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「…じゃあ今頃、御幸さんと倉持さんふたりっきりであのマンションにいるの?」
「うん。」
思わず吹き出して、そのまま遠慮なくお腹が痛くなるまで笑った。光はなんてことない顔でヨーグルトを食べている。
「は〜、笑った〜…。でもさあ、倉持さんは光に出ていけって言われたら、すぐ出て行くんじゃない?」
「ん〜…でも…言えないよ。田中茜に捕まった時…倉持さんがいなかったら私、どうなってたか」
「まあそれはそうだけどさ〜…」
「その前からもいろいろお世話になってるし。それに…」
「?」
「倉持さんがいること自体は、私、別に嫌じゃないし」
「…え!?そ…それってどういう意味?」
「…ふふ」
光は少し顔を赤くして笑う。も…もしかして光、倉持さんからのアプローチ…まんざらでもない?
「倉持さんがいるときってね、一也さんがちょっと子供っぽくなって、可愛いの」
「あ……な、なんだ〜…そういう意味でか」
「?」
「でも…御幸さんはたまらないんじゃない?悪い意味で。家では光とふたりっきりで過ごしたいはずでしょ」
「どうかな…本気で倉持さんを追い出そうとしてるなら、とっくに追い出してるはずだし…」
「う〜ん…それは…」
「一也さんって本当はすごく倉持さんのこと信頼してるから、私に気を使ってるだけなのかも」
「う…う〜ん…」
御幸さーん…誤解されちゃってるよ〜…
「…ん?じゃあなんで光は家出してきたの?やっぱさすがに嫌になった?」
「ん…ううん、そういうわけじゃないけど…」
光はもじもじと顔を赤らめる。…なんだろう?まさか…やっぱり倉持さんのこと、まんざらでもなくて…気持ちが揺れ動いてる…とか!?
「……別に…なんとなくだよ…。」
あ…何か隠した。
「…ふーん、まあいいや!じゃあとりあえず飲もう!今夜は女子会!」
「女子会って…私飲むと寝ちゃうんだけど…?」
「まあいいじゃんいいじゃん!こんなときじゃないと光、あんまり飲めないんだからさ!それにちょっとずつでもお酒に慣らさないと!」
さーさー、と飲みかけのチューハイの缶を手渡す。戸惑いつつそれを受け取った光はちびちびと飲み始めた。
「……。」
暫くして顔を赤くし始める光。私の顔を見て、にこにこと笑う。よしよし、酔っぱらってきた。
「ねえ光。」
「ん…?」
「家出してきた本当の理由は?」
「……。」
「もしかして…御幸さんか倉持さんか、迷ってる?」
「……。」
光は眠たげに目を瞬いて、こっくり、俯く。び…びっくりした〜。頷いたのかと思った。
「…ううん。」
「…じゃあ、なんで?」
「…だって…できない、のに…」
…できない?何の話だろう…?
「一也さんを見てると…したく、なっちゃうから…」
「……。」
ああ〜…なるほど…。ずっとエッチお預けだから…か。
それはきっと御幸さんも苦しんでることだろうなぁ…。…っていうか光、可愛すぎ…こんなの御幸さんが聞いたら大変なことになっちゃいそう。
光は赤い顔をしたままゆっくりと寝そべり、そのまま寝息を立て始めた。その肩にそっと毛布を掛け、間接照明を消す。
「おやすみ、光。」
***
「……大丈夫ですか?」
「……ちょっと待って」
昨夜の光の言葉を伝えると、御幸さんはテーブルに伏せてしばらく動けなかった。…ダメそうだな。
「それで…倉持さんは帰ったんですか?」
「……。」
「え…まだいるんですか?」
「あいつ…追い詰められると光を助けた時のこと持ち出しやがって…」
「はあ…」
「何度も大変な時があったけど、俺…いつも肝心な時に傍に居てやれなかったのは事実だし…それを言われると痛いっつーか…」
「……。」
「また同じようなことがあった時に、倉持がいねーと…って考えるとやっぱ不安だし…俺一人で守れるならそう言いたいけど、本当に光のためを思うなら、倉持がいたほうがいいんじゃねーかって…」
「何か御幸さんらしくないですね。」
「え?」
「昔はもっと自信満々で、堂々としてたのに。」
私が言うと、御幸さんは閉口して目を瞬いた。
その時私のスマホのタイマーが鳴って、私は席を立つ。
「あ…もうすぐ光が戻ってくるので私行きますね。」
「あ…うん」
ここは事務所の1階の休憩スペース。主にスタッフたちが使うスペースで、自販機やセルフサービスの水なんかが置いてある。
「まあ…光は本当にその件で怒ってるわけじゃないですから。今日も機嫌よくお仕事してるし。どうせだからこの機会にじっくり倉持さんとお話したらどうですか?」
「話って何を?」
「光のことについて。」
「…本人居ないのに?」
「何言ってんですか。光の気持ちはずっと変わってませんよ。」
「…え」
「御幸さん以外の人と…なんて、考えたこともないですよ、光は。」
「……。」
ほんのり嬉しそうに口を噤む御幸さんを見て、光が御幸さんを可愛い可愛い言ってたのがほんの少しだけわかったような気がした。
「じゃ、失礼しまーす。」
ひらりと手を振って、御幸さんと別れる。さて…御幸さんと光の話してたこと、本人に悟られないようにしなきゃ…。
「うん。」
思わず吹き出して、そのまま遠慮なくお腹が痛くなるまで笑った。光はなんてことない顔でヨーグルトを食べている。
「は〜、笑った〜…。でもさあ、倉持さんは光に出ていけって言われたら、すぐ出て行くんじゃない?」
「ん〜…でも…言えないよ。田中茜に捕まった時…倉持さんがいなかったら私、どうなってたか」
「まあそれはそうだけどさ〜…」
「その前からもいろいろお世話になってるし。それに…」
「?」
「倉持さんがいること自体は、私、別に嫌じゃないし」
「…え!?そ…それってどういう意味?」
「…ふふ」
光は少し顔を赤くして笑う。も…もしかして光、倉持さんからのアプローチ…まんざらでもない?
「倉持さんがいるときってね、一也さんがちょっと子供っぽくなって、可愛いの」
「あ……な、なんだ〜…そういう意味でか」
「?」
「でも…御幸さんはたまらないんじゃない?悪い意味で。家では光とふたりっきりで過ごしたいはずでしょ」
「どうかな…本気で倉持さんを追い出そうとしてるなら、とっくに追い出してるはずだし…」
「う〜ん…それは…」
「一也さんって本当はすごく倉持さんのこと信頼してるから、私に気を使ってるだけなのかも」
「う…う〜ん…」
御幸さーん…誤解されちゃってるよ〜…
「…ん?じゃあなんで光は家出してきたの?やっぱさすがに嫌になった?」
「ん…ううん、そういうわけじゃないけど…」
光はもじもじと顔を赤らめる。…なんだろう?まさか…やっぱり倉持さんのこと、まんざらでもなくて…気持ちが揺れ動いてる…とか!?
「……別に…なんとなくだよ…。」
あ…何か隠した。
「…ふーん、まあいいや!じゃあとりあえず飲もう!今夜は女子会!」
「女子会って…私飲むと寝ちゃうんだけど…?」
「まあいいじゃんいいじゃん!こんなときじゃないと光、あんまり飲めないんだからさ!それにちょっとずつでもお酒に慣らさないと!」
さーさー、と飲みかけのチューハイの缶を手渡す。戸惑いつつそれを受け取った光はちびちびと飲み始めた。
「……。」
暫くして顔を赤くし始める光。私の顔を見て、にこにこと笑う。よしよし、酔っぱらってきた。
「ねえ光。」
「ん…?」
「家出してきた本当の理由は?」
「……。」
「もしかして…御幸さんか倉持さんか、迷ってる?」
「……。」
光は眠たげに目を瞬いて、こっくり、俯く。び…びっくりした〜。頷いたのかと思った。
「…ううん。」
「…じゃあ、なんで?」
「…だって…できない、のに…」
…できない?何の話だろう…?
「一也さんを見てると…したく、なっちゃうから…」
「……。」
ああ〜…なるほど…。ずっとエッチお預けだから…か。
それはきっと御幸さんも苦しんでることだろうなぁ…。…っていうか光、可愛すぎ…こんなの御幸さんが聞いたら大変なことになっちゃいそう。
光は赤い顔をしたままゆっくりと寝そべり、そのまま寝息を立て始めた。その肩にそっと毛布を掛け、間接照明を消す。
「おやすみ、光。」
***
「……大丈夫ですか?」
「……ちょっと待って」
昨夜の光の言葉を伝えると、御幸さんはテーブルに伏せてしばらく動けなかった。…ダメそうだな。
「それで…倉持さんは帰ったんですか?」
「……。」
「え…まだいるんですか?」
「あいつ…追い詰められると光を助けた時のこと持ち出しやがって…」
「はあ…」
「何度も大変な時があったけど、俺…いつも肝心な時に傍に居てやれなかったのは事実だし…それを言われると痛いっつーか…」
「……。」
「また同じようなことがあった時に、倉持がいねーと…って考えるとやっぱ不安だし…俺一人で守れるならそう言いたいけど、本当に光のためを思うなら、倉持がいたほうがいいんじゃねーかって…」
「何か御幸さんらしくないですね。」
「え?」
「昔はもっと自信満々で、堂々としてたのに。」
私が言うと、御幸さんは閉口して目を瞬いた。
その時私のスマホのタイマーが鳴って、私は席を立つ。
「あ…もうすぐ光が戻ってくるので私行きますね。」
「あ…うん」
ここは事務所の1階の休憩スペース。主にスタッフたちが使うスペースで、自販機やセルフサービスの水なんかが置いてある。
「まあ…光は本当にその件で怒ってるわけじゃないですから。今日も機嫌よくお仕事してるし。どうせだからこの機会にじっくり倉持さんとお話したらどうですか?」
「話って何を?」
「光のことについて。」
「…本人居ないのに?」
「何言ってんですか。光の気持ちはずっと変わってませんよ。」
「…え」
「御幸さん以外の人と…なんて、考えたこともないですよ、光は。」
「……。」
ほんのり嬉しそうに口を噤む御幸さんを見て、光が御幸さんを可愛い可愛い言ってたのがほんの少しだけわかったような気がした。
「じゃ、失礼しまーす。」
ひらりと手を振って、御幸さんと別れる。さて…御幸さんと光の話してたこと、本人に悟られないようにしなきゃ…。