227
「光が髪縛ってるの珍しいね〜」
音楽室へ向かう途中、牧瀬が言って、光は一つに縛っている亜麻色の髪に指を通した。
「今日暑いから…」
「似合う〜!可愛い!」
「…ありがと」
「何その疑いの目!本当なのに〜」
さらりと揺れるポニーテール。ふわりと甘い香りが漂ってきた。
か…可愛い。普段と雰囲気が変わって…これはこれで、いい。
ふわふわ、さらさら。ポニーテールが揺れている。柔らかそうだな…めちゃくちゃいいにおいしそう…って、俺、なんか変態みたい…。
「おっ、ポニテじゃん!」
さらさらの髪をぺろんと捲った手。髪を押さえ、振り向く玉城。
「かーわい〜」
「……。」
からかうように笑う御幸先輩、むっと睨む玉城。
「はっはっは!氷の眼差し!なんだよ褒めてんのに〜」
「せんぱ〜い、だめですよぉ女子の髪触っちゃ〜」
「なんで?」
「セクハラでーす」
牧瀬の言葉にちょっと慌てる御幸先輩。
「いや別にそーいうんじゃ…」
「…変態。」
ここぞとばかりにとどめを刺す玉城。うっ…、と御幸先輩の顔が少し赤くなる。
「セクハラ。」
「……。」
「痴漢。」
「……。」
「メガネ。」
「…倉持助けて!!」
「全部当たってんじゃねーか」
退散する御幸先輩とそれを追いかけていく倉持先輩をちらりと見送って、玉城はまた歩き出す。
「も〜…うっとうしい」
「へえ?実は嬉しいくせに〜」
「…それはない」
毎日、そういう光景があった。そんな二人の噂が広まるのはあっという間で、俺は…。彼女の隣にいたはずなのに、いつの間にか…あの二人を遠くから見ている、大勢の一人になっていた。
***
「うわっ、御幸が潰れた!」
離れた席からそんな声が聞こえて、何人かが興味を引かれて振り返った。
「御幸が?めずらし〜」
「こいつすきっ腹で飲んだんすよ」
物珍しそうに見物に行く小湊先輩、呆れた顔で介抱する倉持先輩。
「俺タクシーで送りますよ。」
倉持先輩がそう言って、御幸先輩の荷物を持ったところで、小湊先輩がその荷物を奪った。
「まあ待てよ、光ちゃん呼ぼう。」
「え!?…いや、寝てるんじゃないっすかね…」
「電話してみればわかるよ」
小湊先輩が御幸先輩のスマホを操作して、伊佐敷先輩の耳に押し当てる。
「純よろしく。」
「はあっ!?なんで俺…」
怒鳴り声を上げかけて、ぐっと息をのむ伊佐敷先輩。その様子で、光が電話に出たのだろうと思った。
「…あっ、どうも!伊佐敷と申します…」
小湊先輩が笑いを堪えていて、倉持先輩はハラハラと見守っている。
「いやっ、えっと…、御幸がですね、飲み過ぎて潰れちまって…、えっ?あぁいやいや、すんません…」
「なんで純が謝ってるんだよ。」
「うるせえ…!…あ、いえ!すんません!…あ、そっすか、はい、はい!お願いします…」
電話を切り、ギッと小湊先輩を睨む伊佐敷先輩。
「光ちゃんはなんて?」
悪びれない様子で尋ねる小湊先輩。
「迎えに来るってよ!」
「まじ?やったね御幸。光ちゃんが来るってよ。」
「……ええ…?」
御幸先輩は耳に入っているのかいないのか、おぼろげに呟く。
「東条…、」
信二が物言いたげに俺を見た。大丈夫だというように、俺は先輩たちに背を向けて座り直し、ジョッキを傾けた。
10分ほど経ったかという頃、宴会室の引き戸が開いて、全員が振り向いた。そこにいた光は珍しく、ロングパーカーにレギンス、黒いキャップを被って、髪をゆるくまとめていて、地味な装いだった。それなのに、そのスタイルの良さははっきりとわかって、ラフな格好がかえって無防備な色気を醸し出していて、皆息をのんだ。
「あの…、すみません、一也さんを迎えに…」
そう言いかけた光を、倉持先輩が手招きする。
「ここだよ。」
「あ…。」
倉持先輩の所へ歩いて行く光。悪いな、と声をかける倉持先輩に、こちらこそ、とほほ笑む。
「一也さん。…大丈夫?」
横たわっている御幸先輩の肩をそっと撫で、顔を覗き込む。や、優しい…。別の先輩が潰れた時、お嫁さんに引き取りに来てもらったら、蹴り起こされてたことあったな…。
「そんなんじゃ御幸起きないよ。もっとこう…」
面白くなかったのか、小湊先輩がうきうきと雑誌を丸めながら立ち上がる。しかしそのとき、御幸先輩が身じろぎした。
「ん……、…あれ…光?」
「迎えに来たよ。帰ろう?」
「…光〜…」
ぎゅう、と光の膝の上に俯せて、腰に抱き着く御幸先輩。一瞬手を止めた小湊先輩が、一気に距離を詰めて、御幸先輩の後頭部をスパンと叩いた。
「いっ……て〜」
「俺たちの前でいちゃつかないでくれる?」
「え、あれ…、…あれ??」
御幸先輩はようやくここがどこかを思い出した様子で慌てはじめる。
「え…なんで光がいるの?」
「お前が潰れたから迎えに来たんだろーが」
倉持先輩の回答を聞いて青ざめる御幸先輩。
「…ごめん……っ!!!」
「え…、いや、大丈夫だけど…」
光の手を取って深く謝り、光は苦笑いで答える。
「歩ける?大丈夫?」
「へ…平気平気」
ふらつく御幸先輩を光が支え、ふたりは部屋を出て行った。
「…ほんっとベタ惚れって感じだな〜」
「見てるこっちが恥ずかしい…」
「あーあ、動画撮れば良かった。しばらく御幸をパシりにできたかもしれないのに」
「ヒャハハ、亮さんらしいっすね」
先輩たちがさっそく酒の肴にし始めて、倉持先輩もその中で笑っていて…。どうして、と思う。俺は…そんな風に笑ってあの二人の話を聞けない。
「あ、おい。これ御幸のじゃね?」
伊佐敷先輩が帽子をひらひらと振って見せる。
「忘れて行ったみたいだね。まだ外にいるんじゃない?」
「…ったく、しょうがねえな〜〜…」
「お…俺、届けてきます。」
手を挙げて立ち上がる。信二がぎょっとした顔で俺を見上げた。それから逃れるように、伊佐敷先輩の所へ行って帽子を受け取り、部屋を出る。なんで名乗りを上げてしまったのか…自分でもわからない。
「おいっ…東条!」
信二が俺を追いかけて部屋を出てきた。
「お前何考えてんだよ!?わざわざ自分から接点持つことねーだろ…!」
「大丈夫だよ、これ渡すだけだし」
「だからってお前が行くこと…」
信二は言葉に詰まり、ぐっと唸った。
「…俺も一緒に行く。」
「え?平気だよ別に…」
「いいから!」
信二に押されるようにして階段を降り、店の入り口に向かう。もう外に出てしまったかと急いで階段を降りたけど、途中の踊り場にふたりはいた。
「う〜…きもちわりい…」
「大丈夫?」
「眠い…」
「もう少しだから、頑張って…」
御幸先輩を支える光の白いうなじに、ごつごつした大きな手が添えられる。そして、そのまま小さな頭を撫でて、指先が黒いキャップの端を弾いた。
御幸先輩が、覗き込むように首を傾げ、光の小さな、赤い唇を食む。黒いキャップのつばがぶつかり、外れて落ちて、光の亜麻色の髪がふわりと舞うように流れ落ちた。
「…ん」
「…か、かずやさ…、ここ、おみせ…」
まるで光のことを食べてしまうんじゃないかというくらい、御幸先輩は光の頬を両手で包んで、髪をめちゃくちゃに指に絡ませて、いとおしげに、もどかしげに、濃厚なキスをする。
ちゅ…、と甘い音が耳の奥にこびりついた。光の熱い吐息も、御幸先輩の荒い呼吸も。
「…だめ…だってば」
「んん…なんで…」
「ここ、おみせだから…」
御幸先輩を押し返し、その唇を親指で拭う光。
「も〜…口紅付いちゃったよ…」
「…んー…」
「お酒くさいし…」
「…ごめん」
「……。」
「……。」
信二と二人、立ち尽くして、かける言葉も見つからず呆然としていた。
「じゃあ…早く帰ろ」
「あ、待って、帽子が…」
光が振り返って、びくりと立ちすくむ。足元に落ちた黒いキャップを拾った光が、息を飲んで、驚いた顔で俺たちを見上げた。
「え…、」
「……。」
「……。」
じんわりと顔を赤くする光。俺も信二も…きっと、顔は真っ赤だ。
「…これ、御幸先輩の、帽子…」
俺の手から帽子を奪い取って、光に差し出す信二。
「あ…、ありがとう…」
光が受け取ると、信二は俺の肩を叩き、行くぞ、と呟く。
「おい、東条。」
しかし、低い声が俺を引き留めた。御幸先輩は光を抱き寄せて、俺を睨んだ。
「奪おうとか…思いあがってんじゃねーぞ」
言葉を失った。奪えるなんて…思っていない。でも、確かに、彼女の傍に居場所を探していた…。だけど、じゃあ、どうして…倉持先輩は許されるんだ?
御幸先輩は光の肩を抱いて階段を下りていく。
俺は、何かを言い返すことも…言い訳さえも、思いつかなかった。
音楽室へ向かう途中、牧瀬が言って、光は一つに縛っている亜麻色の髪に指を通した。
「今日暑いから…」
「似合う〜!可愛い!」
「…ありがと」
「何その疑いの目!本当なのに〜」
さらりと揺れるポニーテール。ふわりと甘い香りが漂ってきた。
か…可愛い。普段と雰囲気が変わって…これはこれで、いい。
ふわふわ、さらさら。ポニーテールが揺れている。柔らかそうだな…めちゃくちゃいいにおいしそう…って、俺、なんか変態みたい…。
「おっ、ポニテじゃん!」
さらさらの髪をぺろんと捲った手。髪を押さえ、振り向く玉城。
「かーわい〜」
「……。」
からかうように笑う御幸先輩、むっと睨む玉城。
「はっはっは!氷の眼差し!なんだよ褒めてんのに〜」
「せんぱ〜い、だめですよぉ女子の髪触っちゃ〜」
「なんで?」
「セクハラでーす」
牧瀬の言葉にちょっと慌てる御幸先輩。
「いや別にそーいうんじゃ…」
「…変態。」
ここぞとばかりにとどめを刺す玉城。うっ…、と御幸先輩の顔が少し赤くなる。
「セクハラ。」
「……。」
「痴漢。」
「……。」
「メガネ。」
「…倉持助けて!!」
「全部当たってんじゃねーか」
退散する御幸先輩とそれを追いかけていく倉持先輩をちらりと見送って、玉城はまた歩き出す。
「も〜…うっとうしい」
「へえ?実は嬉しいくせに〜」
「…それはない」
毎日、そういう光景があった。そんな二人の噂が広まるのはあっという間で、俺は…。彼女の隣にいたはずなのに、いつの間にか…あの二人を遠くから見ている、大勢の一人になっていた。
***
「うわっ、御幸が潰れた!」
離れた席からそんな声が聞こえて、何人かが興味を引かれて振り返った。
「御幸が?めずらし〜」
「こいつすきっ腹で飲んだんすよ」
物珍しそうに見物に行く小湊先輩、呆れた顔で介抱する倉持先輩。
「俺タクシーで送りますよ。」
倉持先輩がそう言って、御幸先輩の荷物を持ったところで、小湊先輩がその荷物を奪った。
「まあ待てよ、光ちゃん呼ぼう。」
「え!?…いや、寝てるんじゃないっすかね…」
「電話してみればわかるよ」
小湊先輩が御幸先輩のスマホを操作して、伊佐敷先輩の耳に押し当てる。
「純よろしく。」
「はあっ!?なんで俺…」
怒鳴り声を上げかけて、ぐっと息をのむ伊佐敷先輩。その様子で、光が電話に出たのだろうと思った。
「…あっ、どうも!伊佐敷と申します…」
小湊先輩が笑いを堪えていて、倉持先輩はハラハラと見守っている。
「いやっ、えっと…、御幸がですね、飲み過ぎて潰れちまって…、えっ?あぁいやいや、すんません…」
「なんで純が謝ってるんだよ。」
「うるせえ…!…あ、いえ!すんません!…あ、そっすか、はい、はい!お願いします…」
電話を切り、ギッと小湊先輩を睨む伊佐敷先輩。
「光ちゃんはなんて?」
悪びれない様子で尋ねる小湊先輩。
「迎えに来るってよ!」
「まじ?やったね御幸。光ちゃんが来るってよ。」
「……ええ…?」
御幸先輩は耳に入っているのかいないのか、おぼろげに呟く。
「東条…、」
信二が物言いたげに俺を見た。大丈夫だというように、俺は先輩たちに背を向けて座り直し、ジョッキを傾けた。
10分ほど経ったかという頃、宴会室の引き戸が開いて、全員が振り向いた。そこにいた光は珍しく、ロングパーカーにレギンス、黒いキャップを被って、髪をゆるくまとめていて、地味な装いだった。それなのに、そのスタイルの良さははっきりとわかって、ラフな格好がかえって無防備な色気を醸し出していて、皆息をのんだ。
「あの…、すみません、一也さんを迎えに…」
そう言いかけた光を、倉持先輩が手招きする。
「ここだよ。」
「あ…。」
倉持先輩の所へ歩いて行く光。悪いな、と声をかける倉持先輩に、こちらこそ、とほほ笑む。
「一也さん。…大丈夫?」
横たわっている御幸先輩の肩をそっと撫で、顔を覗き込む。や、優しい…。別の先輩が潰れた時、お嫁さんに引き取りに来てもらったら、蹴り起こされてたことあったな…。
「そんなんじゃ御幸起きないよ。もっとこう…」
面白くなかったのか、小湊先輩がうきうきと雑誌を丸めながら立ち上がる。しかしそのとき、御幸先輩が身じろぎした。
「ん……、…あれ…光?」
「迎えに来たよ。帰ろう?」
「…光〜…」
ぎゅう、と光の膝の上に俯せて、腰に抱き着く御幸先輩。一瞬手を止めた小湊先輩が、一気に距離を詰めて、御幸先輩の後頭部をスパンと叩いた。
「いっ……て〜」
「俺たちの前でいちゃつかないでくれる?」
「え、あれ…、…あれ??」
御幸先輩はようやくここがどこかを思い出した様子で慌てはじめる。
「え…なんで光がいるの?」
「お前が潰れたから迎えに来たんだろーが」
倉持先輩の回答を聞いて青ざめる御幸先輩。
「…ごめん……っ!!!」
「え…、いや、大丈夫だけど…」
光の手を取って深く謝り、光は苦笑いで答える。
「歩ける?大丈夫?」
「へ…平気平気」
ふらつく御幸先輩を光が支え、ふたりは部屋を出て行った。
「…ほんっとベタ惚れって感じだな〜」
「見てるこっちが恥ずかしい…」
「あーあ、動画撮れば良かった。しばらく御幸をパシりにできたかもしれないのに」
「ヒャハハ、亮さんらしいっすね」
先輩たちがさっそく酒の肴にし始めて、倉持先輩もその中で笑っていて…。どうして、と思う。俺は…そんな風に笑ってあの二人の話を聞けない。
「あ、おい。これ御幸のじゃね?」
伊佐敷先輩が帽子をひらひらと振って見せる。
「忘れて行ったみたいだね。まだ外にいるんじゃない?」
「…ったく、しょうがねえな〜〜…」
「お…俺、届けてきます。」
手を挙げて立ち上がる。信二がぎょっとした顔で俺を見上げた。それから逃れるように、伊佐敷先輩の所へ行って帽子を受け取り、部屋を出る。なんで名乗りを上げてしまったのか…自分でもわからない。
「おいっ…東条!」
信二が俺を追いかけて部屋を出てきた。
「お前何考えてんだよ!?わざわざ自分から接点持つことねーだろ…!」
「大丈夫だよ、これ渡すだけだし」
「だからってお前が行くこと…」
信二は言葉に詰まり、ぐっと唸った。
「…俺も一緒に行く。」
「え?平気だよ別に…」
「いいから!」
信二に押されるようにして階段を降り、店の入り口に向かう。もう外に出てしまったかと急いで階段を降りたけど、途中の踊り場にふたりはいた。
「う〜…きもちわりい…」
「大丈夫?」
「眠い…」
「もう少しだから、頑張って…」
御幸先輩を支える光の白いうなじに、ごつごつした大きな手が添えられる。そして、そのまま小さな頭を撫でて、指先が黒いキャップの端を弾いた。
御幸先輩が、覗き込むように首を傾げ、光の小さな、赤い唇を食む。黒いキャップのつばがぶつかり、外れて落ちて、光の亜麻色の髪がふわりと舞うように流れ落ちた。
「…ん」
「…か、かずやさ…、ここ、おみせ…」
まるで光のことを食べてしまうんじゃないかというくらい、御幸先輩は光の頬を両手で包んで、髪をめちゃくちゃに指に絡ませて、いとおしげに、もどかしげに、濃厚なキスをする。
ちゅ…、と甘い音が耳の奥にこびりついた。光の熱い吐息も、御幸先輩の荒い呼吸も。
「…だめ…だってば」
「んん…なんで…」
「ここ、おみせだから…」
御幸先輩を押し返し、その唇を親指で拭う光。
「も〜…口紅付いちゃったよ…」
「…んー…」
「お酒くさいし…」
「…ごめん」
「……。」
「……。」
信二と二人、立ち尽くして、かける言葉も見つからず呆然としていた。
「じゃあ…早く帰ろ」
「あ、待って、帽子が…」
光が振り返って、びくりと立ちすくむ。足元に落ちた黒いキャップを拾った光が、息を飲んで、驚いた顔で俺たちを見上げた。
「え…、」
「……。」
「……。」
じんわりと顔を赤くする光。俺も信二も…きっと、顔は真っ赤だ。
「…これ、御幸先輩の、帽子…」
俺の手から帽子を奪い取って、光に差し出す信二。
「あ…、ありがとう…」
光が受け取ると、信二は俺の肩を叩き、行くぞ、と呟く。
「おい、東条。」
しかし、低い声が俺を引き留めた。御幸先輩は光を抱き寄せて、俺を睨んだ。
「奪おうとか…思いあがってんじゃねーぞ」
言葉を失った。奪えるなんて…思っていない。でも、確かに、彼女の傍に居場所を探していた…。だけど、じゃあ、どうして…倉持先輩は許されるんだ?
御幸先輩は光の肩を抱いて階段を下りていく。
俺は、何かを言い返すことも…言い訳さえも、思いつかなかった。