358
光と再会し、同棲を決めた日の夜。
早速光は、当面の着替えを持って帰ってきた。これから少しずつ荷物の整理をして、今月中には完全に俺が住んでいたマンションに移る予定だ。
焦りすぎかもしれない。でも俺は一秒でも多く光と一緒にいたかったし、もう離れたくなかった。目の届く場所にいてほしかった。俺、束縛強いのかも。
「一也さん本当にここに住んでるんですか?」
「どういう意味?」
服をクローゼットにしまう光を眺めながら尋ねると、光はこちらを振り向いた。
「クローゼットほとんど空いてるじゃないですか。」
「俺も今年寮を出たばっかだから荷物が少ないんだよ。」
「ふーん…」
光は納得したのか腑に落ちないのかあいまいな相槌を打って、セーターをハンガーにかけてつぶやいた。
「…そういうこと用のマンションとかじゃないですよね。」
「どういうこと?」
「女の子呼ぶ用…」
「なんだそれ…怒るぞコラ」
「だ、だって野球選手は遊んでるって聞いて…」
「お前なー…!」
光に歩み寄って目の前にしゃがむと、光はうっと身構えた。
「お前と別れてから俺は女と遊んですらねーんだぞ」
「え、ほ…ほんと?」
「ほんとだよ。それなのに酷くない?」
「…ごめんなさい」
「傷ついた」
「ごめんなさいってば…」
「お前こそ俺を弄んでんじゃないだろうな」
「え!?そんなことあるわけない!」
「怪しいな〜お前モテるからな〜」
「私先輩しか好きになったことないもん!それに先輩よりかっこいい人なんていないし!」
「おま……。ま、まあいいや…。とにかく、こう言われると嫌だろ?」
「あ…。」
ちょっとやりかえすつもりが、光の反論が思いがけず熱烈で、ついときめいてしまった。
だけど光は俺の気持ちが分かったらしく、しょんぼりとした。
「ごめんなさい…。」
「いいよ。」
俺も不安になることはあるから、気持ちはわかる。
でもその不安も、今の光の言葉を聞いたら晴れそうだ。
「先輩〜…」
「先輩じゃないんだけど。」
「あ、そっか。一也さん」
服をしまい終えた光が腕を絡めて甘えてきた。くすぐったい気持ちになりながらリビングに移動し、一緒にソファに座った。
「風呂入る?」
「あ…。うん…」
「何?一緒に入る?」
「え…!違う!いや!」
「…そこまで嫌がられると悲しいんだけど」
「だ、だって恥ずかしいんだもん…」
「そのうち慣れるって。」
「だから嫌だってば。」
「……。」
ダメか…。ちぇっ。
先に光が風呂に入り、次に俺が風呂から出てくると、光はソファにいた。
「そろそろ寝る?」
隣に座って声をかけると、光はしおらしく頬を染めた。
「あの…。私…って…」
「ん?」
「い 一緒に寝る…の?」
真っ赤な顔で俺の顔をうかがう光。
「いやあたりまえじゃん」
「……!」
即答すると、光は赤い顔のままピシッと固まった。
「ベッドひとつしかないし」
「……。」
「ちょうどセミダブルだから十分だし」
「……。」
「それに…」
本当はちゃんと雰囲気を作って誘うつもりだったけど、この様子だとはっきり伝えたほうがいいかもしれない。
「俺今夜も…したいと思ってるんだけど」
「え…。」
光の赤い顔がますます赤くなった。
「いい?」
「え…、えっと…」
「だめならしないけど。」
「……。」
光は顔を真っ赤にして、ぽそり、と呟いた。
「…いいよ…。」
か…っ
かわいい……っ!!
「じゃあ行こう。」
「え…」
「寝室。」
「……。」
真っ赤な顔でいっぱいいっぱいの光の手を引き、寝室に入る。
誰にも邪魔されず、一晩中光と時間を過ごせる…。
学生の頃はなんだかんだ、時間も場所も限られていたし。でもこれからは一緒に暮らして、一緒のベッドで寝起きして…。
ああ、大人って最高…!!
「ま、待って」
ベッドに光を座らせて押し倒そうとしたところで、光が俺を押し返した。
「カーテン、開いてる」
「あぁ…」
はいはい、とカーテンを閉めて、再び光に跨ろうと…
「ちょっと待って、電気…」
「いいじゃん」
「やだ、消して」
「……。」
しょーがないな…。
俺はベッドを降り、部屋の電気を消した。
「ちょ…ちょっと、まだ電気ついてる」
「いーじゃん間接照明は」
「やだ、見えるもん」
「見たいの俺は。」
「やだ。」
「……。」
くっそ、早くヤリたい。
俺は仕方なく間接照明もすべて消した。
「はい!もういいよな?」
「う…。」
「それとも何、嫌ってこと?」
「そ、そうじゃないけど…。…久しぶりだから…恥ずかしい…」
「…あのな。この前前戯だけはしただろ。」
「……。」
「しかもその時お前が寝落ちしたから、俺ずっと我慢してるんだけど。」
「……。」
「ここまで焦らしといてまだ焦らすわけ?」
「……。」
光は観念した様子で、胸もとで縮こまっていた腕をおろした。
早速光は、当面の着替えを持って帰ってきた。これから少しずつ荷物の整理をして、今月中には完全に俺が住んでいたマンションに移る予定だ。
焦りすぎかもしれない。でも俺は一秒でも多く光と一緒にいたかったし、もう離れたくなかった。目の届く場所にいてほしかった。俺、束縛強いのかも。
「一也さん本当にここに住んでるんですか?」
「どういう意味?」
服をクローゼットにしまう光を眺めながら尋ねると、光はこちらを振り向いた。
「クローゼットほとんど空いてるじゃないですか。」
「俺も今年寮を出たばっかだから荷物が少ないんだよ。」
「ふーん…」
光は納得したのか腑に落ちないのかあいまいな相槌を打って、セーターをハンガーにかけてつぶやいた。
「…そういうこと用のマンションとかじゃないですよね。」
「どういうこと?」
「女の子呼ぶ用…」
「なんだそれ…怒るぞコラ」
「だ、だって野球選手は遊んでるって聞いて…」
「お前なー…!」
光に歩み寄って目の前にしゃがむと、光はうっと身構えた。
「お前と別れてから俺は女と遊んですらねーんだぞ」
「え、ほ…ほんと?」
「ほんとだよ。それなのに酷くない?」
「…ごめんなさい」
「傷ついた」
「ごめんなさいってば…」
「お前こそ俺を弄んでんじゃないだろうな」
「え!?そんなことあるわけない!」
「怪しいな〜お前モテるからな〜」
「私先輩しか好きになったことないもん!それに先輩よりかっこいい人なんていないし!」
「おま……。ま、まあいいや…。とにかく、こう言われると嫌だろ?」
「あ…。」
ちょっとやりかえすつもりが、光の反論が思いがけず熱烈で、ついときめいてしまった。
だけど光は俺の気持ちが分かったらしく、しょんぼりとした。
「ごめんなさい…。」
「いいよ。」
俺も不安になることはあるから、気持ちはわかる。
でもその不安も、今の光の言葉を聞いたら晴れそうだ。
「先輩〜…」
「先輩じゃないんだけど。」
「あ、そっか。一也さん」
服をしまい終えた光が腕を絡めて甘えてきた。くすぐったい気持ちになりながらリビングに移動し、一緒にソファに座った。
「風呂入る?」
「あ…。うん…」
「何?一緒に入る?」
「え…!違う!いや!」
「…そこまで嫌がられると悲しいんだけど」
「だ、だって恥ずかしいんだもん…」
「そのうち慣れるって。」
「だから嫌だってば。」
「……。」
ダメか…。ちぇっ。
先に光が風呂に入り、次に俺が風呂から出てくると、光はソファにいた。
「そろそろ寝る?」
隣に座って声をかけると、光はしおらしく頬を染めた。
「あの…。私…って…」
「ん?」
「い 一緒に寝る…の?」
真っ赤な顔で俺の顔をうかがう光。
「いやあたりまえじゃん」
「……!」
即答すると、光は赤い顔のままピシッと固まった。
「ベッドひとつしかないし」
「……。」
「ちょうどセミダブルだから十分だし」
「……。」
「それに…」
本当はちゃんと雰囲気を作って誘うつもりだったけど、この様子だとはっきり伝えたほうがいいかもしれない。
「俺今夜も…したいと思ってるんだけど」
「え…。」
光の赤い顔がますます赤くなった。
「いい?」
「え…、えっと…」
「だめならしないけど。」
「……。」
光は顔を真っ赤にして、ぽそり、と呟いた。
「…いいよ…。」
か…っ
かわいい……っ!!
「じゃあ行こう。」
「え…」
「寝室。」
「……。」
真っ赤な顔でいっぱいいっぱいの光の手を引き、寝室に入る。
誰にも邪魔されず、一晩中光と時間を過ごせる…。
学生の頃はなんだかんだ、時間も場所も限られていたし。でもこれからは一緒に暮らして、一緒のベッドで寝起きして…。
ああ、大人って最高…!!
「ま、待って」
ベッドに光を座らせて押し倒そうとしたところで、光が俺を押し返した。
「カーテン、開いてる」
「あぁ…」
はいはい、とカーテンを閉めて、再び光に跨ろうと…
「ちょっと待って、電気…」
「いいじゃん」
「やだ、消して」
「……。」
しょーがないな…。
俺はベッドを降り、部屋の電気を消した。
「ちょ…ちょっと、まだ電気ついてる」
「いーじゃん間接照明は」
「やだ、見えるもん」
「見たいの俺は。」
「やだ。」
「……。」
くっそ、早くヤリたい。
俺は仕方なく間接照明もすべて消した。
「はい!もういいよな?」
「う…。」
「それとも何、嫌ってこと?」
「そ、そうじゃないけど…。…久しぶりだから…恥ずかしい…」
「…あのな。この前前戯だけはしただろ。」
「……。」
「しかもその時お前が寝落ちしたから、俺ずっと我慢してるんだけど。」
「……。」
「ここまで焦らしといてまだ焦らすわけ?」
「……。」
光は観念した様子で、胸もとで縮こまっていた腕をおろした。