うーん…早まったかな。
そりゃ、大喜びするとは思ってなかったけど…光、困惑してたみたいだった。光臣からも、光本人からもよく聞いて、母親に対しては良い感情を抱いてると思ったから、きっと少しは喜んでくれるんじゃないかと思ったんだけど…。
出しゃばりすぎたかなー。うーん…。

ホテルで一人、椅子に腰かけ頭を抱える。光は風呂だ。
帰ってきてからアイツ、妙に静かだし…落ち込ませちゃったかな。せっかくの新婚旅行なのに。あー…俺、あいつのこと何にもわかってない。あーあ、どうしよ…。

「一也さん。」

ドアが開いて、風呂上りの光がバスローブ姿でやってくる。うわ、色っぽい…って、違うだろバカ。そんな状況じゃねーって。

「お風呂空きました。」
「あぁ、うん…。」

空返事をして立ちあがり、さっさとシャワーを浴びた。シャワー中も考えるのは光のこと。やっぱり余計なことしちまった…んだよな。…謝っとくか?いや…でもな、そういう問題じゃなさそう。
シャワーを浴びて歯も磨き、髪を乾かして、もう寝るだけという状態になり、俺もバスローブを羽織って部屋に戻った。
さて…新婚旅行の夜と言えば…アレだけど。この状況で、誘ってもいいものか…。
悶々としながら部屋に入ると、光葉ドレッサーの前で髪を梳かしていて、俺に気が付くと立ち上がって頬をほころばせた。あれ…なんか機嫌良い?

「かっこいい…」
「え?」
「バスローブ姿。かっこよすぎます…ねえ、ちょっとこっちに立ってみてください。」
「お…おぉ」

手を引っ張られて部屋の真ん中に立たされ、思う存分見つめられ、こっぱずかしくなって苦笑いする。

「…なんなの?」
「え?」

光はにやけきった頬を両手で包んだまま俺を見上げる。

「いや、え?じゃなくてさ。この状況は何なんだよ。」
「だってかっこいいんだもん…」
「…なんだそれ。」
「ほんとはもっといろいろしたいけど、我慢して見るだけにしてるんです。」
「……なんだそれ。」
「2回言った!私真面目に言ってるんですけど?」

俺は変な笑いを零す。それもそうだ。なんだよ、色々したいって。色々したいのはこっちだっつーの。

「じゃあそのいろいろをしてみてよ。」
「…え?」
「好きにしていいから。ほれ、遠慮せず」

ぱっと腕を広げて立つと、光はちょっと動揺したように俺を見上げた。…あー可愛い。このまま逆に俺が押し倒すか…
そう考え始めた時、光は俺の前にやってきて、胸に手を置き、ちょっと背伸びをして顔を近づけてきた。

「…ちょっと屈んでください。」

そう恥ずかしそうに言う光に頬をゆるませながら、少しかがみこむ。すると光は気を取り直したように俺の首に抱き着くように腕を回し、唇を重ねてきた。柔らかな唇がゆっくりと俺の唇を食む。もう、何度もキスされてるけど…光が俺に対してキスしたいって思ってるんだと思うと、どうしようもなく可愛い。
光は愛くるしくも目を閉じてうっとりと長いキスをして、すっかり頬が紅潮した後、唇を離した。

「…これでおわり?」

そう意地悪く尋ねると、光はもどかしそうに唇を舐めて、俺の身体をちょっと押す。

「そこ、座ってください…。」
「?…おう」

すぐ後ろの椅子に座らされる。さて、何されるんだか…。ちょっと楽しいけど、もどかしい。目の前のバスローブ姿の光…早く脱がせて、押し倒して…抱きたい。
そんなことを考えている俺を、光はなにやら真剣な顔で座らせて、自分は俺の足元に膝をついて屈んだ。

「?なにする…」

そう言いかけた俺のバスローブをゆっくりと脱がす光。…積極的だな。
そして俺を見上げてニコリと微笑むと、下着越しに膨らみに手を添える。…昔は見るのも恥ずかしがってたのに。そう思いだして、俺は思わず口元が緩む。昔の、何をしても戸惑って恥ずかしがってた光と、今の…時々こうして大胆に誘惑して俺を求める光…。どっちも可愛くて、すごくそそる。
光はしばらく俺のソレを下着越しに撫でていたが、ふとまた俺を見上げてからかうように微笑んだ。

「…硬くなってきた。」

ちょっと嬉しそうなその微笑みに、ムラッ、と胸の奥がうずく。そんな俺に気付いているのかいないのか、光は俺の下着をずらし、ソレを取り出すと、優しく手で包んだ。じっと見つめるキラキラした瞳…。

「…見すぎ。」

そうからかうつもりで言ったのに、光は赤らめた顔に微笑みを浮かべて俺を見る。

「一也さんだっていつも見てるでしょ。…今日は私の番。」

…そういうつもりだったのか。確かに…こんな風にまじまじと観察されるのは恥ずかしい。けど…やっぱりムラムラする。

「…見てるだけなのに硬くなってきましたよ?」
「なぁ…そういう言葉攻め、どこで覚えてくんの?」
「一也さんですよ。」
「……。」

…確かに俺、似たようなこと言ってるかも。こんな風に返ってくるとは…。

「ふふ…」

光は楽しげに笑って、ゆっくりと手を動かし始める。硬く、大きくなっていくのを楽しむように、じっと見つめながら…。…このプレイ、ヤバイって。
決して急がず、ゆっくりと焦らすように撫でるだけの軽い刺激が、俺の腹の底をくすぐるように煽り続ける。…あー、押し倒したい。ムラムラと焦れながら光を見つめていると、光はそっと頬ずりするみたいに、それに唇を近づけた。そして、あまりにも愛おしそうにソレに優しいキスをするものだから、俺はもう…限界が来てしまった。

「…きゃ…っ」

光に覆いかぶさるようにベッドに押し倒す。ふたつの宝石みたいな大きな瞳が、うるんで俺を見上げている。

「わりー…もう限界。」
「……。」

その瞳が熱をはらんで細まったのを合図に、光のバスローブをはだけさせる。胸の蕾を舐めながら、すでに蜜が溢れている花弁に手を添える。

「あっ…、あ…。」

蕾を刺激するたびに花弁がひくつき、簡単に滑り込んだ俺の指を締め付ける。

「…もう、すげえ濡れてる」

俺のを舐めてただけなのに…。

「だって…一也さん、可愛いんだもん…」

可愛いとか…どの口が言ってんだよ。

「…お前の方が可愛いんだけど?」
「あん…っ」

蕾の刺激に身をよじらせて光は声を漏らす。俺を求めて手を伸ばし、全身全霊で愛おしそうにしがみついて…。

「…光。」

その耳元で、俺は、本当に心からその言葉をささやいた。

「俺たちの…子供、そろそろ作ろうか?」

ぎゅう、と俺を抱きしめていた光の腕が、ふっと力を緩めた。

「…光?」

少し身を起こして彼女の顔を見ると、彼女はちょっと目を伏せていて、思いつめたように言った。

「…私は…」
「うん?」
「…まだ、ふたりでいたい…かも」

そう呟く光に、何か気がかりがあるのだろうことはすぐにわかった。それがおそらく、今日母親の家に行ったことが、少なくとも理由の一つなのだろうという事も…。

「ごめんなさい…」

水を差してしまったとばかりにバツが悪そうに呟く光の頬を撫でる。

「いいんだよ、気にするな。こういうことはお互い、心の準備ができてからじゃねーとな…」
「……。」
「じゃあ、今日はゴムつけるよ。」

ちょっとごめん、と身を離し、ゴムを取り出して素早く取り付け、また光に覆いかぶさる。

「…一也さん…。」
「ん?」

入口にあてがって、甘い響きで名前を呼ばれ、俺は彼女の顔を見る。

「…好き…。」

そう感極まったように呟く愛おしい彼女に、口づけを返しながら。
俺は、深く深く、身を沈めた。

 


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