「来週パーティーに招かれているんだが、光も一緒に来てくれないか?」

夕方ごろ家を訪ねてきた光臣は、椅子に落ち着くなりそう切り出した。

「…私だけ?」

光は俺をちょっと見上げてから光臣に尋ねる。光臣はあまり気が進まないように肩を竦めた。

「別に、2人でも構わない。」

俺には来てほしくねーって顔だな…。

「一也さんも一緒なら、いいよ。」

しかし光がはっきりとそう言ってくれて、俺は嬉しくなる。光と視線を交わして、昔に比べればかなり通じ合えるようになった、としみじみ思う。

「もちろん、それなら二人とも来てくれ。」
「それで…何のパーティーなの?」
「仕事関係だ。今度新しく手を組むことになった、イタリアの企業でな。先方が光の大ファンなんだ。」
「そう…」
「パーティーはいつ?」
「来週の木曜日だ。20時に迎えに来る。」

わかった、と光が頷く。あまり浮かない顔だ。ここのところ、パーティー続きだもんな。俺も気は進まないけど…光臣と二人っきりにしたくねーし。

「それじゃ、今日は失礼する。」
「最近忙しそうだね。」
「休息は取っている。心配ない」

光臣は光に微笑みを残して帰って行った。なんだ…この疎外感。

「またパーティーか…」

光はちょっと困ったように呟いたが、ちょっと楽しみでもありそうに俺を見上げた。

「服、悩みますね。」

その頭を撫でて、うなじに滑らせ、髪に指を通す。

「…任せるよ。」

こういうことは光の方が得意だ。光は微笑んで、俺に軽いハグをして部屋へ戻って行った。


***


「……。」
「……何?」

俺に背を持たれたままの光が、居心地悪そうに問う。俺が両手で胸に触れ、長いこと黙っているからだ。

「うーん……」
「……?」

重量感のある二つの膨らみは、俺の手からこぼれんばかりの大きさで、寄せ上げるとすべすべした肌の感触とたまらない柔らかさを堪能できる。

「な…何か変?」

腕の中の光はにわかに不安そうに俺を見上げた。

「え!いやいや、違うって」
「じゃあ…何?」
「いや…確かに高校の時よりでかくなってるな〜って…」

ぺちん、と俺の膝を光が軽くたたいた。照れ隠しだ。

「一也さんのせいだもん…」
「え、なんで?」
「だって…してから……だもん…急に、大きくなったの…」
「…え?」

そ…そうなの?

「一也さんが…いっぱい触るから」

ちらり、と光はおれをちょっと睨んで、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして目を逸らす。た…確かに高校の時、キスしながら胸触ったり…したけど…。

「つーことは…俺が育てたのか。はっはっは」
「ば…ばかじゃないの」

肩を竦めて身を起こそうとする光の、手に収まりきらない胸の突起を指で撫でる。

「あっ」

不意打ちの刺激で光は甘い声を零した。

「…ここが敏感になったのも俺のせい?」
「は……、あ……あっ…」

ピクピクと刺激に身を震わせながら、光はどうしようもなく俺に身をゆだねる。

「そう…だよ…」
「そうだっけ?最初から感じてた気がするけど…」
「んっ……違う…もん…」

憎まれ口を叩きながらも反応は素直だ。

「一也さんが…慣れてたからでしょ」
「……え?何、どういう意味?」
「え…だから…一也さんが、その…上手だったから…」
「いつの話?」
「え?…高校の時の…始めてしたときのことでしょ?」

愛撫を中断し、思案する。な…慣れてたって?俺が?ちょっと待て、何か誤解されてるぞ。

「…慣れてるも何も、俺も初めてだったんだけど…」
「…え!?」
「え?なんだよ…」
「う…嘘でしょ?」
「何で嘘だよ。あの頃お前以外とそんなことしてると思ってたのか?」
「ちが…そうじゃなくて…私とそうなる前に、彼女とかいたのかなって…」
「思ってたの?」
「…違うんですか?」

思わずため息を吐く。そんな風に思ってたのかよ…全然気づかなかった。

「…俺、お前としか付き合ったことないし、お前としかしたことないんですけど…」
「…え…ほ、本当に?」
「本当。なに、そんなに良かった?」
「……。」

ニヤニヤして訊くと、光はちょっと俺を睨んではにかんだ。

「つーかなかなかショックなんだけど。何でそんな風に思ったの?」
「だって…女の子からすごく…モテてたし…。それに、アレ、持ってたから…」
「…アレ?」
「…ご、ゴム」

……あー。

「あれはたまたま持ってただけで…」
「…たまたま?」
「男は結構持ってるもんなんだよ。貰ったり、罰ゲームで買わされたり」
「…そうなんですか?」
「そーそー。」

ふうん…、と一応は納得したように呟く光。まぁ本当は、そんなこともあろうかと用意してたんだけど…。それは内緒にしておこう。

「それに男はいろいろ見てるからな。」
「いろいろ?」
「エロ本とかAVとか。」
「…一也さんも?」
「まーガキの頃は…でも、もうずっと見てない。見たいとも思わねーし」
「…どうして?」
「そりゃ…お前がいるのに、見る必要ないだろ。」
「……。」

光は頬を赤く染めて口を噤む。さらに追い打ちをかけてやれと、俺は言葉を続ける。

「それに俺、もうお前以外の女に興味ねーし…」
「え…?」

ちょっと開いた赤い唇に、唇を重ねる。ん…、と光の甘い吐息が漏れる。

「お前じゃないと…こんなふうにならないってこと。」
「あ…っ」

光の手をすくい取って、熱を持って硬くなった自身にあてがう。光はちょっと躊躇って、それからぽーっとした表情で、俺のを撫でる。

「…ごめん光。」

その姿を見ただけで、耐え難い熱が下腹部にこみ上げる。

「もう、挿れたい。」

そう告げると、光はそこからそっと手を離して、俺を迎えるように抱擁してきた。
光を抱いたまま手探りで下着を脱がせ、蜜が溢れだす花弁を撫で、その中に指を滑り込ませる。

「ん…」

光がくぐもった声を押し殺す。

「…声、めちゃエロい」
「…そういう事、言わないで…バカ」

その抗議の声すら甘く吐息交じりで、余計に俺の中の熱を煽るというのに。

「ここがいいんだよな?」
「あっ、だ、め…っ」

いわゆるGスポットだろう。ここを刺激すると、光の腰から一気に力が抜けて、俺にもたれかかってくる。

「…まっ、まって、ほんとっ…だめ、だから…」
「いいよ…イッて」
「だめ…だめぇ…」

ぎゅう、と俺にしがみつく細い腕に力が籠る。

「あ…っ!」

びくん、と華奢な体が跳ね、俺の指をきゅうっと締め付ける。あー、可愛い…。堪んねえ。

「も…ばか…」
「ばかばか言い過ぎ。良かっただろ?」
「……ばか」

照れ隠しであることはわかっている。俺はちょっと笑いをかみ殺して、ぐったりと力が抜けた光の体を横たわらせた。脚を開かせ、ゴムをつけたそれで花弁の淵をなぞる。蜜を塗り広げるように、溝を滑らせる。

「ん…」

光は息を荒げながら俺を見つめる。俺は光を見つめ返して、蜜に滑らせたその滑らかな流れのままに、花弁の間へと自身を沈み込ませた。

「あぁ…っ」

光が込み上げるような声を漏らす。これが挿ってくるって、どんな感覚なんだろ…って、それはお互い様か。

「まっ…まって……まだ、っ…だめ…」

先程の余韻を引きずる光はいつもより余裕が無く、そんな姿に俺も理性を失いかける。

「だめ、…だめ、ぇ…っあ、あっ…あぁっ」

すぐに絶頂を迎えて痙攣する熱を感じながら、俺は少し律動を緩めて、快楽に溺れてあえぐ光の手を絡め取る。痙攣が収まってきたのを見計らって、両手を繋いだまま、また律動を速めていく。休まることなく押し寄せる快楽の波に、光はまた喘ぎ声をあげて溺れていく。

「あぁっ、あっ…、いやっ…」

綺麗な髪を振り乱し、涙を滲ませてあえぐ光…。もっと…もっとめちゃくちゃにしたい。色んな顔を見たい…。
夢中で腰を振って、いつの間にか俺自身も快楽の海に溺れていく。体の相性がどうのこうの言ってる奴が時々いるけど、そういう意味では俺たち、そっちの相性も良かったってことなんだろうか。これ以上の快楽は想像できない。

「いや…っ、いやっ…あっ、あぁっ」

光は弱弱しく首を振って俺の手を握りしめ、されるがままに乱れる。もうそろそろ、また…。
その想像通り、光は中をヒクつかせて腰を浮かせ、絶頂を迎える。

「あ…、あっ…!」

その締め付けで俺も熱を吐き出す。ゆっくりと撫でつけるように律動を緩め、熱を吐き出し切ってから、しずかに自身を引き抜いた。名残惜し気に花弁とその中の熱は引き抜かれる俺のものをきゅうっと締め付け、震える。
ゴムを外して新しいものに代え、まだとろとろにとろけたままの花弁の中へと挿入する。

「や…!う…うそ、また…?」

光は余裕のない表情で足を閉じようとする。しかしもうそこは俺のものを深く飲み込んでいる。ヒクヒクと痙攣して俺を迎え入れた熱は、更に蜜を溢れさせている。

「せっかく明日休みだしさ…、まだ足りない。」
「わ、たし、もう…っ、は…っ、ダメ…っ」
「…3回イッたもんな。」
「言わない、でよ…っ、あっ…」

だけど…見てみたい。このまま、もっと感じ続けたら…光がどうなるのか。俺だけが見られる光を…。

「あぁっ…んんっ…んっ…」
「…声、隠すなよ」
「いや…っ」
「なんでまだ恥ずかしがるかな…もう何度もしてるのに」

ちょっと不満気に言うと、光は困ったように唇を噛む。…葛藤してる。恥ずかしくて声出したくないけど、俺のために我慢するかどうか…。あぁもう、本当可愛い。

「なぁ…聞かせて。」

こうなると、少し強請ればきっと…。

「…っ、ばか、ぁ…」

優しい光のことだから…応えてくれる。

「…あ…っ、あぁっあっ…」
「…可愛い」
「や…、ばか、ばか…っ、あ…ぁっ!」

4回目の絶頂。少し律動のペースを落とし、痙攣に合わせて腰を動かす。息を荒げ、胸を上下させながらも、汗ばむ肌をうねらせて快楽に浸る光。今の俺は、彼女の感じるところをたくさん知っている。どこをどんなふうにすれば、気持ちよくさせてあげられるのかを…。
光の反応が緩やかになってきたのを見て、まだ余韻の残る中に、再び快楽の波を打ち付ける。光はもう目を閉じて、ひたすらにあえいでいる。声を堪えることも、体を隠すことも忘れて、快楽の前に立ちはだかっていた羞恥心を放り出して…。

「あ…!あっ…あぁ…っあっ、あっ…あ…っ」

俺の律動に合わせて、光は甘い声を漏らす。枕に彼女と繋いだ両手を押し付けて、曝け出された柔らかな胸が揺れるのを眺める。片手を離して、その胸の蕾を転がす。光は肩を竦ませ、いっそ甘い声を上げる。それを見て、揉む片方の手でもうひとつの蕾も同時に刺激する。中の熱が締まる。光の声が上ずっていく。
…5回目の絶頂。さすがに、俺も果てる。光は息も絶え絶えに、うつろな瞳で俺を見上げる。痙攣の残る熱の中から、自身を引き抜く。ゴムを外し、俺を見つめたままの光に覆いかぶさる。光はもう何かを言う体力もなく、ぐったりと横たわっている。…その無防備な姿がまた煽情的で。曝け出されたままの二つの蕾を指で転がすと、光は跳ねるように顔を上げ、吐息を漏らした。
蕾に唇を寄せ、舌で転がす。もう一つの蕾は指で撫でながら、快楽に跳ねる光の身体を弄ぶ。

「ぁ…あ…!」

光が焦ったように足を閉じようとしたのを阻み、そこを見ると、とろり、と甘そうな蜜が流れ出るのを見つけた。

「すげえな…胸だけでこんなになっちゃうの?」
「いやぁ…」

光は顔を腕で覆い、足を閉じようとする。

「だめ。ほら…見せて」
「や…」
「嫌じゃないだろ。」

恥ずかしいだけで、俺との行為が好きなのはもうわかっている。おずおずと足を開く光を前に、俺はまた、ゴムをつける。蜜が流れるそこをなぞり、ゆっくりと焦らすように、挿入していく。熱と熱が擦れる。光が甘い吐息を漏らす。
俺は奥まで挿入すると、そのまま動かさずに胸の愛撫を続けた。光は俺をずっぽりと飲み込んだまま、胸の愛撫に身を震わせ、俺をヒクヒクと締め付ける。胸のどこで、どんなふうにすると、どのくらい感じるのか…やばいほどわかる。快楽がそのまま伝わってくるようで、俺は腹の底がむずがゆくなる。

「はぁ…、あぁ…っ…ん…、は…ぁぁ…」

ピクン、ピクッ、と俺のを締め付ける力が強くなっていき、声も次第に大きくなっていく。

「…ここだけでイッちゃう?」
「ん…んんう…」

光は否定なのか抵抗なのかわからないような首の振り方をして、それでも体は反応していて。蕾を舐め、転がしながら、俺はその反応を窺う。

「あ……ぁ…、あ…っ」

いよいよ光はもどかし気に眉を寄せ、足を閉じようともがき、シーツを握りしめる。俺は蕾の愛撫を続ける。淡々と、飴でも舐めるかのように、優しく一定の間隔で。

「…っあ…、はあ…っ…、あ…っ」

光の声が上ずり、少し大きく腰が浮き、中がきゅううっ、と俺を締め付けた。

「…っはぁ…あ…」

…6回目の絶頂。それも、胸だけで、俺を咥えこんだまま…。
光は顔を真っ赤にして背け、まだ荒い呼吸に喘ぐ。可愛い…可愛い光。もっと見たい。もっと…。
俺はゆっくりと腰を動かし始める。光の口から疲れ切った甘い声が漏れだす。こんなにイッたの、初めてなんじゃねぇかな…。さすがに疲れたか。可哀そうなことしたな…こんなにちゃんとできたの、久々だったから…抑えが利かなかった。…って、言い訳だな、これは。

「光…。」
「ん…、はぁ…っ、はぁ…っ」
「大丈夫か…?」

ゆるゆると首を横に振る光。ぐったりと目を閉じて、それでもうわ言のように喘いでいる。せめて…もっと気持ちよくしてあげたい。俺は少し腰の角度を変え、挿入を続ける。奥よりも少し手前の、内側…。光の一番感じるところ。

「あ…!」

光の声が変わった。上ずり、荒い喘ぎ声。シーツを握りしめる両手を絡めとり、再び繋ぐ。また、もうすぐ…絶頂だ。

「光…、もう…」
「あ…っ、あっ…あぁっ…!」

ほとんど同時に果てて、俺は力が抜けたように肘をつき、呼吸を整えながら光の肩口に項垂れる。光の汗ばむ首筋の甘い香りを感じながら、耳元に甘い呼吸を聴く。呼吸を落ち着かせてから自身をゆっくりと引き抜き、すっかり疲れ果てた光が力なく横たわっているのを眺める。

「…光、ごめん。無茶…させすぎたな」
「んん…」

力なく首を横に振って、儚くも美しい微笑を浮かべると、光は弱弱しく俺の頬を撫でた。

「いつも…私に合わせて、我慢してくれてるでしょ…」
「…そりゃ…無理させちまうし」

光はまた、ちょっと微笑を浮かべて首を横に振る。

「…いいの。言ったでしょ、もっと、好きにしていいって」
「だけど…」
「一也さんになら…何されても私、嬉しいんだよ」

その言葉に思わず目を瞬く。それから熱い気持ちがこみあげてきて、俺は危うく泣きそうになった。

「…そういう言葉、どこで覚えてくんの…」
「な、なにそれ。私は真面目に…」
「…ほんと、やばい。好きすぎて…おかしくなる」

光の肩口に顔を埋め、その小さな顔を抱きしめる。甘い香りが鼻腔をくすぐる。好きだ…本当に。俺、この子が。ずっとずっと…何があっても好きでいる確信がある。それほどまでに、俺の中の多くを、もう、光が占めている。

「…私だって」

光はぽつりと呟いて、俺の背中に腕を回した。それでまた、俺は胸に愛おしさが溢れるのだった。

 


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