公園で光に硫酸かけようとしたのも!」
「うん…」
「まあマネージャーは擁護できないけどね!なーにが、友達になったから光さんに会いたいって頼まれて断れなかった…、よ!ほんとダメダメなんだからあの子は〜」
「……。」
本当は光も怒りたいだろうに、牧瀬があまりに興奮しているから苦笑してしまっている。少し落ち着かせようと、俺はスマホを片手に振り向いた。
「つーか牧瀬は急にどうしたんだよ、これ。」
そう言って見せたのはネットニュースの速報記事。
見出しは『“光を守りたい”女優・牧瀬司、電撃引退発表』。
「その記事の通りですよ。私、事務所にお願いしたんです。光のマネージャー、私にやらせてくださいって。」
俺は目を丸くして光と御幸を見る。二人ともどこか嬉しそうに苦笑して肩を竦める。
「なんでかわからないけど、光、マネージャーに恵まれないんですよね〜。一人目はイケメンに目がない男好きだったし、二人目は暢気でいい加減な適当人間だし。もうこれ以上他人に大事な光を任せておけませんよ。」
「…いいのかよ?女優の仕事は…」
「私、もともと光を追いかけてこの世界に入ったんで。むしろ本望ですよ。」
「…あっそ。」
呆れたように言うと、牧瀬はにやりと笑みを浮かべた。
「っていうか、倉持さんこそ人のこと言えるんですか?」
「俺?」
牧瀬は意味ありげに俺と光を見比べる。御幸が気づいたように不服そうな顔をして光の肩を抱いた。
「俺は別に何も変わってねーし。」
「ええ?でも…」
…そう。変わってねーよ。俺はずっと…光のことが好きなだけだ。
「光。」
そう呼ぶと、光は少し顔を赤くする。
「午後、海までツーリング行かねえ?」
「え…」
「コラ。人の嫁をデートに誘うな!」
「ホントですよ。しかも旦那の前で。」
悪びれず笑うと、光もこらえきれない様子で笑い出した。そうすると御幸も牧瀬も、釣られるようにして笑うのだった。