吹きすさぶ暴風と豪雨の声が、かすかな吐息をかき消す。それでも互いの唇にかかる熱を孕んだ呼吸は肌を焼いた。
キスを繰り返しながらベッドへいき、細い光の腰をまさぐって、トレーナーを捲り上げる。下着をつけていない光は咄嗟に胸を手で隠す。

「見せて」

そう声をかけながら手を掴むと、光は腕に力を入れて抵抗する。

「待って…電気、消してください」

近くに雷が落ちた。光の体がびくりとはねたのを最後に、俺の視界には闇が広がる。…停電だ。
咄嗟に俺に抱き着いた光はゆっくりと身を起こした。暗闇の中で、その姿がぼんやりと見える。うつむき気味の顔も。俺の服を掴む腕も。…胸の膨らみも。
俺も服を脱ぎ、床に脱ぎ捨てた。すると光も、その場にズボンを脱ぎ捨てた。お互いに下着一枚で向かい合う。俯いている光の頬に手を添えると、光は顔を上げた。見つめあい、顔を近づけて、ゆっくりと唇を合わせた。

…誰が想像しただろう。今、俺たちがここにいることも、こんなことをしていることも、誰も…誰一人として、知らないんだ。

遠慮がちに動く小さな舌を、自分の舌で撫でる。可愛い、可愛い光。俺だけの光。こんなふうに体を許してくれて、求めてくれるなんて。こんなに嬉しいことはない。
肩においていた手を、ゆっくりと下に撫で下ろす。手のひらに、柔らかな膨らみが収まる。持ち上げるようにその感触を堪能し、突起を指先で小さくはじく。ピクリ、と光の体が反応する。刺激を続けていると、だんだん、光は腰を引いて後ろに逃げようとする。俺はそのまま、光を押し倒す。
ベッドに倒れた光に覆いかぶさり、胸の赤く熟れた先端に舌を這わせる。

「……ぁっ…」

暴風雨の声に交じって、光のかすかな喘ぎ声が聞こえて、俺を煽る。舌で突起を弄びながら、右手でわき腹を撫でる。指先にざらりとした傷跡の感触を覚える。俺はそこを丁寧に撫で、腰、太ももへと手を移す。
胸の快感に酔いしれるように、光は手で口元を隠しながら身をくねらせる。逃れられないように、俺は左手で胸を抑え、なおも舌で刺激する。

「…ん……っ…」

やっぱり、胸が弱いみたいだ。内ももを撫でていた右手が、光が足を閉ざしたことで両腿に挟まれる。俺はいったん胸から離れ、足を少し開かせて自分の片足を挟ませる。これで足を閉じられなくなった。今度は内腿のもっと上の方、秘部に近いあたりを愛撫する。
光が少し不安そうに俺を見る。俺はその頬を撫で、唇を重ねる。
胸を撫でていた手をずらし、肌の上を滑らせ、下着と肌の間に指を滑り込ませる。反射的に足を閉じようとした光の柔らかな両腿が、俺の足に阻まれる。光の唇から焦ったような吐息がもれ、俺の手を光の手が掴む。しかしそれは控えめで、動きを阻むほどではなかった。
指先を濡らすぬるぬるとした感触。熱い。柔らかい。蜜を塗り広げるように溝を指先でなぞると、小さな突起に触れた時、光の腰がピクリと反応した。ここがアレか…。溝をなぞりつつ、その突起に意識的に触れるようにする。光の呼吸が荒くなっていく。とろんとした目で俺を見上げ、恥ずかしそうにまた逸らす。
俺は手を引き抜き、淡い水色の下着をずらした。スッと、下着と肌を繋ぐ細い光が見え、喜びが湧き上がる。足を閉ざしてしまった光の、両ひざに手を置き、光の顔を見つめながら足を開かせる。

「隠すなよ…」
「……恥ずかしい」
「こんなに綺麗なのに」

開いた足の付け根に顔を近づける。それは想定外だったようで、光は慌てて足を閉じようとする。しかしもう、遅い。

「や…!そ、そんな、こと…やめ…」

戸惑いがちにこぼれる声を聴きながら、俺は指でそこを広げ、舌で触れた。俺の頭を光の柔らかな両腿が挟む。かまわず舌で、一番敏感な部分に触れる。先で転がすように、細かく刺激を与えていく。光の足が刺激に反応するのがわかる。

「…ぁ……あっ…」

よがっているのを確認しながら、ゆっくりと中指を膣に挿入する。…相変わらずきつい。最初の時よりは楽だろうけど、これ、本当にもう痛くねーのかな。
中指を入れた状態のまま、舌で刺激を与える。

「ん…っ……ふ……」

光は口元を隠し、声を押し殺すようにして、手を伸ばして秘部を隠そうとする。それでも秘部を舐め続けると、その手はためらうように退く。
中指を動かし始め、突起ももう片方の親指の腹で刺激し、俺は顔を上げて光の様子を見る。細い腰から柔らかな弧を描いた先にある、柔らかな胸。片方の腕で隠すように押しつぶされている今、かえって煽情的に見える。そして俺の枕に埋まった、光の欲情した顔。普段学校で見るのとは全く違う姿。俺だけが知っている光――。

「……ぁ、だめ…っ」

突然手を伸ばして、俺の右手に触れる光。その瞬間、ビクンと体が震え、俺の中指をぎゅうぎゅうと締め付ける。

「……は……、ぁ、…はぁ…っ」

恥ずかしそうに顔を覆いながら息を荒げ、また倒れこむ。下半身は脱力し、秘部はヒクヒクと痙攣している。
…も、もしかして。初めて…イッてくれた?

「…光」

ああ、顔、見逃しちゃったな。そんなことを考えながら、光が可愛くて可愛くて、俺は身を乗り出して光の顔を覗き込む。

「や…やだ……」

光は逃げるように顔を背けたが、それでも唇を追うと、口づけに応えてくれた。まだ荒い息が漏れ出ている。それが愛おしくて、俺は何度も赤い唇を舐めた。

「……光、」

小さくて柔らかい手を絡めとり、耳元でねだるように囁く。

「…触って。」
「…ん…」

俺の手に導かれて、光の手が俺のモノに触れる。遠慮がちにそっと、下着越しにそれを握ったり、形をなぞったりしている。その刺激そのものは物足りなかったが、光の表情、俺のモノを光が弄っているこの状況が、俺の胸の奥をしつこく煽る。

「…あ…おおきく……」

光が躊躇いながら手を離す。俺は起き上がって下着を脱いだ。膨れ上がったそれを、光は息をのんで見る。

「…もっと、…前、したときみたいに」

そうつぶやくと、光は顔を赤くして、意を決したように俺のモノに直接触れた。光の手では、俺のモノを掴んでも、中指と親指が届かないんだな…。上下する小さな手を見つめて思う。あぁやばい、この光景、絶対後で夢に出る…。
まだ少し物足りないながらも、さきほどよりはっきりと快楽の波が押し寄せる。光の表情、胸、足…、それを盗み見ながら、快楽に身を委ねる。

「…光、もう少し」

強く。そう言おうとした時だった。光はゆっくりと身をかがめ、俺のモノに顔を近づけた。…え?まさか…
熱く、柔らかい物が、俺の先端をなぞる。…光が。俺のを舐めている。湧き上がる羞恥と快楽。しかし俺は焦って、思わず華奢な肩を抑える。

「お…おい!そこまでしなくていいって…!」

その反応に煽られたかのように、光はさらに身をかがめる。その姿で阻まれて俺からは見えないが、俺のモノがゆっくりと、熱くて柔らかくて窮屈な何かに飲み込まれていく。…嘘だろ、咥えてんのか?なんで…そこまで?
裏にぴったりと添えられる熱い舌の感覚と、小さな口が精いっぱい圧し広がる窮屈な感覚。

「…ん……ぅ」

苦し気な声に交じる、唾液と蜜とが絡み合う音。やばい…、良すぎる。
口で届かない範囲は、一生懸命手で擦ってくれている。ど…どこで覚えてくるんだ、こんなの…。
ゆっくりと上下していた口が、だんだんと要領を得てきたらしく、早くなっていく。かと思えば息苦しそうに口を離し、先端を舌で舐めはじめる。熱い吐息がかかり、たどたどしい不規則な刺激が、俺の腹の奥をくすぐる。

「……っそれ、やばい」

そう呟くと、光はかえってそこを集中的に刺激する。押し寄せる快楽があふれ出る瞬間、まずい、と思ったが、既に遅かった。

「…っひゃ」

光の驚いた声で我に返る。ぽかんとしたその口元に、白濁した液体がとろりと滴っていた。

「…うわ!ご、ごめん!」

その光景に腹の底が疼きながら、俺は慌ててティッシュを取り、光の口元を拭う。柔らかい、赤い唇が、俺に拭われるたびに引っ張られて揺れるのを見ていると、無性にキスしたくなって、唇を近づける。抵抗なく触れあう唇。舐めあうように舌を絡めて、俺は光の後頭部に手を添え、ゆっくりと押し倒す。鞄からゴムを出し、慎重に取り付けると、光の足を開かせ、自身の体を滑り込ませる。光の足の間で、光のうるんだ瞳に見つめられながら、細い腰を少し持ち上げ、自身をそこへあてがう。

「…挿れるぞ」

光の額に張り付く前髪を撫でながら言うと、光は小さく何度か頷いた。
秘部は十分に濡れている。入り口が狭いせいで滑ってしまいそうになるのを、自分の手でしっかりと押さえて防ぎ、ゆっくりと腰を沈めた。

「…痛くないか?」
「…少し…」

口を覆いながら顔を背ける光は、眉根を少しゆがめて呟く。俺はゆっくりと、慎重に押し広げていく。

「…あと半分くらい」
「ん……はい」

口元を覆う手が握りしめられているのを、俺は優しく撫でて解かせ、指を絡めて繋ぐ。枕元にその手を押さえて、苦しげな光の表情を見る。

「もう少しだから…」

空いた方の手で光の唇を撫で、頬に添えると、光は甘えるように顔を傾ける。

「よし…全部入ったぞ」

頬を撫でて言うと、光は目を薄く開けて俺を見た。目が合うと、少し微笑を浮かべ、それまで胸を隠していた腕を無防備に布団に倒した。

「動いていいか?」

光が小さく頷いたのを見て、俺は律動を始める。…まだキツいな。引っ張られるような感覚がするほど、摩擦が強い。光も耐えるように眉根を歪め、唇を噛んでいる。くそ、気持ちよくなってもらいてぇのに…。繋いでいる手に力が籠る。俺は空いている方の手を、動きに合わせて揺れている胸に伸ばした。

「……ぁ、っ」

突起に触れると、光の苦しげな吐息に甘い声が混じった。これなら少しでも気持ちいいかな…。
突起を指で転がし、舌を這わせる。片方を口に含み、もう片方を指で弄っていると、光のナカがひくつき、俺をしめつけた。…感じているみたいだ、よかった。だけどこれ…俺の方がもたねぇな。

俺は手を離し、今度は繋がっている秘部へと手を伸ばす。指先で濡れた突起を撫でると、先ほどよりも強く、光のナカが締まった。

「……っ」

光はまた手で口を押え、息を止めるように唇を噛む。俺はその手を解かせ、唇の間に自分の指をねじ込む。

「我慢しないで、言って」
「……んん…」
「…気持ちいい?」

また秘部の突起を弄りながら訊くと、光は悩ましげに目を瞑って、小さく頷いた。

「じゃあそのまま、見せて。」
「だめ…」
「大丈夫だから。な?」
「…んっ……ぁ、だめぇ…」

腰をくねらせてよがる白い肢体。汗ばむ頬は赤く、少し開いた唇は濡れている。あー、もう、やばいって…。
普段生意気に俺をからかっている光が、こんな…。俺が動くたびに、吐息をもらして、声を我慢して。

「んっ……ふ…っ…、んんっ…」

声を押し殺して噛み締めている唇を舐める。いつもはすぐに応えてくれるのに、今は堪えるように引き締めたまま動かない。

「…口、開けて」
「んん……」
「…な、お願い」

ペロ、とまた唇を舐めてねだると、唇がわずかに開く。俺は秘部の突起を転がし続けながら、唇を舐める。

「ぁ…っ、もう…っ、……はっ…」

光はキスに応える余裕もない様子でシーツを握りしめた。その表情を、浮くような熱を、俺は待ち望んで見つめた。

「あっ、あぁっ、ん…!」

その時、ナカが震え、ぎゅうっと締まった。込み上げて溢れだす快楽の波。達した瞬間、快楽と羞恥で震える光を見て、俺の心臓まで締め付けられた。こんな顔でイくんだ…。すげえ、可愛い。
耳の奥に残る絶頂の喘ぎ声を思い返しながら、まだ自身を沈めたまま、思いつくままに光にキスをする。

「…大丈夫か?」

優しく尋ねながら熱を持った頬を撫でると、その親指に、あたたかい涙がこぼれてきた。涙で濡れた瞳で俺を見上げた光は、恥ずかしげに微笑を浮かべ、頷いた。
まだひくつく秘部から俺は引き抜く。光の甘い吐息が漏れ、腰がピクリと跳ねる。…もう一回したい。でも、これ以上は無理をさせちまうよな…。
俺はゴムの処理をして、光を振り返る。
ベッドの上で無防備に投げ出された、滑らかな肢体。火照った体は荒い呼吸で上下し、足の隙間に隠れた秘部の周りは、溢れる蜜で濡れて光っている。…やばいって。
光はとろんとした目で俺を見つめ、胸元を隠しながら起き上がった。髪を耳にかけ、恥ずかしそうに視線を落とす。…気恥ずかしい。
光も恥ずかしそうに体育座りになり、膝の上に手を添えて俯せる。それがなんだか可愛くて、俺は手を伸ばし、綺麗な髪を撫でた。

「…恥ずかしい」

紛らわせるように光が呟いた。

「…なんでだよ?」

俺は自分を棚に上げてそんなことを言う。まるで余裕でもあるみたいに。

「…だって…また……さ、されるがままで」

…そんなことないと思うけど。

「俺としては、どこがイイとか悪いとか、もっと教えてほしいんだけど?」
「…そ、そんなこと」
「光が感じてると、俺もすげーイイから」

それは本当。光の表情や反応が、俺の快楽を何倍にも膨れ上がらせる。

「だからさ、もっと遠慮なく言えよ。してほしいこととか…」
「……。」

光は迷うように俯き、…じゃあ、と口を開いた。

「…先輩と一緒に…寝たいです」

…え。

「…だめですか?」

いや、だめじゃねーけど…!

「…いや、いい、けど…」

口ごもりながらも頷くと、光は嬉しそうに微笑んだ。

「…あ、でもその前に、もう一回…シャワー借りてもいいですか?」
「え、あ、おう」

光は着替えを拾い上げて浴室へ向かう。思いがけない事態になった。でも…まぁ、いいか。
まだ体に満ちる幸福な余韻に浸りながら、ふと、窓の外の風の声が、かなり静かになってきていることに気が付いた。


***


ベッドの中で光の向かい合わせになって横たわる。布団をかぶると、まるでふたりきりで閉じ込められたかのような閉塞感の中、伝わってくる体温に緊張と安堵の両方を覚える。

「…ふふ」

光が小さく笑った。

「…何?」

こっちは気恥ずかしさで心臓が破裂しそうだというのに。尋ねると、光は俺をちらりと見上げ、胸に顔を押し付けるように抱き着いてきた。…光も恥ずかしがってんな、これは。
背中にまわされた手が俺の服を掴むのを感じて愛おしさが込み上げるまま、俺も光の背中に手を回す。そうして抱きしめあって、俺たちは目を閉じた。

「…おやすみ」
「…おやすみなさい」

 


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