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「そして今日のゲストはヴィーナ専属モデルの木崎えみちゃんでーす!」
「よ、よろしくお願いします…。」
白いワンピース姿で長い髪をふわふわに巻き、薄いピンク系のメイクをしたえみが登場すると、わっと拍手が起こった。テレビなんて単純なもんで、話題を呼んでいる芸能人を片っ端から呼びつける。身も蓋もないけど、俺との交際報道で注目が集まっているえみは、最近よくバラエティに呼ばれるのだった。
えみは多分、バラエティとかあまり得意じゃないと思うけど…まぁ、仕事だし本人も頑張ってるし、見守っている。
そういや光も、御幸との同棲報道が出たあとからやたらバラエティに出てたっけ。結婚公表の後も。まあ、そうじゃなくとも普段からそこそこテレビには出てたけど…。
「木崎さんと言えばやっぱり最近の!」
「同棲報道ですよね〜!」
「…あ…あはは…。」
「意外だったな〜木崎さんみたいなふわふわ〜っとした子がああいう…ねぇ!?」
「倉持選手ちょっと強面ですもんね!?」
「木崎さんああいうタイプが好きなの?」
ひ、人の顔のことを好き勝手言いやがって。ほっとけよ…。
質問されたえみは身構えて顔を赤くし、もじもじと頷いた。
「か…かっこいい…と思います…。」
「…おお〜〜〜!?ラブラブだなぁ!?」
「……。」
……なんかすげぇ恥ずかしい…。御幸もこんな気持ちだったのかな。
「普段二人で過ごしてるときはどんな感じなんですか?」
「倉持選手と言えば、後輩にプロレス技をかけることで有名ですが!」
「沢村選手はよくサンドバッグにされる〜なんて言ってますよねぇ!」
「家でも倉持選手はあんな感じでオラオラしてるんです?」
「え、いえ…えっと…。」
えみはまた、じわじわ顔を赤くして、はにかみながら精一杯答えた。
「や…優しい…です、とても…。」
「…へぇ!?」
「倉持選手がやさしい!?」
「や、優しいです…!今まで出会った人の中で、一番…!」
「…へぇ〜…?」
「…あの…や 優しい…です…。」
からかわれてつい強く言い返して、えみははっと我に返ったようにまた赤くなって俯いた。
「…アツアツだな〜!」
「でも意外な組み合わせですからね〜!ファンも皆気になってると思いますよ!」
「……。」
それからえみは恥ずかしそうに、いつもみたいにもじもじはにかみながら、赤面しながら…頑張って笑っていた。
【朗報】木崎えみ、倉持にべた惚れwwwww
001:木崎えみ顔真っ赤じゃねーかwww
002:可愛く思えてきた
003:>002 もともと可愛い
004:倉持が騙されてるわけじゃなさそうで安心したは
005:まさか純愛だったとは
006:倉持モテるんだな
007:倉持を選ぶあたりこの子いい子そう
008:わかる、御幸好きな女とか玉城光レベルでもないと顔目当てだろって感じだよな
009:実際御幸ファンの女はにわか
010:倉持ファンが通みたいな言い方はやめろ
011:意外と奥手そうで素直でいい子じゃないか
012:いい子つかまえたな倉持 玉城光追っかけてた頃はどうなるかと思ったけど
013:倉持も結婚かぁ
014:>013 まだだぞ
015:まあ倉持も案外気が回るタイプだし良い組み合わせなんじゃね?
「いただきます。」
「ど、どうぞ…。」
ごくり…、と緊張した面持ちで、俺が一口目を食すのを見守るえみ。
「……。」
「……。」
箸を止めてその目を見つめ返してみると、えみの顔はすぐに真っ赤になった。
「…な、何ですか…?」
「いやスゲー見てるから。」
「あ…。……。」
無意識だったのかよ。やっぱ、無自覚のうちに気を張ってんのかな…。御幸の言う通り、時間が解決するもんかもしれねーけど…。
「えみも早く食えよ。」
「う、うん…。」
「……。」
「……。」
頷いてサラダを食べ始めるえみ。しかし俺が味噌汁を飲むと、やはり気がかりな様子で俺の表情を窺った。
「…んな心配しなくても、いつも美味いから大丈夫だって…」
「え…。」
またえみの顔が赤くなる。ホントすぐ赤くなるな。
「…そういやさ、うちのお袋が…えみに会わせろってうるせえんだけど…」
「…あ…、……。」
「今度の日曜とか…予定空いてる?」
「……。」
…こくこく、と赤い顔で頷くえみ。こっちまでこっぱずかしい。彼女を親に紹介とか…俺にもこんな日が来るなんて。
「…つーか、えみの親は?」
「え?」
「そういや俺挨拶もせずに同棲とか…」
「だっ大丈夫です!」
「そ、そお…?」
こくこくこく、えみは力いっぱい頷いた。
ほんとかぁ…?親、心配してんじゃねーのかなぁ…。えみは普通に、大事に育てられてきた女の子って感じだし…えみの親からしたら俺、どこの馬の骨かわからん柄の悪い野球選手…って感じだろうし…。自分の見た目のウケが、初対面の人にあまりよろしくないことは自覚している。
夕食を食べ終え、俺が風呂から出ると、リビングにえみはいなかった。なんとなく姿を探してベランダを見、人気がないことを確認すると、寝室のドアに手をかけようとして――
「…はい、大丈夫です。最近は…洋一さん、よく笑ってくれてて」
えみの声がして、俺はつい息をひそめた。電話か…?誰と話してるんだろう。よく牧瀬に相談しているようだし、牧瀬かな?それにしても俺の話…。…こっぱずかしい。
「そ…そうかな…。そうだと、嬉しいんですけど…。」
「今度…洋一さんのお母さんと、会うことになって…。」
「…緊張するけど…。…嬉しくて…。」
……えみは本当に、俺を真っすぐに、ずっと…好きでいてくれる。どうしてなのか未だによくわからないけど。俺よりいい男はそこら中にいるのに、なんて…。
「ごはんも、美味しいって…。先輩に…教えてもらったおかげです…。」
…ん?牧瀬がえみに料理を…?いや、まさかな。料理してるとこなんて見たことも聞いたこともねーし。
……じゃあ、電話の相手は……。
「私…もう、諦めかけてたのに…。絶対あきらめちゃダメだって…先輩、言ってくれたじゃないですか。」
「あの日…連絡してみたらって…先輩が言ってくれなかったら…」
「きっと…今頃、洋一さんとは……。」
「だから……。全部、光先輩のおかげです…。」
…頭が真っ白になった。
……光が?えみに…俺に、連絡しろって…?
あの日…光にフラれて日本に戻った時、えみからきたあのメールは…光がそう勧めたから?
「そ、そんなことないです。ふふ…」
えみが嬉しそうに笑いだしたのを背に、俺はフラフラとリビングに戻って、どさっとソファに座り込んだ。
…あの…夜の、言葉は…。俺に光を諦めさせて、えみと…うまくいかせるため?
でも、なんのために?えみのため?俺のため?自分自身の…光自身のため?
「あ…。」
えみが電話を終えたらしく寝室から出てきて、俺に気が付くと微笑んだ。
「洋一さん、今、光先輩と話してたんですけど…。」
躊躇なく光の話題を振るえみに一瞬ぎくりとしたけど、えみは俺と光のことを知らないんだから当たり前だろう、と思い直し、平静を装って相槌を打つ。
「明日から1週間、CMの撮影で日本に来るって…。」
「え?」
嬉しそうにそう言ったえみは、俺が驚いたことに目を丸くして、俺は反応が大きすぎたと苦い気持ちになって、咄嗟に、ふうん、と濁した。
「それで、ちょっと土曜日会うことになって。」
「…そーなんだ。」
「はい。」
「…一人で?来んの?」
「え?そうだと思いますけど…」
…そりゃそーか。御幸は練習があるだろうしな…。
「なので、あの……。」
「あー、メシ?いいよ気にしなくて」
えみは遠慮がちに、だけどえへへとはにかんだ。
少しずつだけど、お互いの距離感を確立できている。前よりは俺も、えみと過ごしていて気が楽だし…。
時間が解決する、という御幸の言葉は、やっぱり正しいのだろう。
…明日は沢村んとこにでも行くか。
「よ、よろしくお願いします…。」
白いワンピース姿で長い髪をふわふわに巻き、薄いピンク系のメイクをしたえみが登場すると、わっと拍手が起こった。テレビなんて単純なもんで、話題を呼んでいる芸能人を片っ端から呼びつける。身も蓋もないけど、俺との交際報道で注目が集まっているえみは、最近よくバラエティに呼ばれるのだった。
えみは多分、バラエティとかあまり得意じゃないと思うけど…まぁ、仕事だし本人も頑張ってるし、見守っている。
そういや光も、御幸との同棲報道が出たあとからやたらバラエティに出てたっけ。結婚公表の後も。まあ、そうじゃなくとも普段からそこそこテレビには出てたけど…。
「木崎さんと言えばやっぱり最近の!」
「同棲報道ですよね〜!」
「…あ…あはは…。」
「意外だったな〜木崎さんみたいなふわふわ〜っとした子がああいう…ねぇ!?」
「倉持選手ちょっと強面ですもんね!?」
「木崎さんああいうタイプが好きなの?」
ひ、人の顔のことを好き勝手言いやがって。ほっとけよ…。
質問されたえみは身構えて顔を赤くし、もじもじと頷いた。
「か…かっこいい…と思います…。」
「…おお〜〜〜!?ラブラブだなぁ!?」
「……。」
……なんかすげぇ恥ずかしい…。御幸もこんな気持ちだったのかな。
「普段二人で過ごしてるときはどんな感じなんですか?」
「倉持選手と言えば、後輩にプロレス技をかけることで有名ですが!」
「沢村選手はよくサンドバッグにされる〜なんて言ってますよねぇ!」
「家でも倉持選手はあんな感じでオラオラしてるんです?」
「え、いえ…えっと…。」
えみはまた、じわじわ顔を赤くして、はにかみながら精一杯答えた。
「や…優しい…です、とても…。」
「…へぇ!?」
「倉持選手がやさしい!?」
「や、優しいです…!今まで出会った人の中で、一番…!」
「…へぇ〜…?」
「…あの…や 優しい…です…。」
からかわれてつい強く言い返して、えみははっと我に返ったようにまた赤くなって俯いた。
「…アツアツだな〜!」
「でも意外な組み合わせですからね〜!ファンも皆気になってると思いますよ!」
「……。」
それからえみは恥ずかしそうに、いつもみたいにもじもじはにかみながら、赤面しながら…頑張って笑っていた。
【朗報】木崎えみ、倉持にべた惚れwwwww
001:木崎えみ顔真っ赤じゃねーかwww
002:可愛く思えてきた
003:>002 もともと可愛い
004:倉持が騙されてるわけじゃなさそうで安心したは
005:まさか純愛だったとは
006:倉持モテるんだな
007:倉持を選ぶあたりこの子いい子そう
008:わかる、御幸好きな女とか玉城光レベルでもないと顔目当てだろって感じだよな
009:実際御幸ファンの女はにわか
010:倉持ファンが通みたいな言い方はやめろ
011:意外と奥手そうで素直でいい子じゃないか
012:いい子つかまえたな倉持 玉城光追っかけてた頃はどうなるかと思ったけど
013:倉持も結婚かぁ
014:>013 まだだぞ
015:まあ倉持も案外気が回るタイプだし良い組み合わせなんじゃね?
「いただきます。」
「ど、どうぞ…。」
ごくり…、と緊張した面持ちで、俺が一口目を食すのを見守るえみ。
「……。」
「……。」
箸を止めてその目を見つめ返してみると、えみの顔はすぐに真っ赤になった。
「…な、何ですか…?」
「いやスゲー見てるから。」
「あ…。……。」
無意識だったのかよ。やっぱ、無自覚のうちに気を張ってんのかな…。御幸の言う通り、時間が解決するもんかもしれねーけど…。
「えみも早く食えよ。」
「う、うん…。」
「……。」
「……。」
頷いてサラダを食べ始めるえみ。しかし俺が味噌汁を飲むと、やはり気がかりな様子で俺の表情を窺った。
「…んな心配しなくても、いつも美味いから大丈夫だって…」
「え…。」
またえみの顔が赤くなる。ホントすぐ赤くなるな。
「…そういやさ、うちのお袋が…えみに会わせろってうるせえんだけど…」
「…あ…、……。」
「今度の日曜とか…予定空いてる?」
「……。」
…こくこく、と赤い顔で頷くえみ。こっちまでこっぱずかしい。彼女を親に紹介とか…俺にもこんな日が来るなんて。
「…つーか、えみの親は?」
「え?」
「そういや俺挨拶もせずに同棲とか…」
「だっ大丈夫です!」
「そ、そお…?」
こくこくこく、えみは力いっぱい頷いた。
ほんとかぁ…?親、心配してんじゃねーのかなぁ…。えみは普通に、大事に育てられてきた女の子って感じだし…えみの親からしたら俺、どこの馬の骨かわからん柄の悪い野球選手…って感じだろうし…。自分の見た目のウケが、初対面の人にあまりよろしくないことは自覚している。
夕食を食べ終え、俺が風呂から出ると、リビングにえみはいなかった。なんとなく姿を探してベランダを見、人気がないことを確認すると、寝室のドアに手をかけようとして――
「…はい、大丈夫です。最近は…洋一さん、よく笑ってくれてて」
えみの声がして、俺はつい息をひそめた。電話か…?誰と話してるんだろう。よく牧瀬に相談しているようだし、牧瀬かな?それにしても俺の話…。…こっぱずかしい。
「そ…そうかな…。そうだと、嬉しいんですけど…。」
「今度…洋一さんのお母さんと、会うことになって…。」
「…緊張するけど…。…嬉しくて…。」
……えみは本当に、俺を真っすぐに、ずっと…好きでいてくれる。どうしてなのか未だによくわからないけど。俺よりいい男はそこら中にいるのに、なんて…。
「ごはんも、美味しいって…。先輩に…教えてもらったおかげです…。」
…ん?牧瀬がえみに料理を…?いや、まさかな。料理してるとこなんて見たことも聞いたこともねーし。
……じゃあ、電話の相手は……。
「私…もう、諦めかけてたのに…。絶対あきらめちゃダメだって…先輩、言ってくれたじゃないですか。」
「あの日…連絡してみたらって…先輩が言ってくれなかったら…」
「きっと…今頃、洋一さんとは……。」
「だから……。全部、光先輩のおかげです…。」
…頭が真っ白になった。
……光が?えみに…俺に、連絡しろって…?
あの日…光にフラれて日本に戻った時、えみからきたあのメールは…光がそう勧めたから?
「そ、そんなことないです。ふふ…」
えみが嬉しそうに笑いだしたのを背に、俺はフラフラとリビングに戻って、どさっとソファに座り込んだ。
…あの…夜の、言葉は…。俺に光を諦めさせて、えみと…うまくいかせるため?
でも、なんのために?えみのため?俺のため?自分自身の…光自身のため?
「あ…。」
えみが電話を終えたらしく寝室から出てきて、俺に気が付くと微笑んだ。
「洋一さん、今、光先輩と話してたんですけど…。」
躊躇なく光の話題を振るえみに一瞬ぎくりとしたけど、えみは俺と光のことを知らないんだから当たり前だろう、と思い直し、平静を装って相槌を打つ。
「明日から1週間、CMの撮影で日本に来るって…。」
「え?」
嬉しそうにそう言ったえみは、俺が驚いたことに目を丸くして、俺は反応が大きすぎたと苦い気持ちになって、咄嗟に、ふうん、と濁した。
「それで、ちょっと土曜日会うことになって。」
「…そーなんだ。」
「はい。」
「…一人で?来んの?」
「え?そうだと思いますけど…」
…そりゃそーか。御幸は練習があるだろうしな…。
「なので、あの……。」
「あー、メシ?いいよ気にしなくて」
えみは遠慮がちに、だけどえへへとはにかんだ。
少しずつだけど、お互いの距離感を確立できている。前よりは俺も、えみと過ごしていて気が楽だし…。
時間が解決する、という御幸の言葉は、やっぱり正しいのだろう。
…明日は沢村んとこにでも行くか。