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国王はもう長くないのだと思う。だから王女は「光に会ってほしかった」なんて言い方をしたんだろう。
日本に着き、俺と光と倉持の三人で入国ゲートを抜けた。光臣と牧瀬はイタリアに少し留まるらしく、イタリアの空港で別れていた。
国王が亡くなったら…あのイリシア王女の息子が王位を継ぐことになる。しかし王女はまだ未成年で、婚約も3年先。それより前に国王が亡くなったら…あの国はどうなるんだろうか。普通に考えると…国王の代理とかが決められるんだろうか?
「御幸」
誰もいない通路に差し掛かった時、倉持が立ち止って俺を呼び止めた。俺も光も立ち止り、倉持を振り返る。
「何?」
「……頼みがあるんだけど」
倉持はそう言って、光を見た。
「少し、光と二人で話させてくれねえか」
「え…?」
光を見ると、光も戸惑ったように俺を見て、倉持を見た。
「…なんでだよ」
少し苛立って言うと、あの喧嘩っ早い倉持が、落ち着いた態度で頭を下げた。
「頼む。」
「……。」
そんなに真剣に…しかも俺に、頼む、だなんて。
「…3分。」
そう言った俺に、倉持はあっさりと、わかった、と頷いた。
「出たとこで待ってる」
そう光に言い残し、二人を残して歩き出して、通路を曲がったところで立ち止まった。
すぐに倉持の声が聞こえた。
「あんまり時間もねーし、単刀直入に言う。」
「……。」
俺は…おそらく光も、息をのんで倉持の言葉を聞いていた。
「不謹慎だけど…正直今回のこと、俺は最後のチャンスだと思ってる。」
「……。」
「光と一緒になれる、最後のチャンスだって…」
…やっぱり…そんな風に思ってやがったのか、あいつ…。
「王室に戻ること…迷ってるんだろ?」
「……。」
「お前は優しいから…自分が戻ることで皆が助かるならって思ってるんだろ。」
「……わかってるみたいに…言わないで」
「わかるよ。」
光の言葉が詰まった。光がどんな顔をしているか、簡単に脳裏に浮かんだ。
言い当てられた、って顔を…頬を赤くして、俯いて、唇を噛んでる。
「だからって…倉持さんと結婚するわけじゃない。」
「でも、できる」
「…倉持さんはわかってない。」
「わかってる。」
「わかってないよ…!私…一也さん以上に愛せる人いないの!王室に戻って…もしも、倉持さんと結婚したとしても…倉持さんは永遠に2番目なの!…永遠に!」
「わかってるよ。」
「……。」
「それでもお前と一緒になれるなら、それでいい。」
「…うそでしょ…?」
光の呆れたような涙の混じった声がした。
「光さ…気付いてるか?」
「え…?」
「俺にも、敬語使わなくなったよな。」
「……。」
「気付いた時…すげー嬉しかった。今も嬉しい。こうやって、気持ちぶつけてくれんの…」
「……。」
「俺…やっぱお前の事好きだわ」
なんだよそれ…。自分の運命の人に出会ったみてーなこと言いやがって…。
「だからさ…決めてほしい。」
「……。」
「俺と結婚するか……二度と会わないか。」
「…え?」
「結婚しないっつうなら…もう二度と会わない。お前にも…御幸にも。御幸はメジャー行ったし…そうしようと思えば疎遠にできる。あいつも、自分の嫁にプロポーズするような男の顔なんて見たくねぇだろうしな」
「……。」
「…光。」
コツ、と足音が響いた。
「2回目だな…。」
ただでさえ静かな通路の静寂のなか、倉持の声が嫌に大きく響いた。
「…俺と結婚してくれ。」
涙を啜るような声が聞こえた気がしたけど、響いてきた光の声はしっかりとしていて、ハッキリと聞こえた。
「できません…」
コツ、とまた足音が響く。
「…わかった。」
あっさりした倉持の声がして、コツコツコツ、と足音が近づいてきた。すぐに倉持が通路の角を曲がってきて、俺に一瞥をくれると、そのまま黙って前を通り過ぎ、先に帰って行った。
…これで…本当にもう会わないつもりなのか?俺とも、光とも…。
静まり返った通路で、俺は光を迎えに行くために踵を返した。
***
【衝撃】御幸光、ガチのマジでお姫様だったwwwwwwww
ヨーロッパに属する小国アンクレー王国。日本国内での知名度は低いが、ヨーロッパ内でも高いGDPを誇る裕福な国だ。国王君主制で、国民の半分以上が貴族階級であり、現在観光目的の入国は認められていないが美しい自然と中世時代の名残を残す町並みも有名。更に『美男美女が多い国』としても知られる。
御幸光が、そんなアンクレー王国の現国王の直系の曾孫にあたることが明らかになった。現国王は御年98歳で病も煩っており、次代の国王候補がいない状態。そんな中、国王の直系の血を引き、成人しており、さらに配偶者もいる御幸光の存在が見つかり、アンクレー王国から日本大使館宛に、御幸光をアンクレー王国へ招待したいとの書状が届いた。
御幸光が中学生の頃に亡くなった実の母親が王族で、玉城グループはこの事実を知らなかった模様。
なお、アンクレー王国は王族のみ男女ともに多重婚が認められている。
001:【朗報】倉持洋一、チャンス到来
002:>なお、アンクレー王国は王族のみ男女ともに多重婚が認められている。
>なお、アンクレー王国は王族のみ男女ともに多重婚が認められている。
>なお、アンクレー王国は王族のみ男女ともに多重婚が認められている。
003:情報量が多すぎて草
004:ガチの王女様だったのかあ…だからあんなに品があるんやね
005:御幸光って御幸一也と結婚したときに祖父に勘当されたって噂あったけど、これで大逆転やね
006:祖父裏切って御幸光側に着いた従弟と牧瀬司大勝利やん
007:倉持とも結婚するんか?
008:俺とも結婚してくれ
009:そうや俺も高校生のころから好きだったんやから倉持と結婚するなら俺とも結婚しろ
010:>009お前と結婚するなら成宮鳴と結婚するだろ
011:>010成宮と結婚したくないみたいな書き方で草
012:実際御幸光は成宮嫌いだしな
013:しつこい男は嫌われるんや
014:御幸一也はともかく倉持が王族とか控えめに言って似合わな過ぎて草
015:御幸は悪徳貴族で倉持はスラム街育ちの反乱軍幹部って感じだよな
016:>015脳内再生余裕過ぎて草wwwwww
017:倉持とも結婚する前提みたいな流れで草
018:で、結婚すんの?
019:まーこんだけ長い長い片思い拗らせてて恋人とも別れてアメリカまで追いかけて行っちゃうんだからそろそろ報われても誰も文句言わねーだろ
020:>019御幸一也「は?」
021>019成宮「は?」東条「は?」結城「は?」美馬「は?」真田「は?」
022:>021こうしてみるとマジで御幸光モテすぎだろ
023:生で見た男は皆恋に落ちちゃうんだろうなぁ…
024:>023テレビ越しでも恋に落ちちゃうぞ
025:アンクレー王国ってすげー綺麗なとこだな行ってみたいけど観光だめなのか【画像】
026:>025エルフの国やん…
027:アンクレー王国のイリシア王女(16)可愛すぎwwwww【画像】
028:>027御幸光にちょっと似てるな
029:>027御幸光(24)の方が可愛いんだが
030:御幸光はガチで美しさが全く衰えないどころか年々綺麗になっていくからすごい。マジでエルフかなんかなんじゃねーの
031:こんだけ綺麗なら何人男侍らせてても許せるは・・・・・・
「ただいま。」
今日は知り合いのデザイナーの個展に招待されていた光が夜になって帰ってきた。
「おかえり。」
光は微笑みを残して、寝室に着替えに行く。拍子抜けするほどいつも通り…倉持とのあの話の後、光を迎えに行ったときは、どこか呆然としていたけど…
「どうだった?」
「すごかったよ!あのね…」
光はソファにいた俺の隣にやってきて、写真を見せながら古典での話をした。楽しそうに、本当に普通に。倉持がもう二度と会わないと言っていたこと、どう思っているのか…。
あれから俺の所にも倉持から連絡が来なくなったし、今回ばかりはあいつも本気なのか?それにしては、引き際があっさりしすぎていた気も…。
「一也さん?」
「ああごめん、何?」
考え込んででボーっとしてしまい、光に心配された。
このまま…何事もないのだろうか。
日本に着き、俺と光と倉持の三人で入国ゲートを抜けた。光臣と牧瀬はイタリアに少し留まるらしく、イタリアの空港で別れていた。
国王が亡くなったら…あのイリシア王女の息子が王位を継ぐことになる。しかし王女はまだ未成年で、婚約も3年先。それより前に国王が亡くなったら…あの国はどうなるんだろうか。普通に考えると…国王の代理とかが決められるんだろうか?
「御幸」
誰もいない通路に差し掛かった時、倉持が立ち止って俺を呼び止めた。俺も光も立ち止り、倉持を振り返る。
「何?」
「……頼みがあるんだけど」
倉持はそう言って、光を見た。
「少し、光と二人で話させてくれねえか」
「え…?」
光を見ると、光も戸惑ったように俺を見て、倉持を見た。
「…なんでだよ」
少し苛立って言うと、あの喧嘩っ早い倉持が、落ち着いた態度で頭を下げた。
「頼む。」
「……。」
そんなに真剣に…しかも俺に、頼む、だなんて。
「…3分。」
そう言った俺に、倉持はあっさりと、わかった、と頷いた。
「出たとこで待ってる」
そう光に言い残し、二人を残して歩き出して、通路を曲がったところで立ち止まった。
すぐに倉持の声が聞こえた。
「あんまり時間もねーし、単刀直入に言う。」
「……。」
俺は…おそらく光も、息をのんで倉持の言葉を聞いていた。
「不謹慎だけど…正直今回のこと、俺は最後のチャンスだと思ってる。」
「……。」
「光と一緒になれる、最後のチャンスだって…」
…やっぱり…そんな風に思ってやがったのか、あいつ…。
「王室に戻ること…迷ってるんだろ?」
「……。」
「お前は優しいから…自分が戻ることで皆が助かるならって思ってるんだろ。」
「……わかってるみたいに…言わないで」
「わかるよ。」
光の言葉が詰まった。光がどんな顔をしているか、簡単に脳裏に浮かんだ。
言い当てられた、って顔を…頬を赤くして、俯いて、唇を噛んでる。
「だからって…倉持さんと結婚するわけじゃない。」
「でも、できる」
「…倉持さんはわかってない。」
「わかってる。」
「わかってないよ…!私…一也さん以上に愛せる人いないの!王室に戻って…もしも、倉持さんと結婚したとしても…倉持さんは永遠に2番目なの!…永遠に!」
「わかってるよ。」
「……。」
「それでもお前と一緒になれるなら、それでいい。」
「…うそでしょ…?」
光の呆れたような涙の混じった声がした。
「光さ…気付いてるか?」
「え…?」
「俺にも、敬語使わなくなったよな。」
「……。」
「気付いた時…すげー嬉しかった。今も嬉しい。こうやって、気持ちぶつけてくれんの…」
「……。」
「俺…やっぱお前の事好きだわ」
なんだよそれ…。自分の運命の人に出会ったみてーなこと言いやがって…。
「だからさ…決めてほしい。」
「……。」
「俺と結婚するか……二度と会わないか。」
「…え?」
「結婚しないっつうなら…もう二度と会わない。お前にも…御幸にも。御幸はメジャー行ったし…そうしようと思えば疎遠にできる。あいつも、自分の嫁にプロポーズするような男の顔なんて見たくねぇだろうしな」
「……。」
「…光。」
コツ、と足音が響いた。
「2回目だな…。」
ただでさえ静かな通路の静寂のなか、倉持の声が嫌に大きく響いた。
「…俺と結婚してくれ。」
涙を啜るような声が聞こえた気がしたけど、響いてきた光の声はしっかりとしていて、ハッキリと聞こえた。
「できません…」
コツ、とまた足音が響く。
「…わかった。」
あっさりした倉持の声がして、コツコツコツ、と足音が近づいてきた。すぐに倉持が通路の角を曲がってきて、俺に一瞥をくれると、そのまま黙って前を通り過ぎ、先に帰って行った。
…これで…本当にもう会わないつもりなのか?俺とも、光とも…。
静まり返った通路で、俺は光を迎えに行くために踵を返した。
***
【衝撃】御幸光、ガチのマジでお姫様だったwwwwwwww
ヨーロッパに属する小国アンクレー王国。日本国内での知名度は低いが、ヨーロッパ内でも高いGDPを誇る裕福な国だ。国王君主制で、国民の半分以上が貴族階級であり、現在観光目的の入国は認められていないが美しい自然と中世時代の名残を残す町並みも有名。更に『美男美女が多い国』としても知られる。
御幸光が、そんなアンクレー王国の現国王の直系の曾孫にあたることが明らかになった。現国王は御年98歳で病も煩っており、次代の国王候補がいない状態。そんな中、国王の直系の血を引き、成人しており、さらに配偶者もいる御幸光の存在が見つかり、アンクレー王国から日本大使館宛に、御幸光をアンクレー王国へ招待したいとの書状が届いた。
御幸光が中学生の頃に亡くなった実の母親が王族で、玉城グループはこの事実を知らなかった模様。
なお、アンクレー王国は王族のみ男女ともに多重婚が認められている。
001:【朗報】倉持洋一、チャンス到来
002:>なお、アンクレー王国は王族のみ男女ともに多重婚が認められている。
>なお、アンクレー王国は王族のみ男女ともに多重婚が認められている。
>なお、アンクレー王国は王族のみ男女ともに多重婚が認められている。
003:情報量が多すぎて草
004:ガチの王女様だったのかあ…だからあんなに品があるんやね
005:御幸光って御幸一也と結婚したときに祖父に勘当されたって噂あったけど、これで大逆転やね
006:祖父裏切って御幸光側に着いた従弟と牧瀬司大勝利やん
007:倉持とも結婚するんか?
008:俺とも結婚してくれ
009:そうや俺も高校生のころから好きだったんやから倉持と結婚するなら俺とも結婚しろ
010:>009お前と結婚するなら成宮鳴と結婚するだろ
011:>010成宮と結婚したくないみたいな書き方で草
012:実際御幸光は成宮嫌いだしな
013:しつこい男は嫌われるんや
014:御幸一也はともかく倉持が王族とか控えめに言って似合わな過ぎて草
015:御幸は悪徳貴族で倉持はスラム街育ちの反乱軍幹部って感じだよな
016:>015脳内再生余裕過ぎて草wwwwww
017:倉持とも結婚する前提みたいな流れで草
018:で、結婚すんの?
019:まーこんだけ長い長い片思い拗らせてて恋人とも別れてアメリカまで追いかけて行っちゃうんだからそろそろ報われても誰も文句言わねーだろ
020:>019御幸一也「は?」
021>019成宮「は?」東条「は?」結城「は?」美馬「は?」真田「は?」
022:>021こうしてみるとマジで御幸光モテすぎだろ
023:生で見た男は皆恋に落ちちゃうんだろうなぁ…
024:>023テレビ越しでも恋に落ちちゃうぞ
025:アンクレー王国ってすげー綺麗なとこだな行ってみたいけど観光だめなのか【画像】
026:>025エルフの国やん…
027:アンクレー王国のイリシア王女(16)可愛すぎwwwww【画像】
028:>027御幸光にちょっと似てるな
029:>027御幸光(24)の方が可愛いんだが
030:御幸光はガチで美しさが全く衰えないどころか年々綺麗になっていくからすごい。マジでエルフかなんかなんじゃねーの
031:こんだけ綺麗なら何人男侍らせてても許せるは・・・・・・
「ただいま。」
今日は知り合いのデザイナーの個展に招待されていた光が夜になって帰ってきた。
「おかえり。」
光は微笑みを残して、寝室に着替えに行く。拍子抜けするほどいつも通り…倉持とのあの話の後、光を迎えに行ったときは、どこか呆然としていたけど…
「どうだった?」
「すごかったよ!あのね…」
光はソファにいた俺の隣にやってきて、写真を見せながら古典での話をした。楽しそうに、本当に普通に。倉持がもう二度と会わないと言っていたこと、どう思っているのか…。
あれから俺の所にも倉持から連絡が来なくなったし、今回ばかりはあいつも本気なのか?それにしては、引き際があっさりしすぎていた気も…。
「一也さん?」
「ああごめん、何?」
考え込んででボーっとしてしまい、光に心配された。
このまま…何事もないのだろうか。